プログラマーの年収は、所属する業界の給与構造によって決まります。もし、給料が少ないなと感じたら、それは業界の給与構造が原因かもしれません。
業界の給与構造によって、同じスキル/経験でも給与に大きな差が生まれることもあれば、逆にスキルがあっても給料が低いことがよくあります。そして業界の給与構造について理解することは、今後給与を上げていくために必要な知識です。今回はプログラマーの年収が決まる仕組みについて紹介します。
- プログラマーの年収は給与所得者の平均年収と大差ないものの、スキルによっては1,000万を超える年収も可能。
- 会社によってもプログラマーの年収が変わるの、高い年収がもらえる会社がどんな会社かを理解しよう。
- フリーランスのプログラマーは高い年収が可能なもののリスクもある。
- プログラマーが1,000万円を超える年収のプログラマーには、上流工程への理解、自分の強みの理解、マーケット感覚を持つなどの共通点がある。
プログラマーの平均年収
プログラマーと言っても、担当領域や環境、雇用形態によって大きな差が生まれます。まずは年収を分ける基本的要素について学んでいきましょう。
プログラマー職の場合
まずはデータからみていきましょう。
求人に特化した検索エンジンの求人ボックスによると、プログラマーの平均年収は423万円です。一方、国税庁の「令和2年分民間給与実態統計調査」によると、給与所得者の平均年収は433万円。つまりプログラマーの平均年収は日本人の平均所得と同水準と言えます。
他の職種と比較すると残業や休日出勤が多いのに同水準ということから年収が低いという印象を受けます。ただし従来は「プログラマーといえば35歳定年説」という声が多かったのですが、近年は50歳以上の方で年収1千万円を越える方も増えています。
とはいえ、若い時からプログラマーとして今後どのような道を歩んでいくのかを考えておくことは必要です。プログラマーは仕事柄作業量や負担が多く、どうしても若手社員が中心になります。
また、業界平均を見てもプログラマーの収入は、システム・エンジニアやプロジェクト・マネージャーに比べると、まだ低い水準となる場合も多くあります。このような背景もあり、プログラマーからキャリアを始め、システム・エンジニアやプロジェクト・マネージャー、コンサルタントにステップアップする方も多いのです。どのようなキャリアを歩みたいのか、そのために必要な能力を一度考えてみましょう。
システムエンジニア職の場合
厚生労働省が提供する職業情報サイト「jobtag」によるとシステムエンジニアの平均年収は523万円です。給与所得者の平均年収は433万円に比べると高めの水準になっています。ただしこの資料の平均年齢は37.3才とやや高めです。一部の優秀なエンジニアは、20代であっても年収800万円を超えるケースがありますが、経験を積んだ方の年収だと言えます。
また年収700万円以上のシステムエンジニアの割合は15%を超えると言われていますので、他の業種よりも高い年収を実現しやすい職種です。平均月収は38万円前後で、経験を積むごとに給与は上昇し、難易度の高いプロジェクトも対応できるようになると月収60万円~80万円を稼ぐ人もざらにいます。
年収をどんどん上げていくためには、プロジェクトを管理する能力と高いコミュニケショーン能力とが必要です。例えばシステム開発プロジェクトには顧客企業の経営者など、エンジニア以外の方も関わるため、そういった方に納得してもらえるだけもスキルも求められます。
一般的にプログラマーの場合、同じスキルしか使えない方は年齢が上がってもさほど年収は低いままです。しかし年齢とともに多くのスキルを学んだシステムエンジニアは、年収も高いケースが多いようです。
未経験の場合は?
未経験プログラマーが応募できる求人は、大体年収250万~300万円の仕事です。当然と言えば当然ですが、未経験プログラマーが初めから高い年収を得ることは不可能でしょう。
とはいえプログラマーに年齢は関係ありません。実力の世界です。そのため未経験からプログラマーに転職したら、そこでより高い年収を得られるスキルを学び、年収アップを目指しましょう。
なお会社によって受注しているプロジェクトの規模や種類が全然違います。大きな会社に入れば多くのスキルが学べるとは限りません。反対に小さな会社でも高いレベルのスキルを学べるケースもあります。そのためどの会社からスタートするかが重要です。
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アメリカの場合は?
日本とアメリカは物価が違ううえ円とドルのレートが変動するので単純に比較はできませんが、アメリカのエンジニアは一般的に日本と比べると高いと言われています。
2019年に発表されたアメリカの高給企業ランキングによると、Googleは161千ドル(約2,000万円)、Facebookが153千ドル(約1,950万円)、Microsoftが148千ドル(約1,900万円)となっており、日本のエンジニアの年収と比較すると桁違いの高収入です。これは一部の大手IT企業の例ですが、特にプログラマーなどのエンジニアの給料は全体的に高い傾向に変わりありません。
アメリカのエンジニアの給料が高い理由は、社内で教育せず、一定レベルのスキルのエンジニアしか採用しないためです。アメリカのエンジニアは、日本のように誰でもなれる職業ではなく、大学等でコンピューターサイエンスを専攻し、スキルを身に付けた方が就く職業です。
また、アメリカはエンジニア業界に限らず能力主義の社会なので、スキル不足と判定されれば即解雇され、新しいスキルを学んだらより高い給料の仕事に移れるなど、その雇用形態も大きく影響しています。
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年収が高い会社の特徴
会社員ならば誰しも給料が高くて、残業が少ない会社を選びたいのは人間の心理です。それではどのようにしてそのような会社を選べば良いのでしょうか。
まず、良い会社の条件の1つは、儲かっている会社です。利益の多い会社は社員に高い給料を払えます。また余裕のある会社は日程に無理があるなどリスクの高い案件を無理に受注しないので残業も多くありません。
また、自社開発がある会社を選ぶことも1つ覚えておくべき点です。自社でWebサービスを提供し、その開発もやっているようなる会社は、案件を受注するだけの会社に比べて、高い利益を得られます。そしてそのような会社は所属するプログラマーのスキルが高く、新しい技術にチャレンジできるといったメリットもあるのでおすすめです。
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フリーランスの場合
それではフリーランスエンジニアの平均年収についてもみていきましょう。フリーランスのシステムエンジニアが受け取る報酬は一般的に「月60~90万円」程度が相場です。IT業界は多重下請け構造の世界ですから、会社勤めでも独立して下請けをしたとしても下に下がるほど単価は下がります。
しかしフリーランスになればその「中抜き」の多くが手元に入ってくるため年収アップを実現しやすくなるのです。一方で手放しに年収アップを喜んでもいられません。なぜなら、フリーランスにはお金がかかるからです。
フリーランスになると国民保険や年金、交通費、税金などは単価の中からご自分で払わなければなりません。ボーナスもありません。そのため、フリーランスになったとしても最低でもサラリーマン時代の年収の1.5倍ないと同じ生活レベルの維持は難しいのです。
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エージェントを利用する
フリーランスとして働くには仕事を切らさないことが大事です。実績が多く、いろいろな企業から声がかかる方は問題ありませんが、仕事の獲得に苦労するフリーランス初心者はエージェントを利用します。エージェントを利用すると案件報酬の一部をエージェントに引かれます。その分、年収も少なくなるので周囲してください。
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年収1,000万円以上を得るためのポイント
誰しも1度は憧れる年収1,000万円超え。しかし夢見ているだけでは夢に近づくことは出来ません。具体的な行動が必要です。日本で年収1,000万円を超えているエンジニアの方々にはいくつかの共通点があります。その共通点を押さえ、行動に移していきましょう。
上流工程への理解
システム開発における上流工程とは、顧客の漠然としたやりたいことをヒアリングし、それを基にコンピュータで実現する方法を提案して、具体的なプログラム作成に用いる仕様を作成することです。
上流工程を担当できるエンジニアが不足しているので、もしプログラマーが上流工程をこなせるのであれば高い給料がもらえます。
ただし上流工程を担当するにはプログラミングを含むITに関する広い知識はもちろん、顧客とのコミュニケーション能力、プロジェクトの管理能力、さらに顧客の業務内容の理解なども必要です。
自分の強みを理解している
あなたは自分の強みを正確に理解していますか?年収の高いエンジニアは例外なく強みをきちんと理解しています。そして、自分の価値が最大化するポジションに身を置いています。
給与を上げるためのコミュニケーションについてもお手の物です。日本人は給与交渉が苦手な民族ですが、そこで妥協することは、エンジニア全体の価値を下げることになりますので、ぜひ自分の強みをアピールして給与交渉しましょう。
マーケット感覚を持っている
トレンドの変化が激しいIT業界において、いま市場で何が求められているのかを理解する力は大事です。それをマーケット感覚と言います。
高い給料をもらうには需要が多いものの、担当できるプログラマーが少ない仕事が狙い目です。しかし、それを担当できるようになるには、新しいスキルを身につけなければなりません。また、需要の多くなる業界のやり方や仕組みへの理解も必要です。
いち早く新しいスキルを身に付けたり、業界のやり方や仕組みを学ぶにはマーケット感覚が重要です。そして年収の高いプログラマーはこの感覚を身に付けており、自分を上手く変化させています。
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まとめ
今回はプログラマーの年収について紹介しました。もちろん年収が全てではありませんが、年収はご自分のマーケットでの価値を表す一つの指標となる数字です。そして、エンジニアがより評価されやすい社会になるためにも、ぜひご自分の価値を安売りせずに、正当な評価を受けながらエンジニア生活を送って頂ければと思います。