エンジニアの年収は、同じスキル/経験があっても大きな差が生まれてしまったり、スキルが高い人の方が必ずしも給料が高くなるわけではありません。
今回はエンジニアが給料を上げていくために必要なポイントについてご紹介していきます。
- プログラマーの平均年収は厚生労働省のデータで408万円
- 未経験の場合は250~300万円が目安
- フリーランスエンジニアなら月60~90万円が相場
- 上流工程を理解することが給料アップのポイント
- 年収が高い会社を選ぶことは給料以外にもメリットが多い
エンジニアの給与・年収
エンジニアの給与・年収はご存知でしょうか。これについては厚生労働省が興味深い調査データを発表しています。「平成27年賃金構造基本統計調査」の結果、プログラマーの平均年収は、408万3500円で、年間ボーナスの平均は、49万4300円でした。
一方、国税庁の「平成26年分民間給与実態統計調査結果」によると、給与所得者の平均年収は415万円。つまりプログラマーの年収は日本人の平均所得と同水準と言うことができます。他の職種と比較して、残業や休日出勤をすることが多い分、年収が低いという印象を受けます。従来は「プログラマーといえば35歳定年説」という声が多かったのですが、近年は50歳以上の方で年収1千万円を越える方も増えています。
また、平成27年の給与統計によれば、システムエンジニアの平均年収は592万円です。一般職に比べると、給与はやや高めの水準となっているようです。一部の優秀なエンジニアは、20代であっても年収800万円を超えるケースがあります。年収700万円以上のシステムエンジニアの割合は15%を超えると言われていますので、他の業種よりも高い年収を実現しやすい職種です。
昨今給与が上がりにくい、または減少している中、システムエンジニアの給与や年収は安定しており、人気の業種となっています。
未経験の場合
未経験プログラマーの年収ですが、大体250万~300万円で求人が出されているケースが多いです。当然と言えば当然ですが、未経験プログラマーが初めから高い年収を得ることは不可能でしょう。年齢は関係ありません。実力の世界です。そのため、未経験からプログラマーに転身する場合は修行期間と考え、いかにご自身が求める知識や経験が積める環境かだけを考えましょう。
会社によって回している案件の規模や種類が全然違いますので、身に付く技術の方向性も全然違います。例えば小規模な会社ならば幅広い知識と経験が得られるでしょう。
海外の場合の給与・年収
アメリカのエンジニアは一般的に日本と比べると高いと言われています。2013年に発表されたアメリカの高給企業ランキングによると、Yahoo!が1482万円、Googleは1446万円、twitterが1420万円、Appleが1418万円、Facebookが1382万円、Microsoftが1235万円となっており、日本のエンジニアの年収と比較すると桁違いの高収入です。これは一部の大手IT企業の例ですが、全体的にみても高いのです。
アメリカ:857万円
日本:441万円
アメリカと日本のエンジニアの平均年収は、アメリカの方が400万円以上も高くなっています。
アメリカのエンジニアは、日本のように誰でもなれる職業ではなく、大学等でコンピューターサイエンスを専攻した人がなる職業なので、エンジニアになれる人はごく少数に絞られてしまうのです。ゆえに専門性の高さから社会的な地位が高い職業として考えられているためです。また、日本と異なる能力次第で給与が大きく変わるため、その雇用形態も大きく影響しているのです。
会社員の給与・年収
厚生労働省が発表した「平成26年度賃金構造基本統計調査」によると、エンジニア職の平均賃金は、平均年齢36歳に対し、平均年収542万円となっています。業界全体としては基本的に人手不足の傾向があり、極端な不況などの影響を受けにくいのも特徴。一度エンジニアとして就業したことがあれば比較的安定して業務を得られる業界とも言えるでしょう。
フリーランスの給与・年収
フリーランスのエンジニアが受け取る報酬は一般的に「月60~90万円」程度が相場です。IT業界は多重下請け構造の世界ですから、会社勤めでも独立して下請けをしたとしても下に下がるほど単価は下がります。
しかしフリーランスになればその「中抜き」の多くが手元に入ってくるため年収アップを実現しやすくなるのです。一方で手放しに年収アップを喜んでもいられません。なぜなら、フリーランスにはお金がかかるからです。フリーランスになると国民保険や年金、交通費、税金などは単価の中からご自身で払わなければなりません。ボーナスもありません。そのため、フリーランスになったとしても最低でもサラリーマン時代の年収の1.5倍ないと同じ生活レベルの維持は難しいのです。
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平均労働時間と年収の相関性
エンジニアの顕著な問題点は労働時間の長さにあります。最初は労働時間の長さも、年収の高さでカバーできていたのかもしれません。しかし、年数が経つにつれ、「労働時間の長さをなんとかしたい」と考える方も多くなっているのではないでしょうか。生産性を上げるという道もありますが、もう1つあります。フリーランスになることです。
一つのメリットは、成果と報酬が顕著に比例することです。簡単にいえば、がんばった分だけ返ってくるということですが、フリーランスのエンジニアには、ただ与えられた案件をこなせば良いわけではなく、自身のスキルを最大限に発揮する案件を探して提案するというコツやセンスも重要になります。
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年収を左右する要素
1. 上流工程への理解
傾向として、上流工程であるほどフリーランスの単価は上昇します。つまり言い換えれば、上流工程を実務レベルでこなすことができるエンジニアが不足しており、これは求められるスキルであるということです。上流工程は顧客へのヒアリングや業務分析などエンジニアとして必要な技術的スキルのみならず、顧客の業務に精通することやコミュニケーション能力も求められます。よって上流工程をこなすことができるエンジニアは付加価値が高いと言えるでしょう。
2. 自分の強みを理解している
ご自身の強みを正確に理解している人は案外少ないものです。しかし、年収の高いエンジニアは強みを明確に理解しています。自分の強みが明確で自信があれば、これをアピールして納得のいく報酬を獲得することができるようになります。ただし、自分の強みというのは意外と自分自身ではわからないもの。そんなときはエージェントの客観的な意見を貰うのもひとつの手でしょう。
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高年収をゲットするためのポイント
年収が高い会社を選ぶ
会社員ならば誰しも給料が高くて、残業が少ない会社を選びたいのは人間の心理です。それではどのようにしてそのような会社を選べば良いのでしょうか。
まず、良い会社の条件の1つは、儲かってる会社です。余裕があるから社員に十分な給与を払えますし、余裕があるから条件の悪い仕事を受けなくても済むのです。ただ誤解してほしくないのは、儲かってる=残業が無いという図式ではないことです。とはいえ儲かっている会社の方がエンジニアの労働環境に予算と時間を投資できるのは事実です。
また、自社開発がある会社を選ぶことも1つ覚えておくべき点です。自社で製品を持っている会社は持っていない会社に比べて、余裕のある会社であることが多いです。自社開発を行っている会社は受託開発と比較して、利益率も高くなりやすいですし、自分達のペースで仕事がしやすいのです。
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まとめ: 年収UPを目指そう!
収入を上げるには、自分を商品として捉えた際に、自分の商品価値を正しく理解し、相対的に高くなる企業を見つける必要があります。特に日本人の場合は給与交渉に固執しないことが美徳のようなところがあり、どうしても企業側に主導権が寄りがちです。
もちろん年収が全てではありませんが、年収はご自身のマーケットでの価値を表す一つの指標となる数字です。そして、エンジニアがより評価されやすい社会になるためにも、ぜひご自身の価値を安売りせずに、正当な評価を受けながらエンジニア生活を送って頂ければと思います。