ネットでエンジニアを調べると、Webエンジニアやシステムエンジニアを紹介する記事がヒットします。しかし、本来のエンジニアとは、エンジニアリングの知識を活用して課題を解決する技術者を指す言葉です。
Webエンジニアやシステムエンジニアもエンジニアですから、課題を解決するのが仕事です。そしてエンジニアリングの知識を増やすにはキャリアを見据えて経験を積み、学習していかなければなりません。今回は、エンジニアの意味とエンジニアとしての働き方やキャリアの考え方について解説します。
- エンジニアとはエンジニアリングの知識を活用して、課題を解決する人
- ITエンジニアは身に付けたスキルによって細かい職種に分かれている
- キャリアに応じて年収に差がつくので、転職も含めたキャリアップの機会を作ろう
- エンジニアになって、技術を使い人々の課題を解決する方法を提案できるようになろう
そもそもエンジニアとは
IT業界で働く多くの方がエンジニアと呼ばれています。そもそもエンジニアとは、どういった人を指す言葉でしょうか。次から、エンジニアの意味についてご紹介します。
「エンジニア」はどんな人?
「エンジニア」には、何か難しいことを知っている人、または、複雑な機械を作っている人、というイメージを持っているのではないでしょうか。しかし、相談窓口の電話で回答してくれるのはオペレータですし、最新のスマホやパソコンを作っているのは作業者であってエンジニアではありません。
エンジニアとは、一般の人から見えない場所で、自分が専門とするエンジニアリングの技術を使い、世の中の課題を解決している人を指す言葉です。そして、今の便利な生活は、その便利さを支えてくれるエンジニアのおかげと言っても過言ではありません。
メディアに登場するITエンジニアの方には、華やかな世界で活躍していると思われている方もいますが、実際の仕事のほとんどは、地味な作業の繰り返しです。しかし、苦労していろいろと調べた結果、自分のアイデアが現実になり、それによって課題を解決できた時の達成感は、エンジニアの生きがいと言えるでしょう。
エンジニアリングとエンジニアの関係
エンジニアリング(engineering)は、日本語の「工学」と訳されるのが一般的です。そして、工学とは、元々は基礎科学を工業生産に応用するための学問であり、工学を活用したことで豊かな現代社会が実現できたとも言えます。
なお、エンジニアの語源は、軍事技術開発者を指す「ingeniator(インゲニアトール)」であり、国を守るという課題を解決するために、エンジニアリングを使って新しい技術の開発を託された技術者を指す言葉でした。
そのため、今もエンジニアとは、課題を解決するために、エンジニアリングの知識を活用して、解決する手段を実現する人のことを言います。これは、ITエンジニアも例外ではありません。ITすなわち情報技術の知識を活用して、人々の課題を解決するのが、本来のITエンジニアの役割です。
エンジニアはこんな人が向いている
エンジニアに向いている人の特徴としていろいろ挙げられますが、一つ挙げるとすれば集中力です。課題を解決するために、全く新しい物を作りだしたり、新しい方法を考えるためには、課題の原因を細かく分析、自分の知識の中から最も良い方法を考えなければなりません。それには、集中力が必要です。
さらに、エンジニアに向いている人の特徴を挙げるとすると、調べることを苦にしない方でしょう。今は、インターネットで何でも調べられますが、自分の欲しい情報が簡単に見つかるとは限りません。また、ITエンジニアなら英語の最新資料を調べることもよくあります。そのため、英語の資料でもあきらめずに自分で調べられる方がエンジニアに向いていると言えます。
- 集中力がある方
- 調べることを苦にしない方
- ITエンジニアを目指すなら英語の最新資料も苦にせず調べられる方
エンジニアの種類と年収
一口にエンジニアと言っても、非常に幅が広く、機械工学・土木工学・建築工学など昔から活用されている技術に精通したエンジニアもたくさんいますが、今回取り上げるのは、情報技術の知識を活かして課題を解決するITエンジニアです。
ITエンジニアは分業が基本
なお、現在の情報技術は高度に進化しており、それぞれの分野で高い専門性が求められています。そのため、ITエンジニアも細かく分類されており、それぞれの専門家が協力してシステム開発を担うのが一般的です。
具体的には、システムエンジニアとプログラマーなどが顧客の要望を聞いてITシステムを開発し、サーバーエンジニア、ネットワークエンジニアなどと協力して新しいサービスを構築します。
さらに、システムを構築するために適したプログラム言語が違っており、それぞれのプログラミング言語を得意とするエンジニアが担当します。また、サーバーも、Windows ServerやLinux Serverなどがあり、こちらもそれぞれを得意とするインフラエンジニアが担当するのが一般的です。
以下に代表的なエンジニアの種類と仕事内容、平均年収をご紹介します。
◎システムエンジニア
システムエンジニアはSEとも呼ばれ、コンピュータシステムやソフトウェアを設計してそれを開発するエンジニアです。
これらの業務は一般的に、システムを作成する工程の「上流工程」と呼ばれています。
この上流工程に含まれる業務としては、主にクライアントから要求を集積して取りまとめる〝要求分析・要件定義〟を行い、その要件定義を基に仕様書を作成する〝基本設計〟などがあります。その際、予算や人員、進捗管理などの管理業務も含めて、売り上げや利益を創造する大切な仕事です。
ただし、企業の中にはプログラム開発まで一貫して行っている場合など、仕事の内容が異なることもあります。
システムエンジニアの正社員の平均年収は約498万円となっています。
※参照:求人ボックス「システムエンジニアの仕事の年収・時給・給料情報」
※2022年6月24日時点の数値です。現在の数値と差異が生じる場合があります。
◎Webエンジニア
Webエンジニアは、Webブラウザで利用できるサービスを作るエンジニアです。
Webブラウザとは、スマホやパソコンなどのwebブラウザから利用できるwebサービスやアプリなどのことをいいます。
Webエンジニアには最新のWebに関する技術スキルが求められたり、デザイナーや分野の違う他のエンジニアとの密接なコミュニケーションが求められるなど、システムエンジニアやプログラマーとは違ったスキルが求められる職種です。
Webエンジニアの正社員の平均年収は約577万円となっています。
※参照:求人ボックス「Webエンジニアの仕事の年収・時給・給料情報」
※2022年6月24日時点の数値です。現在の数値と差異が生じる場合があります。
◎フロントエンドエンジニア
フロントエンドエンジニアは、Webサイトやサービスにおいて「バックエンド側の処理」と「見た目のデザイン」をつなげ、「サイトに訪れたユーザーの体験」を演出するための包括的な処理を行う仕事を担当します。
たとえば、ECサイトの場合であれば、在庫管理のデータベースはバックエンドが担当し、デザイナーは商品をキレイに並べるのが仕事です。その中でユーザーが利用する「お買い物カゴ」をわかりやすく仕上げるのがフロントエンドエンジニアの役割と言えます。
フロントエンドエンジニアの正社員の平均年収は約592万円となっています。
※参照:求人ボックス「フロントエンドエンジニアの仕事の年収・時給・給料情報」
※2022年6月24日時点の数値です。現在の数値と差異が生じる場合があります。
◎インフラエンジニア
インフラエンジニアとは、ITにおけるインフラストラクチャー構築を担当するエンジニアです。
ITにおけるインフラストラクチャーとは、ネットワークやOS、セキュリティなどといった、インターネットを使用する上でベースとなるもののこと。
インフラエンジニアが構築するインフラがあるおかげで、その他のエンジニアが業務を行うことができると言っても過言ではありません。
インフラエンジニアの正社員の平均年収は約536万円となっています。
※参照:求人ボックス「インフラエンジニアの仕事の年収・時給・給料情報」
※2022年6月24日時点の数値です。現在の数値と差異が生じる場合があります。
◎セールスエンジニア
セールスエンジニアとは、営業とITエンジニアの両方の側面を持つエンジニアのことを言います。
具体的にはセールス、すなわち営業と同じように、経営者などを相手に説得力のあるプレゼンを行います。また、エンジニアとして、技術担当者を相手に専門的な打ち合わせもこなさなければなりません。
さらに、セールスエンジニアは『技術的な観点で顧客の業務を分析したうえで最適なシステムを提案する』といった営業活動も行います。そして、システムの立ち上げ時には、顧客の技術担当者と協力して、スターデータのインポートやシステムのカスタマイズなどの作業も行います。
セールスエンジニアの正社員の平均年収は約513万円となっています。
※参照:求人ボックス「セールスエンジニアの仕事の年収・時給・給料情報」
※2022年6月24日時点の数値です。現在の数値と差異が生じる場合があります。
他のエンジニアについてはこちら▼
【ITエンジニア】ITエンジニアの種類とその仕事内容について
他の種類のエンジニアに移るのは難しい
ITエンジニアのキャリアとして、未経験からコーダーとして入社し、プログラマーを経てシステムエンジニアになり活躍したら、最後はコンサルタントになるのが理想と言われます。しかし、違う種類のエンジニアに移るのは、求められるスキルが違うことから簡単ではありません。
もし、自分が理想とするエンジニア像があるのなら、それを目指して意識してスキルアップに努力しましょう。なお、ITエンジニアは専門分野に関して高いスキルを持ち、さらに、関連する分野についても浅く広い知識を持つのが理想です。自分の専門に固守ぜず、広く関心を持ちましょう。
ITスキルには流行があるので最新のスキルを学ぼう
ITエンジニアは、国家資格がある訳ではないので、一つのスキルを習得したら一生働ける訳ではありません。むしろ、進化の早いIT業界では、かつては主流の技術だったものの、今では誰も使わない、ということも珍しくありません。そのため、エンジニアを長くやるのなら、今やっている仕事に安住せず、常に新しい技術を学び新しい仕事も担当できるように準備しておきましょう。
なお、IT技術には流行がありますが、ITエンジニアに求められるヒューマンスキルは時代に関わらず求められます。そして、コミュニケーションスキルやマネージメントスキル、コーチングスキルなどは、意識して学ばなければ身に付きません。新しいスキルも重要ですが、ヒューマンスキルも意識して学ぶように心がけましょう。
ITエンジニアのキャリア
ITエンジニアとして就職できたら、その仕事を定年までやれる訳ではありません。就職して間もない時期には比較的簡単な仕事を任されたとしても、経験を積むことで専門性の高い、より難しい分野を担当する方もいます。
また、IT技術の進化によって、今使われている技術が全く使われなくこともあります。さらに、管理能力が評価されて、管理職となって技術に関わらなくなる方もいるでしょう。
次からITエンジニアのキャリアについてご紹介します。
職種によって収入に差がある
一般的な会社員は、経験年数によって収入に差がありますが、ITエンジニアの場合、経験のほかに、エンジニアの種類によっても収入に差ができます。
例えば、顧客の要望を聞いてITシステムの仕様を定義するシステムエンジニアは、その仕様を基に実際にシステムを作るプログラマーよりも、年収が高いのが一般的です。また、専門家の数が少ない、サーバーエンジニアやネットワークエンジニアは、人数の多いプログラマーよりも高い年収がもらえます。
しかし、ITエンジニアとして今と同じ仕事を長く続けるだけでは、収入はアップしません。管理職になるとい方法もありますが、より高い収入がもらえるITエンジニアにキャリアアップを考えてみましょう。
ITエンジニアならキャリアアップを考えよう
最近は、いきなり未経験からいきなり1,000万円のエンジニアとして就職する特別な方もいますが、そういった方は例外で、多くの方は未経験でも採用されやすい職種からITエンジニアのキャリアをスタートします。そしてそういった職種は、一般的な年収に比べても高くはありません。
なお、未経験から採用されやすい職種としては、プログラマーやテストエンジニアなど、主に他のエンジニアの指示で仕事をする職種です。この職種の方は、早く経験を積み、システム開発に必要なスキルを身に付けてより高い年収の職種にステップアップしましょう。
ステップアップ先は、顧客の課題を聞いて、新しいシステムを提案し、開発も担当するシステムエンジニアや、クラウドの仕組みに精通したWebエンジニアなど、自分の得意分野に合わせた職種です。さらに、その先の、顧客の仕事のやり方まで含めて提案するコンサルタントを目指す方もいます。
なお、プログラマーが必ずシステムエンジニアになる訳ではありません。多くの企業が求めているレベルの高いプログラミングスキルを身に付けて、年収1,000万円を超えるプログラマーもいます。自分の得意分野を知り、世の中が求めているエンジニアとして働けるように行動することが大事です。
転職はキャリアアップの選択肢の一つ
日本のサラリーマンは長く終身雇用が一般的だったことから、転職する人は多くありませんでした。しかし、ITエンジニアは、特に大企業での待遇が良くないこともあり、比較的転職者がたくさんいます。職場にもよりますが、2人に1人が転職者というケースも珍しくありません。
ITエンジニアは、経験を積むことで技術の幅を広げていきますが、会社で、その技術に見合う仕事を用意できるとは限りません。中には、そういった技術を正しく評価できない会社もあります。そのような会社で不満を持つエンジニアの多くが、自分を正しく評価してくれる会社に転職しています。
ITエンジニアとしてキャリアアップを目指すなら、転職も視野に入れてスキルアップを心掛けましょう。
キャリアアップを目指して違う種類のITエンジニアに転職するには、新しいスキルの習得が欠かせません。そして、スキル習得に最適な学習方法が、プログミングスクールやブートキャンプの活用です。そして、Webエンジニアとして転職するなら、ポテパンキャンプをおすすめします。
エンジニアの働き方とは
エンジニアは、技術に詳しいだけのマニアではありません。技術を使って人々の課題を解決する方法を提案でき、さらに、その提案を実行できる人が本当のエンジニアです。
参照:社会人エンジニアのテレワーク実地頻度 / レバテック
また、現在リモートワークをしている社会人のエンジニアは74%を占めています。
そのうち半数以上の人が「週5日以上のフルリモート」で働いているという調査が発表されています。
エンジニアと呼ばれている方の中には指示されたことだけをやっている方もいますが、それはただの作業者です。エンジニアとして働くなら、自分の知識やスキルに自信を持ち、それを使って課題を解決する方法を提案し、プログラムや情報システムで課題を解決する働き方を意識してください。
ITエンジニアになる方法とは
職業として人気でもあるエンジニアになるためには多くの学習が必要となります。企業は素養のある人を採用したいと思っているので、学習もしていない人を採用するというのは基本的にはありません。エンジニアになるおすすめの方法について解説します。
おすすめ!!エンジニア転職に強いスクールに通う
エンジニアを目指す上で圧倒的におすすめなのは転職特化型のスクールに通うことです。
通常のプログラミングスクールだと基礎的な内容をわかりやすく教えてくれて良いのですが、基礎的な内容だけだとエンジニアとして採用してもらうのは少々難しいです。
そこでエンジニア転職に特化しているスクールであれば、エンジニアとして採用されることをゴールとしたカリキュラム設計がされているため、多少学習難易度があがりますがしっかりとエンジニアになるまでサポートしてくれます。ポテパンキャンプのような転職特化型スクールでまずは無料カウンセリングを受けてみるといいです。
独学でエンジニアを目指す
独学でエンジニアを目指すことも可能です。
採用企業の求人情報を調べて、必要な技術を学習して、アピールとなるポートフォリオを作成して気になる企業にエントリーするという流れになります。
しかしエンジニア採用ニーズが日々変わる中、何を勉強すればエンジニアになれるのかという指針がわからないまま勉強するのは非常に苦しく時間の無駄になってしまうこともあります。
比較的価格の安いポテパンキャンプのような転職に強いスクールもあるので可能であればそちらを検討するのもおすすめです。
エンジニア転職に強いスクールはこちら
まとめ
これまでエンジニアとは、どのような職業かについて解説してきました。中には就職時に身についえたスキルで一生働ける職業もありますが、エンジニアはそうではありません。新しい技術を身に付け、それを活用して課題解決していくのがエンジニアです。
もしWebエンジニアなどのIT系のエンジニアを目指しているのなら、現状に満足せず、もっといいやり方があるのでは、という意識を持って新しいことにチャレンジしてください。
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ITエンジニアとして長く続けるなら、最新スキルを学習する習慣が欠かせません。今使っているスキルに満足せず、もっと使いやすい方法を探して、常に新しい技術に興味を持てるエンジニアを目指しましょう。
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