あらゆる業界がIT化していく中で、いま日本では深刻なエンジニア不足が叫ばれています。ゆえに未経験の人にとっても、挑戦の機会が増えているがゆえに活躍がしやすい状態なのです。今回は未経験からエンジニアになるための方法について紹介します。
- 日本では深刻なエンジニア不足で、未経験でもエンジニアの需要は高い
- 未経験からでも比較的仕事を得やすいテストエンジニアから始めることも可能
- はじめて未経験OKのエンジニア求人を探す場合は、転職エージェントに相談する
目次
そもそもエンジニアの仕事とは
プログラマーとシステムエンジニアの違いとは
プログラマーとシステムエンジニア。まずは違いを整理しましょう。プログラミングを職業とする人のことを「プログラマー」と呼びます。プログラマーは、基本的に、プログラミング言語を用いて、プログラミングを組んでいくのが仕事になります。プログラミング言語は、多数あり、全ての言語を知りうるのはほぼ不可能です。そのため、自分が学んだ言語や得意な言語を用いて、プログラミングをしていくことになります。企業側も、利用する言語に合わせて、プログラマーの募集をかけます。
システムエンジニアとは、和製英語で「情報システムの構築に関わるITエンジニア」のことを指します。プログラムを組むだけではなく、システム開発のマネジメントが主な仕事となります。
エンジニアが求められる背景
あらゆる業界がIT化していく中で、いま日本では深刻なエンジニア不足が叫ばれています。経済産業省が発表した国内IT人材の動向と将来推計に関する調査結果によると、IT人材は17万人不足しています。このままいくと2030年には78.9万人のIT人材不足が見込まれています。
一方で、2020年には日本のWebビジネスの市場規模が2010年時点に比べて4.5倍に拡大すること、それによりWeb系企業の雇用数も150万人増加することが見込まれています。つまり、圧倒的に不足しており、だからこそエンジニアの価値が相対的に向上していくのです。
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未経験から転職しやすいエンジニアの職種
テストエンジニアは比較的未経験から転職がしやすい職種で仕事を獲得しやすいと言われています。IT業界の成長が進む現在において、テストエンジニアの需要も高まっています。日本においては、テストエンジニアという職業の認知は始まって間もない状態ですが、我々を取り囲むあらゆる製品が問題なく動いているのは、テストエンジニアがいるからであり、縁の下の力持ちとして大切なポジションです。
その際には業務知識がスキル言語を必要としないものもあります。その場合はテスト業務で非常に重要である「報告、連絡、相談」をしっかり行えることや、テスト結果の報告書などをまとめるためにExcel、WordといったOA機器の基本操作が出来ること、高いモチベーションや人との関わり合いなどコミュニケーション能力に長けているなどのスキルを持っていると、未経験でも高く評価される可能性があります。
業務理解を深めるためにテストから関わり始める流れも多く、スキル言語に触れるテスト工程へスキルアップと工程を踏みます。開発の流れも理解しやすいのです。 また、もし今後テストエンジニア以外のキャリアを考えている人も、1度は経験しておくと良いです。テストはすべてのシステムの中でも品質保持のために重要な部分ですので、現場のニーズと顧客や一般のお客様のニーズの差異を確認できるからです。
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エンジニアに必要な能力・スキル
コミュニケーション能力
コミュニケーション能力は現代開発において必須です。なぜならば、現代の開発はいかにチームで効率的に開発するかが重要であり、他のメンバーと情報共有および連携を図ることは、プロジェクトの成功には欠かせないからです。高い技術力があるだけでは不十分です。メンバー間のコミュニケーションを密に取る業務姿勢が大切だと言えます。
失敗から学ぶ
失敗は成功のもとということわざがありますが、プログラマーも同じです。エラーの数だけ学びがあります。設計→実装を繰り返し、エラーが発生すればその原因を突き止めて改善する。そうしていくうちにプログラマとしてのスキルが向上していくのです。
新しい知識を常に学ぶ
日進月歩のIT業界において、学び続ける能力は欠かせません。自分で自分の視野を狭くするのではなく、視野を広くして新しいスキルを身につけることも考えてみましょう。ひとつのプログラミング言語をマスターしていれば新しいプログラミング言語も身につけやすいはずです。学び始めるハードルは下がり、効率的に学ぶことができるでしょう。
おすすめの資格
エンジニアは弁護士や医者と違い、特別な資格がなければ仕事ができないわけではありません。しかしこの業界にも資格は存在し、取得しておくと効果を発揮する場面もあります。基礎的なプログラミングの知識を有していることをアピールできるので、スムーズな案件参画を決定する後押しになるでしょう。プログラマの資格には、情報処理系と言語関連系の2種類の資格があります。
情報処理系ですと独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が「情報処理の促進に関する法律」に基づいて行っている国家試験「IPA基本情報処理技術者試験」「IPA応用情報処理技術者試験」があります。
言語関連系ですと「Oracle Certified Java Programmer」「PHP技術者認定試験」「Ruby技術者認定試験」など多岐にわたります。資格はさらなるスキルアップや意欲向上を促す役割があります。積極的に資格を取得して、Webプログラマーとして活躍する武器にしましょう。
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エンジニアに向いている人のタイプ
学習能力やコミュニケーション能力、論理性は今後プログラマーとして成長していけるか否かを計る要素の一つです。例えば、企業が大学新卒者をプログラマー採用する際に見ているポイントは、技術力だけではありません。もちろん、大学でプログラミング言語を専攻している場合は、他の学生よりも採用が優位になります。
しかし、実際の企業で必要される技術力はプログラミング言語に加え、業務知識や専門性といった実務の中で学んでいくことが多く、プログラミング言語も研修等で習得できることから、企業側も新卒採用者が即戦力となるかどうかで採用可否を決定しているわけではありません。このように、未経験からエンジニアを目指すには現時点のプログラミングスキルよりも大切なことがあるということです。
未経験からエンジニアになる方法
最近では人手不足から未経験プログラマーの採用も増えています。前提として未経験で転職するわけですから、現在はプログラマー以外の職についていることになります。そうすると、なぜ今の仕事を辞めてプログラマーになろうとしているのかを、採用する側としては知りたいと思うわけです。単に給料が良さそうだから、なんとなく格好良さそうだからといったイメージだけで応募されても困ってしまいます。
志望動機がしっかりとしたものであれば、仕事に対して真面目に取り組んでくれそうだという判断材料になりますが、中途半端な理由では、プログラミング技術を身につけることができず、仕事ができないのではと考えてしまいます。
今後プログラマーとして働き続ける決意
今後プログラマーとして働き続ける決意とは、簡単に言えばプログラミングが好きかどうかです。プログラミングが好きになると、自ら進んで新しい情報を取り入れたり、積極的に勉強するようになるなど、良い循環が生まれます。採用担当者側の目線に立ってみれば当たり前ですが、未経験プログラマーを採用する際に一番気がかりなのが、プログラマーとして今後継続して努力が続けられるか否かです。
浅い決意ですと覚えなければならない専門的な知識や求められる技術も高さから、途中で挫折をしてしまう人も多いのです。実際に成果物を作り、ご自身が現在どれだけの時間を投下し続けているのかも採用担当に取っては大きな判断材料となります。
一緒に働きたいと思えるか
経験がない人間を採用する際に大切なこと。それは一緒に仕事がしたいと思えるかです。未経験でのプログラマーへの挑戦ということは、会社に貢献できることは少ないわけです。その時に、この人はスキルがないながらも会社に貢献しようという姿勢が見られるか否かはとても重要です。
会社は学校ではありませんから、いくらあなたの”学びたい”という自分に向いたベクトルをアピールしても、会社にとってメリットを感じなければ採用はしませんし、仮にポテンシャルを感じたとしても一緒に働きたくないと感じればチャンスは減ります。
未経験からの転職を成功させるポイント
一緒に働きたいと思えるか
未経験でのプログラマーへの挑戦ということは、会社に貢献できることは少ないわけです。その時に、この人はスキルがないながらも会社に貢献しようという姿勢が見られるか否かはとても重要です。逆に言えば、貢献ができなくて一緒に働きたくない人柄だったら、もう会社はメリットを感じることはできません。ゆえに一緒に仕事がしたいと思えるか、という視点は実はとても大切な視点です。
プログラミング以外のスキルをアピールする
問題解決能力、コミュニケーション能力など、ビジネスパーソンとして必要なスキルはエンジニアにとっても必要スキルです。つまりプログラマーに必要なのもプログラミング能力だけではないのです。いわば、プログラマーにとってプログラミングは仕事の一部でしかなく、他にも必要な能力が多々存在するのです。
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修業期間をどこで過ごすのかを考える
最近では人手不足から未経験プログラマーの採用も増えていますが、そもそもプログラマーという職業が未経験でも募集されている理由はご存知でしょうか。理由はシンプルで、プログラマーには技術力だけではなく、コミュニケーション能力や協調性、つまり他者と連携する力が求められるからです。一般的には250万~300万円で求人が出されているケースが多いです。
初めから高い年収の仕事に就くのは難しいかと思いますが、未経験からプログラマーに転身する場合は修行期間と考え、いかにご自身が求める知識や経験が積める環境かだけを考えましょう。未経験の場合は年収軸で決めるよりも、得られる経験軸で決めていくと、結果的に年収の高いエンジニアになれるはずです。会社によって回している案件の規模や種類が全然違いますので、身に付く技術の方向性も全然違います。例えば小規模な会社ならば幅広い知識と経験が得られるでしょう。
エージェントに相談する
初めて仕事を探す方は特に、エージェントに相談して適切な案件に参画することから始めるのも良いでしょう。エージェントとは、フリーランスとして働きたいエンジニアと、フリーランスエンジニアを採用したい企業の間に立ち、より良いマッチングのお手伝いをする役割を担っています。この役割によって、エンジニアにとっては多くの案件から自分に合った案件を客観的に分析し、紹介してくれつつ、より良い条件での就労のための交渉をしてくれます。
エージェントを活用すると、個人では出会えないような大口の案件に参画できることも多く、案件探しにかける時間とコストをそのまま代行してくれるため、エンジニアとしての仕事に集中することが可能となります。「営業していては仕事ができない、仕事をしていては営業ができない」そんなフリーランスエンジニアのジレンマを解消してくれるのです。
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まとめ
未経験からエンジニアになるための方法についてご紹介してまいりました。あらゆる産業がITを無しに語ることができない昨今、エンジニアの活躍の場は広がる一方です。是非未経験でも本記事を参考に、エンジニア人生の1歩を踏み出してみてはいかがでしょうか。
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