フリーランスエンジニアは能力次第で会社員よりもお金が稼げるのはよく聞く話じゃないでしょうか。
本記事では、フリーランスエンジニアの年収相場から、どのようにして年収を上げていくのかについてご紹介していきます。
- フリーランスエンジニアの月収は60~90万円
- フリーランスエンジニアの年収でメリットがあるのは会社員の1.5倍
- フリーランスは固定費と変動費の経費計算も大切
- フリーランスエンジニアは付加価値を付けることで単価を上げる
- 経理知識や人脈づくりもフリーランスには必要
目次
フリーランスエンジニアと会社員の年収の差
会社員の年収とは
まずは会社員の年収についてみていきましょう。厚生労働省が発表した「平成26年度賃金構造基本統計調査」によると、全エンジニア職(平均年齢36歳)の平均賃金は平均年収542万円となっています。昨今深刻なエンジニア不足が叫ばれる中、比較的安定して仕事を獲得できる職種と言えます。
フリーランスエンジニアの年収とは
一方でフリーランスの場合はどうでしょうか。一般的なフリーランスエンジニアの月収は月60-90万円と言われています。しかし、フリーランスとなるとこれまでとは勝手が異なります。年金、保険、税金など、これまで意識していなかった費用を自分で払わなければならないからです。つまり、もし会社員時代と同じ給与水準でフリーランスをするならば、最低でも会社員時代の1.5倍は得られないと金銭的なメリットは得づらいのです。
会社員の場合は給与、フリーランスの場合は売上という言い方をしますが、もし年収600万の会社員だったならば、フリーランスになれば年間900万円は売り上げたいとことです。もちろん金銭面だけがフリーランスになる理由ではないかと思いますが、1つの参考値として頭の片隅に入れておくと良いでしょう。
フリーランスになると年収があがるのはなぜ?
結論から申し上げると、フリーランスになると年収は上がりやすい状況になります。例えば、テレビのアナウンサーが「フリー」になった途端、収入が倍以上になったという話を聞かれたことがあると思います。これはエンジニアでも同じす。その大きな3つの理由をご紹介します。
責任の大きさ
フリーランスの場合、最初から最後まで、全てが自己責任です。クレームも基本的に自分が責任をもって対応する必要があります。当たり前のように聞こえるかもしれませんが、実際にフリーランスで働き始めると大きく実感することです。
収入形態の違い
会社員は固定給として毎月給与があります。しかし、フリーランスの場合は、仕事の受注がなければ収入がゼロ。また、仕事を行った場合でも、入金の保証はありません。入金までに必要な事務処理や交渉事も対応する必要があります。
保証の有無
会社員は社会保険や厚生年金等を会社が入ってくれます。そして、有給休暇があったり育児休暇などがあります。しかし、フリーランスは仕事を行わないと収入がありません。社会保険なども自分で国民健康保険に入るなどしなくてはいけません。だからこそ、会社員時代の1.5倍は収入がないと、金銭面でのフリーランスとしてのメリットは薄くなるのです。
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初期投資で必要なもの・金額
フリーランスエンジニアにとって、お金の問題は常に頭を悩ませます。会社員時代はエンジニアとしての仕事に集中していればよかったものの、健康保険、税金、年金など、これまで全て会社が負担してくれていた手続きを、一挙に自分で対応しなければなりません。しかし、フリーランスエンジニアの方の中でもこのお金の問題を後回しにしてしまい、後で苦労するなんて人も。
1年目は苦労するかと思いますが、徐々に心理的負担も軽減していきます。ぜひこの機会にすべて理解しておきましょう。
固定費と変動費の考え方
フリーランスにとって、必要経費は把握は不可欠です。まず、経費には固定費と変動費があります。固定費とは毎月かかる経費を指します。オフィスや通信費はもちろん、サーバー代等も含まれます。何にお金がかかり、何を削減できるのかを常に考えていきましょう。
また、変動費は名刺作成代金や交通費など、毎月どのくらいのコストがかかるのかわからない経費を指します。独立する際に最も気をつけるべきはお金の出し入れです。特に出金は重要で、ここさえ押さえておけば会社が潰れることはありません。
この他にもフリーランス生活を送るためにはたくさんの費用がかかります。例えば、健康保険や年金です。会社員であれば保険料や年金は給料から天引きされていますので、あまり意識することはないでしょう。しかし、フリーランスの場合はご自身で保険を選択し、払わなければなりません。会社員時代とは仕組みも異なりますので、初めは戸惑うことでしょう。
また、所得税や住民税、固定資産税といった税金も毎月かかってきます。この辺の数字は会社員時代には正確に把握する必要性も薄いため、把握していない人も多いでしょう。
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▶フリーランスとして独立する前に考えるべきことは何か?
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案件の相場について
単価を上げるには、自分を商品として捉えた際に、自分の商品価値を正しく理解し、相対的に高くなる企業を見つける必要があります。特に日本人の場合は給与交渉に固執しないことが美徳のようなところがあり、どうしても企業側に主導権が寄りがちです。しかし、せっかくフリーランスとなり、ご自身のやりたい仕事を自由に選び、報酬も高くなれる環境下にあるのであれば、その想いは追求すべきです。
単価はどうやって決めるのか
まずは基本的な「希望年収」から必要な単価の基準値を考えてみましょう。仮に月に90万円の収入を希望するとすると、月20日勤務ならば1日4万円以上必要となります。しかし、フリーランスの場合この中から諸経費や保険を支払わなければなりません。その上で最後の90万円が残るように設定する必要があるのです。ゆえに、先ほども申し上げましたが得たい収入の1.5倍が目安となるのです。
また、フリーランスエンジニアの単価相場はある程度平均値が決まっています。相場より高い単価では売れにくくなるというのは市場の常です。その場合は付加価値をつけるか、相場単価に寄せるか、いずれかの対応が必要になります。市場において希少性の高い付加価値を付けることができれば、あなたは価格競争の渦から開放され、主導権をもって交渉ができるようになるでしょう。
単価を高く保つべき理由とは?
いざフリーランスになった皆さんのもとには、沢山の案件が舞い込むでしょう。しかし、そのほとんどが単価の低く、あまり儲からない案件なんてことは良く聞く話です。その現象には理由が存在し、企業がフリーランサーに依頼する理由を考えることで理解できます。基本的に企業は下記の2つの理由でフリーランサーに仕事を依頼します。
1.安い金額で仕事を受けて貰えそう
2.その人にだからこそ頼みたい理由がある
仕事の発注側の心理的には、新規取引の際にはよほど優秀なエンジニアか、珍しいスキルを持ったエンジニア以外は価格の安さが発注の大きな理由となりがちです。フリーランス初期は安くても仕事を受けて経験を積むのも悪くないです。
しかしそればかり続けているとなかなか当初思い描いたようにはいかないのが現実です。一度単価を下げると、次の仕事もその単価でやらざるを得ないケースが多いのです。さらに言えば、フリーランサー全体が単価を下げ続ければ、業界全体の単価も落ちてしまうのです。
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フリーランスが必要な知識・経験
フリーランスにエンジニアには開発力のみならず、バックオフィス業務、案件獲得のための営業活動など幅広い業務と知識が求められます。それでは具体的にどのような知識が必要なのかみていきましょう。
経理知識
会社員は固定給として毎月給与があります。つまり、会社から一定の給与は保証されているのです。しかし、フリーランスの場合は、仕事の受注がなければ収入がゼロ。また、仕事を行った場合でも、入金の保証はありません。入金周りのトラブルというのは、基本は会社間でやるものですが、フリーランスは自分で対応する必要があります。契約金回収まで行って、初めて収入になるのです。得意な業務だけをこなすだけではなく、必要な事務処理や交渉事も対応する必要があります。
人脈づくり
フリーランスは、会社員時代と違って、毎日会社に行けば仕事が用意されているわけではありません。自ら営業活動をして、仕事を見つけていかなければなりません。そんな時に有効なのが人脈です。発注するクライアントの立場からしても、人となりや仕事ぶりを何も知らない人に対して、仕事は頼みづらいものです。やはり一度面識があったり、そのクライアントの知り合いからの紹介など、ある一定の信頼感のある人に対して優先的に仕事を頼みたいものです。会社員時代にできる限り人脈を作っておいた方がいいでしょう。
定期的なキャリアの棚卸し
キャリアの棚卸しとは自己分析の一種で、自分がしてきた仕事を振り返ってすべて書き出すことを指します。これによって、自分の仕事を客観的に見つめることができ、今後のプランを立てる上で大変有用になります。
まずは職歴をすべて書き出しましょう。履歴書の職歴に書くように、所属していた会社、部署を年月日とともに順番に書き出します。そしてそれぞれの業務内容を書き込みます。標準的な1日の業務内容や役割などもなるべく詳しく書き出しましょう。ここまでが終わったら、業務の横にその業務で評価されたこと、身についたスキル、知識などを書き込みます。
資格を取得したのであれば、資格の取得日と内容はもちろんのこと、資格についての勉強をしていた期間と勉強内容やその際の工夫について、そして資格の取得によって仕事にどのような変化があったかどうかまで書き込みましょう。
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フリーランスエンジニアが高年収を稼ぐためのポイント
戦う土俵選びを間違えない
トレンドの変化が激しいIT業界において、いま市場でなにが求められているのかを理解する力は必須です。なぜ大切かというと、エンジニアにとって開発言語や開発内容のブームが収入に直結するからです。そして、市場を理解した上で、自分の強みも理解してどこに身を置くのかを判断出来る人は年収が高くなりやすいです。年収の高いエンジニアは例外なく強みをきちんと理解しています。そして、ご自身の価値が最大化する場所に身を置いています。
ご自身のスキルを高める
これはフリーランス問わずですが、エンジニアとしてより価値の高い成果を出せる人材はどこに行っても年収が高く、引く手あまたです。例えば上流工程への理解しているエンジニアです。なぜなら上流工程を実務レベルでこなすことができるエンジニアが不足しているからです。
上流工程をこなすためにはクライアントへのヒアリングや業務分析などエンジニアとして必要な技術的スキルのみならず、顧客の業務理解やコミュニケーション能力も必須です。付加価値が高いエンジニアになるためには、これらは避けて通れない道です。
エージェントの力を上手く利用する
フリーランスエンジニアの交渉代理人とも言えるのがエージェントです。エージェントとは、フリーランスとして働きたいエンジニアと、フリーランスエンジニアを採用したい企業の間に立ち、より良いマッチングのお手伝いをする役割です。この役割によって、エンジニアにとっては多くの案件から自分に合った案件を客観的に紹介してくれつつ、より良い条件での就労のための交渉までもしてくれます。
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まとめ: フリーランスに挑戦するかどうかはあなた次第
フリーランスプログラマー高年収を得る方法についてご紹介してまいりました。どのように年収を上げるのか、そして会社員との違いをきちんと押さえてリスクも排除していくのか。
フリーランスになったばかりの方にとっては目新しいことが多いと思いますが、知識1つで大きく皆さんのフリーランス生活を有意義なものにすることができますので、是非参考にしていただけたらと思います。