派遣でIT技術者として働くというのはどういうことなのでしょう?
IT業界は特に派遣としての働き方をメインとしている企業が数多く存在します。当記事ではIT技術者の派遣業界や派遣として働くことのメリット、デメリットについてご紹介します。派遣で働くことを検討しているあなたはチェックしてみてください。
- IT技術者派遣は、派遣元の会社の正社員として雇用され、派遣先の別会社で勤務する常用型派遣が一般的
- IT技術者派遣のメリットは仕事につきやすい点、デメリットは同じ仕事をしていてもプロパー社員より待遇が悪い点です
- IT派遣会社には、ラクス、パーソル、エンジニアガイド、ITスタッフィングなどがある
IT技術者の派遣業界とは
IT業界は特に派遣業務を行っている会社の多い業界です。それはなぜでしょうか?
自社製品を開発して販売するにはそれなりのリスクがかかります。しかし、派遣業務であればそういったリスクを負うことなく利益を得ることができます。また、小規模の会社であっても社員を客先に常駐させることによって事務所スペース費用などを抑えた最小限のコストで多くの利益を得ることができます。こういった理由から、それまで大手企業の正社員として働いていた若いSEが独立し、IT技術者の派遣会社を起業するケースも多くなっています。
IT技術者派遣の特徴
IT業界は中小規模の企業が国内にも多数存在しており、その多くが他の企業へ自社の社員を派遣するという形態の業務を行っています。プログラミングから設計・構築、運用まで幅広い業務を請け負っている企業もあれば、プログラミングやWebデザインなどある分野を専門としている企業もありますし、Microsoft製品やSAPなどある特定のベンダーや製品群のみを専門としている企業もあります。
派遣契約というと、契約先は派遣元の会社で自身の肩書は派遣社員となる、いわゆる「登録型派遣」ですが、IT技術者の派遣契約の場合は、派遣元の会社は正社員として雇用され、そこから派遣契約で派遣先の会社に勤務する、いわゆる「常用型派遣」というスタイルが一般的です。つまり肩書は派遣社員ではなく正社員となるのです。登録型派遣の場合は派遣先との契約がない間は給与が支払われませんが、常用型派遣の場合は派遣契約の有無にかかわらず給与が支払われます。
また、一般的な派遣会社の場合は初心者からベテランまで幅広い人材が実際に派遣先の会社で勤務しています。しかし、派遣のIT技術者には即戦力としての能力が求められています。そのため、新卒の新人や未経験の社員はまず自社でみっちりとスキルを磨いてから派遣先の会社で働くようになるか、もしくはしばらくは先輩の派遣社員とともに比較的安い単価で派遣先の業務にあたることになります。
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IT技術者派遣のメリット
IT技術者が派遣契約で働くことのメリットは何でしょうか?
様々な企業で多くの経験を積むことができる
一つは、様々な企業で様々な経験を積むことができるということがあります。正社員として勤めていると、どうしても利用する技術や得ることのできる知識、プロジェクトの進め方などが固定化されていき、スキルの幅が狭くなりがちです。派遣のIT技術者であれば様々な企業やプロジェクトで働くことができ、新しい技術に触れたり多くの企業で多くの経験を積むことで、IT技術者としての知識やスキルの幅を広げることができるというメリットがあります。
自由度が高い
いまの会社や部署、プロジェクトのやり方に不満があると感じることも多くあるでしょう。しかし、正社員として働いていると別の部署に異動したい、新しいプロジェクトに参画したいと考えてもその願いが聞き入れてもらうことはそう簡単なことではありません。一方派遣契約の場合は契約期間が終了し、新しい契約の引き合いさえあればすぐに別の会社で働くことも可能です。新しい契約先に不満があればその依頼を断ることも可能です。魅力を感じる企業やプロジェクトを選ぶことができ、辞めたくなったら比較的簡単に契約を修了することができるという自由度の高さがIT技術者派遣の魅力の一つです。
有名企業や大企業で働く機会を得られる
有名企業や大企業は多くの場合採用の条件を大卒以上としています。十分な能力を持ちながらも大学を卒業していなかったために就職することができなかった企業であっても、IT技術者の派遣としてであればそこで働くことができるのです。もし能力を認められれば、その企業から正社員としての雇用を打診されるケースも珍しくありません。中小規模の企業ではなかなか参加することのできない大手ベンダーのイベントやセミナーにも、派遣先企業の社員として参加することができるケースもあります。
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IT技術者派遣のデメリット
IT美術者の派遣にもデメリットはあります。
スキル不足だと仕事を得ることができない
IT技術者の派遣は即戦力としてのスキルを求められることが多いため、スキルが見合わなければなかなか契約を得ることはできませんし、契約を得たものの派遣先が求めるスキルレベルに達していなかった場合は容赦なく契約を終了させられてしまいます。常用型派遣の場合は契約がない間も給与は支払われますが、いつまでも契約を得ることができなければ当然給与は上がりません。登録型派遣の場合は契約がなければ給与も支払われないため事態はもっと深刻です。
希望の職場で働くことができるとは限らない
派遣先の企業は、基本的には派遣元の会社と取引がある企業に限られます。そのため、取引先の少ない派遣会社の場合は派遣先の選択肢が少なく、必ずしも自分の望むような職場で働くことができないというデメリットもあります。今の派遣先に不満があって契約を終了したいけれど、次の職場の候補がないため今の派遣先を離れることができない、というケースもあるのです。
プロパーと派遣社員の待遇に差別を感じることもある
派遣先の企業によってはプロパーと派遣社員の待遇を明確に分けていることがあります。通常業務の中ではプロパーも派遣社員も区別なく同じ業務に従事しているのに、例えばプロパーしか受けることのできない研修がある、プロパーしか参加が許されない打ち合わせがある、どんなに能力が高くても派遣社員はマネージャーやリーダーといった管理者的な役割を任せられることはない、といったように待遇の不公平さに不満を感じるケースも少なくありません。
主なIT派遣会社
つづいてIT技術者、IT人材の派遣に特化したおすすめの派遣会社5社について詳しく紹介します。
ラクス
「ラクス」はJavaエンジニア、LinuxサーバやOSSミドルウェア構築に特化したクラウドエンジニアの派遣に特化した派遣会社です。
またラクスの場合エンジニアはラクスの正社員として働くため、社会保険に加入することができ、福利厚生も充実しています。また派遣先の企業での仕事が終了したあとも。自分のスキルに合わせて新しい派遣先を紹介してもらえます。
ラクスの主な派遣先はショッピングサイトや旅行サイトなど、Web関連の事業をおこなっている企業が多いです。なのでWebサービスの開発をおこないたい人におすすめの派遣会社です。
パーソルテクノロジースタッフ
「パーソルテクノロジースタッフ」はテンプスタッフ・テクノロジーとインテリジェンスの派遣が合わさった、エンジニア派遣に特化した派遣会社です。
こちらの派遣会社で就業できる職種はアプリケーション開発、ネットワーク、サーバーサイドエンジニアからIT営業、WebデザイナーにWebコーダー、CGデザイナーと幅広くあります。エンジニア以外の職種での就業も可能なのでIT業界で働きたい人にもおすすめです。
またパーソルテクノロジースタッフは登録型派遣と紹介予定派遣という2つの働き方があり、紹介予定派遣として働けば派遣先の会社に正社員として働くことも可能です。
エンジニアガイド
「エンジニアガイド」は登録から最短2日で就業可能というスピーディな対応が大きなメリットの、IT業界に特化した派遣会社です。
エンジニアガイドは子育てなどがある女性も働けるよう、週2日、または時短勤務が可能な派遣先の紹介もあります。またエンジニアだけではなくWebディレクター、Webデザイナーなどの職種での就業も可能です。
システムエンジニアでの派遣先の紹介案件も豊富にあるため、将来的に社内SEを目指している人にもおすすめの派遣会社です。
ITスタッフィング
「リクルートスタッフィング」はリクナビなどのサービスを提供していることで有名なリクルートが運営している人材派遣会社です。そしてリクルートスタッフィングが運営しているエンジニアに特化した派遣サイトに「ITスタッフィング」があります。
ITスタッフィングは大手企業からベンチャー企業まで豊富なエンジニアの派遣先が3000以上あります。またIT系職種に特化したジョブコーディネーターが在籍しており、ジョブコーディネーターとキャリアについて相談しながら派遣先を決めることができます。
パソナテック
「パソナテック」はエンジニアやWebデザイナーといったIT技術を活用してものづくりをする職種に特化したIT派遣会社です。
パソナテックのメリットとして派遣、紹介予定派遣、フリーランスなど様々な働き方が選べる点が挙げられます。またPT-ITSSというキャリアフレームワークも導入されており、エンジニアの人達のキャリア形成をサポートしてくれます。
エンジニア、もしくはIT技術を活用したクリエイターとしてキャリア形成をしっかり構築したい人にパソナテックはおすすめの派遣会社です。
まとめ
IT技術者派遣は、とにかくいろいろなスキルを身に着けたい、いろいろな企業で働いてみたい、多くの経験を積みたいという技術者には最適な働き方です。IT技術者の派遣を行っている会社は日本全国に数多く存在しており、そこで働く技術者のスキルレベルや技術領域、取引のある企業など会社ごとに異なる特徴があります。
派遣のIT技術者として働きたいと考えているのであれば、まずは今の自分のスキルレベルやこれから身に着けたいと思っているスキル、働いてみたい職種や企業などにぴったりと合った会社を見つけることが大切です。
派遣先の会社は自由に変えることができても、自分の所属する派遣会社は一度就職してしまえばそう簡単に辞めることはできません。後悔せずに満足のいく派遣ライフを送るためにも、1件でも多く派遣会社の情報を集め自分にぴったりな一社を見つけ出しましょう。
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