AWSの見積もりツールについてまとめています。
AWSの見積もりは、AWS Pricing Calculatorで自動計算
AWSには見積もりツール(AWS Pricing Calculator)が用意されていて、プロダクトや利用条件を選んでいくと見積もりが出力されるようになっています。
参考)開始方法 – AWS Pricing Calculator
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▶AWSの料金は従量課金体系 AWS料金計算ツールの見積もり方法紹介
AWSプロダクトを指定して見積もりを作成する
AWS Pricing Calculatorからプロダクトを選び、選択肢を選んでいくと見積もりが出来上がります。例えば、Amazon EC2の場合を見ていきましょう。
リージョン、クイック見積もりか高度な見積もりかを選び、ECインスタンスの仕様を選択します。
オペレーションシステム、インスタンスタイプ(vCPUの数とメモリ)、数量、使用率を入力します。
「価格戦略」にて、利用方法や利用期間、支払い方法による割引を選択します。価格モデルは、EC2 Instance Savings Plans Compute Savings Plans、スタンダードリザーブドインスタンス、コンバーティブルリザーブドインスタンス、オンデマンドインスタンスが選択できます。予約期間は長いほど割引が適用され、支払いオプションでは前払いの金額が多いほど割引が適用されます。
以下の見積もりが作成できました。
- リージョン US East (Ohio)
- サービス Amazon EC2
- 前払い 0
- 毎月 64.54
- 最初の 12 か月の合計 774.48
- 通貨 USD
- 設定の概要 オペレーティングシステム (Linux), 数量 (1), 価格戦略 (EC2 Instance Savings Plans 1 年 前払いなし), ストレージ量 (30 GB), インスタンスタイプ (t4g.xlarge)
「高度な見積もり」を選ぶと、ワークロード、データ転送コスト、追加のストレージオプションなど、さらに詳細なオプションを指定することが可能です。
ユースケースから見積もりを作成する
よくある構成(ユースケース)から、目的のシステムに近いものを選んで、過不足分を修正して見積もりを作成することも可能。1から手動で見積もりを組み立てなくて良いので、見積作成の手間が省けます。
例えば、イベント駆動方式のサーバレス構成のユースケースから見積もりを作成してみましょう。目的別クラウド構成と料金試算例のページを開き、「イベント駆動処理にAWS Lambdaを用いたサーバレス構成と料金試算例」を開きます。
システム構成図と、必要なプロダクト、リクエスト回数やストレージ容量の試算が入った構成が表示されます。画面を下にスクロールして、「最新の料金を確認する」をクリックすると、試算構成がそのままAWS Pricing Calculatorに転送されます。
AWS Procing Calculatorでは、各AWSプロダクトの容量やスペックを自在にカスタマイズできるようになります。以下の条件では、AWS Lambdaは無料枠内に収まるため料金がかからず、Amazon S3の料金のみかかることがわかります。
- リージョン/Asia Pacific (Tokyo)
- サービス/AWS Lambda/S3 Standard/S3 Standard
- 前払い/0/0/0
- 毎月/0/17.21/0.53
- 最初の 12 か月の合計/0/206.52/6.36
- 設定の概要/リクエストの数 (2500)/S3 標準ストレージ (686.25 GB per 月)/S3 標準ストレージ (6.8625 GB per 月)
複雑な構成の見積もりは、AWS日本担当チームに問い合わせが可能
AWSのユースケースには応用例として、さらに複雑な構成も公開されています。以下は、負荷状況に応じてスケールする動的 Web サイトの構成例です。
以下のAWSプロダクトの組み合わせにより構成されています。
- コンテンツ配信ネットワーク: Amazon CloudFront
- SSL/TLS 証明書:AWS Certificate Manager (ACM)
- ロードバランサー:Elastic Load Balancing
- Web サーバー :Amazon Elastic Compute Cloud (Amazon EC2)、Amazon Elastic Block Store (Amazon EBS)、Amazon Machine Image (AMI)
- 静的コンテンツ用ストレージ:Amazon Simple Storage Service (Amazon S3)
- データベース: Amazon Relational Database Service (Amazon RDS)
- データベースキャッシュ: Amazon ElastiCache
- NAT ゲートウェイ: NAT Gateway
このユースケースでも「最新の料金を確認する」ボタンをクリックすることで、AWS Pricing Calculatorに構成を転送し、カスタマイズをおこなうことが可能です。しかし、複雑な構成になってくると「本当にこれで大丈夫かな?」と不安になりますよね。
そこで、AWS Pricing Calculatorの右上にある「営業へのお問い合わせ」にて、AWS日本担当チームに、日本語で相談することが可能です。
フォームでの問い合わせの他、平日 10:00〜17:00 はチャットでも問い合わせが可能です。
サポート費用の見積もりを作成する
AWS Pricing Calculatorにて、「サポートを追加」をクリックすると、サポート費用の見積もりを追加することが可能です。
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▶AWSのサポートとは?何をしてくれるのか調べてみました!
強化された技術サポート「AWS Support とどのようにやり取りしますか?」では、サポートとの問い合わせ体制を選びます。
- セルフサービスウェブサイトからAWS Supportにお問い合わせください
- 1人のAWS Supportアソシエイトが、営業時間中にメールを送ることができます
- 複数のAWS Supportアソシエイトが24時間年中無休でEメールまたは電話を受けます
重要度の高い応答時間「システムの重要な問題に対する応答時間はどれくらいですか?」では、求める応答時間を選びます。
- 該当なし
- 12時間以内
- 4時間以内
- 1時間以内
- 15分以内
サポートプランを選びます。
- ベーシックサポートプラン
- デベロッパーサポートプラン
- ビジネスサポートプラン
- エンタープライズサポートプラン
例えば、ビジネスサポートプランは、サポートエンジニアと 24 時間年中無休の電話や E メールで連絡が可能です。問い合わせ回数の制限はなく、応答時間は 1 時間未満です。
ビジネス費用「毎月 AWS のサービスの平均費用はいくらですか?」では、利用しているAWSのサービス費用を選択します。
- ビジネスサポートがありません
- ビジネスサポートを受けており、1か月あたり10,000USD未満を費やしています
- ビジネスサポートを受けており、1か月あたり80,000USD未満を費やしています
- ビジネスサポートを受けており、1か月あたり250,000USD未満を費やしています
- ビジネスサポートを受けており、1か月あたり250,000USD以上を費やしています
「計算を表示」をクリックすると、選択内容に沿ってサポート費用の見積もりが表示されます。
- 1 か月のサポートコスト: 1,388.5220000000002 USD
- 1,388.5220000000002 USD x 7% = 97.20 USD
- ビジネスサポートプラン:継続的な月間サポートコスト: 97.20 USD
AWSの見積もりのまとめ
- AWSの見積もりは、AWS Pricing Calculatorを使うと簡単
- ユースケース(よくある構成)をカスタマイズして見積もり化できる
- 複雑な構成などは、AWS日本担当チームに、日本語で相談可能