新卒や未経験から採用したプログラマーに早く業務にあたってもらうために、多くの企業でプログラマー向けの研修を実施しています。とはいえ受け身で研修を受けていたのでは、業務に必要なスキルが身に付きません。会社で実施してくれる研修をうまく活用して、スキルアップを目指しましょう。
ここでは新卒や未経験で入社したプログラマーが受ける新入社員研修を中心に、プログラマー研修の内容と心構えについて解説します。
- プログラマー向け研修には、新入社員・ITリテラシー研修、プログラミング研修、プロジェクト形式の研修がある
- プログラマー向け研修期間は1ケ月から6ケ月程度と幅がある。短い期間の研修だけではスキルを学べないので注意
- プログラマー向け研修では社会人としての心構えとプログラマーとして働くために最低限必要なスキルを学べる
プログラマーの研修とはどのようなものか
新卒や未経験からプログラマーとして就職した場合、早くプロとして働いてもらうために会社が研修を実施します。一般的なプログラマー向けの研修は次のとおりです。
- 新入社員・ITリテラシー研修
- プログラミング研修
- プロジェクト形式の研修
新入社員・ITリテラシー研修
社員として入社した以上、会社の規則と社会人として求められるビジネスマナーを身に付けてもらわなければなりません。さらにプログラマーとして働く以上、基本的な情報リテラシーも必要です。
ほとんどの会社でこのような新入社員・ITリテラシー研修が実施されます。この研修を通じて、これから社会人として働く心構えに切り替えてください。
プログラミング研修
パソコンの使い方やプログラミングの基本など、プログラマーとして求められるスキルの基礎を学ぶ研修がプログラミング研修です。新卒はもちろん、未経験から中途入社プログラマーもこの研修を受けるケースがあります。
Webアプリケーション開発を担当するプログラマーの場合、最初に学ぶのはHTMLとCSSです。続いてPHPやRubyなどのプログラミング言語を学びます。また企業向けのシステム開発を担当プログラマーの場合、C#を学習するケースもあります。
プロジェクト形式の研修
業務に必要なプログラミング言語を学んだら、実際にアプリケーションを作成したり、システム構築を体験する、プロジェクト形式の研修を受けます。
プロジェクト形式の研修では、チームを組み、先輩社員が作成した仕様書に基づいてプログラムの作成、動作テストなどを体験します。中にはプログラミングスクールと提携し、スクールで作成したカリキュラムでシステム構築を体験するプロジェクト形式の研修を実施する企業もあります。
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一般的な研修の期間は?
プログラマーの研修の期間は短くて1ヶ月、長くて半年間に渡って行われます。プロジェクト形式にどれだけの期間をかけるかによって違います。
なおプログラマー研修は企業にとって大きな出費です。企業規模が小さく研修に費用をかけられない企業の場合、新入社員・ITリテラシー研修のみを実施して、独学やOJTに任せるケースもあります。独学やOJTではスキル習得に時間がかかるうえ、仕事のやり方を知らずに現場で働くことになります。
一般的なプロジェクト形式の研修は、簡単なものでも1ケ月から3ケ月程度かかります。そのためプログラマー研修期間が短い企業への就職を避けて、研修の充実している企業への就職を目指してください。
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研修中に意識して学ぶべきこと
心構え
新卒の方に特に意識してほしいのが社会人としての心構えです。講師の話を聞く座学は、学校の授業の延長と感じられるかもしれませんが、研修で学ぶ内容はそのまま業務で使えることばかりです。研修中に身につけられる知識や経験は全て自分のものにするつもりで受けましょう。
技術的な知識
実際の業務に入ると目の前の作業が忙しくなり、なかなか学ぶ時間を取れません。そのためプログラミングの基礎を学べるのは研修期間中だけです。
業務では研修で学んだ基礎をベースに応用するテクニックを身に付けていくのが一般的です。そして基礎ができていないと仕事を続けられず、挫折する方もいます。研修の時間は意識して技術の習得には貪欲になりましょう。
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プログラマーにおすすめの研修
今まではプログラマーの新入社員研修について見てきましたが、ここではIT専門学校が開いている研修について見ていきましょう。プログラマーの学習は自分で行うのが基本ですが、研修を受けることによりその時間が大幅に短縮できます。またIT企業が社員のスキルアップを図るために行う場合もあります。
プログラミング研修
すでに幾つかのプログラミング言語を覚えていて、更に別のプログラミング言語を習得したい場合に受けます。プログラマーに人気のある言語は「Java」「C#」「Javaスクリプト」「PHP」「Swift」などです。
マネジメント研修
ECサイトやオウンドメディア運営などを手がけたい場合に受けます。JavaスクリプトやHTML、PHPやディレクションに関する知識を一度に身につけること出来ます。業務全体のフローとそれを実行する業務スキルを習得すれば仕事の幅が一気に広がります。
Web担当者研修
上のマネジメント研修に似ていますがこちらは各企業のWeb担当者を想定した研修です。Webサイト構築のためのプログラム知識は勿論、Webマーケティングの運用方法も身につけられます。
Web系エンジニア研修
Web系エンジニアに特化した研修です。プログラミング言語はJava、PHP、Perl、XMLなどで、他にも見やすいUI(ユーザーインターフェース)の作り方やWebシステムが使用するデータベースの知識についても学びます。
組み込み系プログラマー研修
組み込み系プログラマーに特化した研修です。白物家電や携帯電話、デジカメや自動車などほとんどの機械にマイコンが組み込まれています。そしてそのようなマイコンで動作するプログラムを作るプログラマーが組み込み系プログラマーです。使用する言語はC、C++、アセンブラ言語で、マイコンが制御するセンサーや機械についての知識や電気回路図の読み方なども学びます。
汎用機系プログラマー研修
汎用機系プログラマーに特化した研修です。なお汎用機とは企業向けの大型コンピュータの呼び名で、メインフレームとも呼ばれます。高い安定性と信頼性が要求されるシステムに持ちられることが多いのが特徴で、基本的に他のコンピューターと互換性がありません。金融機関で用いられることが多いので金融の仕組みについて学ぶこともあります。
オープン系プログラマー研修
オープン系プログラマーに特化した研修です。Windows、Linux、UNIXなど複数のコンピューターで構成されるシステムで、オープンソースを用いることからこう呼ばれます。オープン系プログラマーが使うプログラミング言語とは、Java、C、C++などです。
インフラエンジニア研修
プログラマーからインフラエンジニアにステップアップする際に受ける研修です。インフラエンジニアとはネットワークを作り快適に使えるように整備するエンジニアです。使用するプログラム言語に加えインフラの設計開発運用に関わる知識を学びます。
データベースエンジニア研修
プログラマーからデータベースエンジニアにステップアップする際に受ける研修です。データベースエンジニアとはOracleやSQL Serverなどのデータベース管理ソフトを使い、その設計・開発・運用を担当するエンジニアの総称です。SQLの使い方はもちろんのことデータベースの設計方法やチューニングなどの保守運用管理についての方法も学びます。
エンベデッドエンジニア研修
組み込み系エンジニアと一部重複しますが、マイコンと呼ばれる電子機器の制御に特化したエンジニアをエンベデッドエンジニアと呼びます。プログラマーからエンベデッドエンジニアにステップアップする際に受けます。
システムエンジニア研修
プログラマーからシステムエンジニアにステップアップしたい時に受けます。システムエンジニアとはコンピューターのシステムを設計・製造・テストしてつくり上げるエンジニアのことで、プログラマーの上位職に当たります。システムエンジニアの仕事は多岐にわたるため、研修自体も何回かに分けて行われることが多く、期間自体も他の研修に比べて長期に及びます。
ITリテラシー研修
内容はプログラマーの新入社員研修と一緒です。再度学習し直したい時に受けると良いでしょう。
プログラマー研修はつらいというのは本当?
プログラマー研修がつらいというイメージを持っている人もいます。これはプログラマー研修がつらいというよりも、研修で学ぶプログラミング言語の習得がつらく感じるのではないでしょうか。
プログラミング言語を難しく感じる原因は、思ったように動いてくれない点です。エラーメッセージを読んでもどこでミスしたかが解らず、途方にくれた経験を持つプログラマーはたくさんいます。ミスを見つけるためのスキルはプログラミングスキルの基本です。ぜひ、やさいく教えてくれる講師に質問して、研修期間の間に身に付けておきましょう。
また言語の学習が終わったあとも実務で使うためにプロジェクト形式での研修が始まります。設計仕様書を読んでイメージした処理をプログラムのコードに置き換えるのは初心者にとっては大変な作業です。仲間や講師と協議しながら、理解できたことから進めていきましょう。
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まとめ
これまで紹介したようにプログラマー研修を受けることで、新卒や未経験の方が社会人として働くために必要な知識からプログラマーとして勤務するために最低限必要なスキルを学べます。
更に特化したプログラマーになりたい時や、システムエンジニアなどのエンジニア職にステップアップしたい場合に受けると効果的です。これを参考に、皆さんも研修を受けてみましょう。
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