ITパスポート試験が転職に有利になる職種や資格が活かせる求人の探し方をまとめました。
国家資格のITパスポート試験を取得しようかどうか迷っているあなたは、チェックしてみてください。
- ITパスポート試験は、ITスキルの予備知識を試す試験
- 試験の範囲はストラテジ系、マネジメント系、テクノロジ系と幅広く出題されるが、難易度はそれほど高くない
- ITパスポートはITエンジニアとしては物足りないが、事務職やサポートスタッフ、社内SEとしては評価される可能性あり
- ITパスポート試験が活かせる求人は、人事、総務、法務などを中心に探す
ITパスポート試験とは
SI系企業やIT系企業への就職や転職を考えている方ならITパスポート試験を聞いたことはあるでしょう。わからない方もいると思いますので、まずは概要や難易度を説明していきます。
概要
2009年から行われている経済産業大臣が実施している国家試験になります。ITパスポート試験は、問題数100問をマークシートによる四肢択一(4つの選択肢から正解だと思うものを一つ選択する)方式です。試験時間は午前中のみの2時間です。
合格基準は1000点満点のうち60%(600点)以上の点数、かつ以下それぞれのカテゴリで1000点満点の30%(300点)以上を取れば合格となります。
3つのカテゴリと問題数をそれぞれ記載します。
・ストラテジ系(経営全般):35問
・マネジメント系(IT管理):20問
・テクノロジ系(IT技術) :45問
難易度
ITパスポート試験が始まる前までは 初級システムアドミニストレーター試験というのがありました。ただこの試験は利用者の立場になって業務効率化、現システムの課題の発見の観点から業務の情報化ができる人材の育成を目的に置いていました。現在この試験は廃止されており、変わりにITパスポート試験というのが設立されました。
ITパスポート試験では「全ての職業人を対象に共通に備えておくべき情報技術に関する基礎的な知識を持ち、情報技術に携わる業務に就くか、担当業務に置いて情報技術を活用していこうとする者」を対象にしています。
そのためIT技術者(プログラマーやインフラ基盤技術者等)に限らず、営業や人事部、法務部等の方でもチャレンジしやすい資格になったと言えます。難易度としてもやや簡易で、2ヶ月〜3ヶ月しっかり学習して理解していればどなたでも取得できる資格になっています。
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ITパスポート試験で身につく知識
ITパスポート試験の内容としては非常に幅広いのですが、踏み入った問題はそこまで出ないでしょう。本試験は全ての職業人を対象にしていますから、情報技術に関する基礎的な部分が出題されるでしょう。
先ほど3つのカテゴリ(ストラテジ系、マネジメント系、テクノロジ系)を記載しました。それぞれどのような内容になるのか説明します。それでどのような知識が身につくのかだいたいイメージがつかめてくるでしょう。
ストラテジ系(経営全般)
企業経営(財務等)、法務、システム戦略に関する内容が問われます。キャッシュフローの読み方や特許等の知的財産、経営分析手法に関する問題も出ます。近
年は企業のコンプライアンス違反(残業超過や粉飾決算等)に対する世間の目も厳しくなっています。このセッションではコンプライアンスや法令遵守に関する問題も含まれます。行動の良し悪しが分かっていれば点を稼げるポイントですので、しっかり学習しましょう。
マネジメント系(IT管理)
このカテゴリでは開発技術、プロジェクトマネジメント、サービスマネジメントに関する知識が問われます。このセッションでは開発の流れ(要件定義、設計、製造、テスト、保守)やそれぞれのフェーズでの作業内容を問います。
またITサービスの継続運用をするための技術を問います。例えば銀行のシステムではシステムダウンするとお金の引き落としや預金ができなくなり、困る方が多くいます。そういった事態に至らないよう信頼性を高めるための手法を学ぶことができます。私たちの目に見えないところのシステム上の工夫を学ぶことができます。
テクノロジ系(IT技術)
基礎理論(専門的な用語の意味)、コンピュータシステム、技術的要素を問います。近年はIT関するセキュリティの関心も高まっています。セキュリティを確保する手法もこのカテゴリで問われますので、重点的に学習しておくといいでしょう。またメールをするために必要なシステム、世界中のWebを閲覧するために必要な基礎的システムもここで問われます。学習を通して基礎的なシステムのあり方がわかってくる面白いセッションでしょう。
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ITパスポート試験は転職に有利なのか?
ITパスポート試験に関する説明をしてきましたが、「ITパスポート試験が転職の役に立つか?」というと転職しようと思う会社によって変わってきます。
SI系企業やIT系企業の技術者(プログラマ、インフラ基盤エンジニア)として転職しようと思うのならせめて基本情報処理試験や応用情報処理試験(ともにITパスポート試験の1〜2ランク上です)ぐらいの資格を持った方が無難だからです。その方が採用担当者は即戦力として検討してくれますし、転職成功率も高くなります。
ITパスポートを保持した状態で転職するならば、SI系企業やIT系企業ではない企業のスタッフ系(人事や法務、総務)や社内SEとしての可能性はあります。またはSI系企業やIT系企業における営業職やスタッフ部門は考えられなくもありません。転職ですから企業としては即戦力となる方を求めています。
そのため、本当に技術者として転職を考えているならエントリーシートや面談でどのように資格を取っていくかというアピールが必要です。先ほども述べたようにITパスポート試験は「全ての職業人」を対象としているため、それだけではコアな技術者だとは見てくれないでしょう。
採用担当者は、本当にコアな技術者なら応用情報処理試験より上の資格を持っているのが筋だと考えるからです。もし持っていないのなら、基本情報処理試験以上の資格をどのように取得するかという点についてプロセスを含めた計画を考えていないと企業も本気で考えてくれないでしょう。
プロセスとは例えば以下のような時系列に沿った具体的プランです。、
・通勤時間45分のうち30分は電車に乗っているので、その間は資格取得に関する本を読んで勉強します。
・土曜日や日曜日は家では毎日1つの過去問を解きます。
・模擬試験で8割以上の点数を取ります。
それに加え、前の会社でどういう仕事をやっていたのか、なぜITパスポート以上の資格を持っていないのか、ということも説明した方が人事の方も納得するでしょう。どのみちITパスポート試験を持っているだけで技術者としてSI系企業やIT系企業への転職することは厳しいものになると思ってください。
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ITパスポート試験が活かせる求人の探し方
ITパスポート試験が活かせる求人の探し方ということですが、ITパスポート試験で活かせる仕事としては人事や総務、法務、社内のIT部門(社内SE)ということになります。人事や総務、法務は今の時代どこの企業でもITに関する基礎知識は必要ですので、ITパスポート試験を持っていればどこの会社でも優遇されるでしょう。人事、総務、法務は一般的に就活/転職サービスではほとんどが募集していますので、自分の相性で求人を探すと良いでしょう。
社内SEですと、求人誌にはなかなか書かないことが多いです。自ら情報を集めるよりも実際に就職や転職エージェントを訪問し、情報を集めた方が効率の良い探し方でしょう。就職/転職エージェントのサービスやメールマガジンに登録しておくと良い情報をもらえることもありますので、ぜひ登録して情報収集してください。
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まとめ
ITパスポート試験は、基礎的なIT知識を試す試験で、難易度は高くありません。ITエンジニアの知識としては物足りないレベルですが、非エンジニア系の人事・総務スタッフやIT系企業の営業職としては持っておいて損はありません。
ITエンジニアを目指す場合には、ITパスポート試験を取得後、さらに難易度の高い資格を取得したり、プログラミングスクールでITスキルを身につける必要があります。
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