これからプログラマーを目指す方・既に実務経験があるプログラマー問わずご自身のポートフォリオは作成しているでしょうか。
本記事では、そもそもポートフォリオとは何かといった基本から、実際に作成するためのポイントまでご紹介していきます。
- ポートフォリオは実績をアピールするための成果集
- 過去の実績だけでなくポートフォリオ自体の完成度も大切
- 未経験から就職するためには特に有効
- 自己紹介・成果物・将来の展望を分かりやすい構成で作成しよう
- 作ったポートフォリオはこまめに更新して拡散すべき
目次
ポートフォリオとは
元々デザイナー職が転職の際に自身の作品をまとめ企業に提出したものを「ポートフォリオ」と呼んでいました。ポートフォリオ(Portfolio)とは「書類入れ」という意味です。ポートフォリオは業界業種によって意味が若干変わりますがIT業界では、自分のこれまでの実績をアピールするための成果集のことを指します。
ポートフォリオは自分のスキルや実績を対外的にアピールするもので、いわば履歴書の自己PRの拡大版です。最近ではWeb上でポートフォリオを公開するWEBポートフォリオがよく使われます。ポートフォリオはプログラマーの場合自分のスキルを見せる場なのですが、掲載するプログラムや過去の実績、成果物だけでなく、ポートフォリオそのものの出来栄えも評価されます。
これは素晴らしいWEBポートフォリオを作成するのにはHTML、JavaScript、illustrator、Photoshop、場合によってはPHP、XMLなどのスキルが必要な上に構成力やUI(ユーザーインターフェース)の良さは特にWEBプログラムを作る上でも必要となるからです。
プログラマーにポートフォリオが必要な理由
プログラマーが就職、転職の際に企業側からポートフォリオの提出を求められることは、現在ほとんどありません。しかしポートフォリオを作成し提出した場合、有利に就職活動を展開することが可能で、特にプログラマーとしての実務未経験者がポートフォリオを作成し、WEB上で自らのサンプルプログラムを公開する事は非常に有効です。
企業の採用担当者はWEBポートフォリオを見れば例え実務経験がなくともプログラマーとして十分なスキルを持っているかどうかを判断できますし、1人で完結するアプリケーション・プログラムを作成できる技術というのは特にWEBプログラマーに高い需要があるからです。またポートフォリオを作るという行為自体が就職、転職に前向きに取り組んでいるという証にもなるので、多少不出来であってもポートフォリオ自体がマイナスに受け取られることはほとんどありません。
プログラミングの勉強にもなり一石二鳥なので、実務未経験からプログラマーへの転職を検討されている方やWEBプログラマーを目指す方は是非ポートフォリオを作成に挑戦してみましょう。
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ポートフォリオの基本の作り方ポイント
デザイナーの場合は書類によるポートフォリオがメインとなりますが、ここでは特にWEBプログラマーを目指す人向けにWEBポートフォリオを作る上でのポイントをご紹介します。
レスポンシブWEBデザインを採用しよう
同じサイトでもスマートフォンとデスクトップPCでは表示の仕方が違うといった経験をされている方は多いでしょう。レスポンシブWEBデザインとはパソコン、タブレット端末、スマートフォンといったあらゆる端末に最適化したWEBサイトをひとつのHTMLで実現する製作手法です。
WordPressなどのCMSを使ったりBootstrapを使えば簡単に実現できるのですが、あえて使わずに技術力向上のためにHTML、CSSのみで再現するという方法も勿論ありです。WordPressを使えばコードを全く使わずにデザインされたWEBサイトが構築できますし、Bootstrapを使えば少ないコードで簡単にデザインを変えることが出来ますが、これらをあえて使わない事によりHTML、CSSの製作技術向上を図ることが出来ます。
一目で分かる構成にしよう
就職、転職を目的とするプログラマーのポートフォリオは見やすい構成にすべきです。プログラマーの仕事はプログラミングすることなのですが、他のプログラマーが作成したプログラムを不具合対応や新規機能追加などの理由により修正することも非常に多くあります。
この時に見難い構成のプログラムですと、その内容を理解するのに莫大な時間を必要とします。プログラマーが作成するプログラムは独りよがりのものではなく、プログラマーの誰が見ても見やすく簡単に理解できるものが求められます。ただ単に動けば良いというものではないのです。
見やすい構成のポートフォリオが作成できれば見やすい構成のプログラミングも可能だと受け取られます。またプログラマーも打ち合わせ会議資料の作成を頻繁に行います。こういった場面でも構成力の高さが要求されます。
自己紹介を書こう
就職、転職を目的とするプログラマーのポートフォリオには自己紹介が必要です。ただしWEBポートフォリオには個人を特定されるような情報の掲載は避けましょう。一般的には「プログラマーとしてのこだわりや信念、働き方」や「主な実績、経験したポジション、担当した業務」や「使用言語、使えるOSやツール」などを掲載します。
成果物、サンプルプログラムの紹介をしよう
成果物はプログラマーの場合守秘義務により一般公開できない物が多いので、その場合どのようなプログラムを作ったのか公開できる範囲で紹介しましょう。ディスクリプション(説明文)はなるべく細かく書くことを心がけましょう。成果物、サンプルプログラムは10程度に収めると見やすいようです。中でも自分の最高傑作は容量を多く割いて、重点的にアピールしましょう。デスクリプションには
・プログラム(プロジェクト)名
・プログラムの概要やビジュアル(UI)の紹介
・クライアント名
・製作時期と製作期間
・プログラムの目的
・プログラムのコンセプト
・クライアントの要求事項や設計仕様
・使用言語や仕様ソフト、開発環境の紹介
・チームで作成した場合は自分の担当箇所やポジションの紹介
を記載しましょう。先にも少し触れましたが著作権や守秘義務に抵触するものは書けないので注意しましょう。
プログラミング手法の紹介をしよう
プログラミングの手法にはいくつかありますが、自分の得意なプログラミング手法、自分の製作スタイル、仕事の進め方を紹介しましょう。
将来の方向性を紹介しよう
今後自分はプログラマーとして今後どういった仕事をやっていきたいのか?目標を書きましょう。
WEBポートフォリオと紙ベースのもの両方を用意しよう
就職、転職を目的とするプログラマーのポートフォリオは紙媒体のものとWEBポートフォリの両方を用意しましょう。紙媒体のポートフォリオが有効となるのは主に採用面接の時です。
面接会場にネット環境がなくとも紙媒体のポートフォリオであれば直接見るだけで説明が出来ます。また口下手な方でもポートフォリオを用意すれば、言いたいことを確実に面接担当者に伝えることが可能ですし、ポートフォリオを用意することによりあなたの就職に対する熱意もアピールできます。
また面接担当者がプログラミングについて詳しくない場合でも、ポートフォリオのような資料があれば理解を得られやすいでしょう。面接担当者が現場のプログラマーにポートフォリオを見せ「こういった人が面接を受けに来たのだがどうだろう?」と意見を仰ぐ事も簡単です。現場のプログラマーも唸るようなポートフォリオであれば採用は目の前です。
自分の人材価値に気を付けて作成しよう
企業の採用担当は新入社員を「投資」として考えています。つまりなるべく高い価値のある人を採用したいのです。ポートフォリオを作るに当たりこの点に注意した自己PRを行うようにしましょう。
「ポートフォリオを作成する上でのポイントを質問したい」といった方は、「ポテパンキャンプ」での無料カウンセリングで相談してみてください。
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作ったあとはどうすればいいの?
つづいてポートフォリオサイトを作成したあとに実践してほしいこと3つを詳しく紹介します。
こまめに更新しよう
一度ポートフォリオサイトが完成しても、新しく成果物をつくった時などはこまめに更新させることをおすすめします。
フリーランスエンジニアや転職活動中のエンジニアは特にそうですが、ポートフォリオサイトはクライアントとなる企業や転職先に見てもらいます。なのでなるべく自分が習得している技術をすべて見せられるよう、こまめに更新をしましょう。
仕事での成果物でなく休日などにつくったプロダクトでも自信のあるものは載せておくことをおすすめします。仕事ではつくれない自分の好きなプロダクトを載せることで、自分の好きな仕事を受注できる可能性が上がります。
SNSで拡散しよう
フリーランスエンジニアとして働いている場合、SNSの活用はとても大切です。積極的に自分の活動内容や習得した技術などを発信することで、仕事を受注することができたり、エンジニア仲間と繋がれたりします。
仕事に直接繋がることはなくても、自分の好きな技術、使用したい言語をアピールしておくことでそれらに関する情報が入ってきやすくなります。なので積極的にSNS発信はしておきましょう。
名刺にURLを載せよう
ポートフォリオサイトを作成したらそのサイトのURLを必ず名刺に載せましょう。
エンジニアとして名刺交換をするとき、ポートフォリオサイトのURLを載せておくと、名刺を受け取った人に自分のスキル・技術を確認してもらえます。
名刺交換から交友関係を広げたり、仕事を受注したりする機会を増やすためにも、必ずポートフォリオサイトのURLは記載しておきましょう。
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プログラマーとしてのポートフォリオを作るならこちら
ポートフォリオを作るときに参考になるサイト
つづいてポートフォリオサイトをつくる上で参考になるサイトを1つ紹介します。
S5-Style
「S5-Style」はサイト内の音楽も工夫されている、田淵将吾さんのとてもおしゃれなポートフォリオサイトです。
サイトを開くと音楽が流れてきます。そして画面の一部は流れている音楽に合わせて動くため、臨場感のあるポートフォリオサイトに仕上がっています。
活動内容としてアーティストである「水曜日のカンパネラ」のオフィシャルサイトのデザイン、また近畿大学のオフィシャルサイトのリニューアルなどが紹介されており、ジャンルを問わず活躍されているのが分かります。
フロントエンドエンジニア、またエンジニアではなくデザイナーの人にも見てほしいポートフォリオサイトです。
「ポートフォリオの作り方を詳しく知りたい」といった方は、「ポテパンキャンプ」での無料カウンセリングで相談してみてください。
まとめ: ポートフォリオを作ってみよう!
ポートフォリオとは成果物の紹介ですが、プログラマーにおいては履歴書における自己PRの拡大版でもあります。とくに実務経験のないプログラマー志望の転職者には有効です。基本はWEBポートフォリオなのですが紙ペースのポートフォリオは面接の場面で有効なので併せて作成しましょう。作るに当たり自分の存在価値を高めるような内容にすると良いでしょう。
皆様も是非ポートフォリオを作ってみましょう!
ポテパンではポートフォリオ・スキルシートのテンプレートも用意しておりますので、ぜひご利用ください!
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