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AWSの東京リージョンについてまとめています。

AWS 東京リージョンのメリットは国内への通信遅延の最小化

AWSのリージョン選択は、ユーザのアプリケーションやウェブブラウザと、AWSのサービス間の遅延を小さくするのに有効です。例えば、主に日本の東京で使用されているアプリやウェブサイトは、AWS 東京リージョンを選ぶことで、ネットワーク上の遅延を最小にすることができます。

2020年には、特にモバイル端末からの超低遅延要件のために、KDDI株式会社の5Gネットワークのエッジに位置するリージョンが登場しました。5Gネットワークのエッジにアプリケーションをデプロイするために、AWS Wavelength Zoneを組み込むだけで、Amazon Elastic Compute Cloud(Amazon EC2)、Amazon Elastic Block Storage(Amazon EBS)、Amazon Elastic Container Service(Amazon ECS)、Amazon Elastic Kubernetes Services(Amazon EKS)などのAWSサービスを利用できるようになります。

関連)AWS、AWS Wavelengthを東京で一般提供開始 | AWS

AWSの東京リージョンを選ぶデメリットは料金です。AWSでは、リージョンごとに料金が異なるのですが、東京リージョンは比較的値段が高いリージョンです。遅延がさほど問題にならないようなシステムや、テスト環境、開発環境ではコストを下げるために、価格の安いリージョンを選択することも検討しましょう。

AWSの東京リージョンのAZ(アベイラビリティゾーン)はどこ?

東京リージョンのアベイラビリティゾーンは、VPCのセットアップ画面で確認できます。

【関連記事】
AWSのVPCは、仮想ネットワークでAWSリソースを利用 料金や管理方法

具体的には以下の3つです。

通常、複数のアベイラビリティゾーンにまたがってデータの複製をすることで単一障害点でのサービス停止は避けられるとされています。これらのアベイラビリティゾーンは、具体的にどこに配置されているのでしょうか?

AWSでは特に公式にアベイラビリティゾーンの回答はありませんでした。

WikiLeaksによりAmazonのデータセンターの位置が公開されています。アベイラビリティゾーンは「1つ以上のデータセンターで構成されたゾーン」であるため、ある程度の位置の予想はできます。ただし、アベイラビリティゾーンと実際のデータセンターの場所との紐付けは不明です。

関連)WikiLeaks – Map of Amazon’s Data Centers

以下が、Amazonのデータセンターがあるとされているだいたいの場所です。

AWSの東京リージョンと大阪リージョンの違い

AWS 東京リージョンと大阪リージョンの違いはなんでしょうか?メリットは2つあります。

大阪リージョン誕生の理由が、そもそも「東京リージョンのDR(ディザスタリカバリ、災害時の障害対策)サイトのニーズ」によるものだったんですね。東京付近で大規模な災害がおこってもサービスを停止させないためには、地理的に遠く離れた場所にDRサイトを設置する必要があります。

もともとは、東京リージョンの冗長構成用という位置づけだった大阪リージョンで、スタート当時はアベイラビリティゾーンを1つしか持っておらず、東京リージョンとの併用が必須でした。

しかし、現在は大阪リージョンのアベイラビリティゾーンは3つ用意され、大阪リージョン単一でも利用できるようになっています。

AWSの東京リージョンの障害

直近では、2021年9月2日に大規模な障害が起こっています。障害が発生したサービスは、AWS Direct Connectでした。

参考)AWSの大規模障害、原因はネットワークデバイス 新プロトコル処理に潜在的なバグ – ITmedia NEWS

【関連記事】
AWSのdirect connectは専用ネットワーク接続 料金や冗長構成

原因は、新プロトコル処理時のバグによるものと判明。ハードウェア障害等ではないため、マルチAZ構成でも同様の障害が発生していたもようです。朝7時半にアラートを確認し、原因調査をおこなって午後1時42分には復旧。大規模障害とはなりましたが、極めてスピーディーな対応と言えるでしょう。

公式サイトにて、障害の具体的な状況が公開されています。

関連)東京リージョンでのAWS Direct Connect の障害 (AP-NORTHEAST-1) 

AWSの東京リージョンの料金を他のリージョンと比較

AWSの東京リージョンのEC2インスタンスの使用料金と米国東部(オハイオ)リージョンを比較してみました。

米国東部(オハイオ)リージョンのEC2インスタンス(EBS ストレージ30GB)の料金は以下の通りです。

Amazon Elastic Block Storage (EBS) の料金 (monthly) = 3.00 USD/月
Amazon EC2 Instance Savings Plans のインスタンス (monthly) = 61.54 USD/月

合計月額コスト:64.54 USD

アジアパシフィック – 東京リージョンのEC2インスタンス(EBS ストレージ30GB)の料金は以下の通りです。

Amazon Elastic Block Storage (EBS) の料金 (monthly) = 3.60 USD/月
Amazon EC2 Instance Savings Plans のインスタンス (monthly) = 79.42 USD/月

合計月額コスト:83.02 USD

オハイオリージョンに比べると、東京リージョンの方が料金が23%高くなっています。

また、5Gネットワークのエッジ上にAWSのサービスを配置できるAmazon Wave Lengh(KDDI)の場合は、以下の通りです。

アジア・パシフィック(KDDI)-東京の場合

Amazon Elastic Block Storage (EBS) の料金 (monthly) = 5.40 USD/月
Amazon EC2 Instance Savings Plans のインスタンス (monthly) = 168.85 USD/月

合計月額コスト: 174.25 USD

オハイオリージョンの63%高額、東京リージョンと比べると53%高額です。しかし、モバイルアプリからの遅延を少なくすることには、それだけの価値があるんですね。

AWSの東京リージョンのまとめ

ポテパンダの一言メモ
  • AWSの東京リージョンを利用すると、日本国内に通信遅延の少ないサービスを提供することが可能
  • AWSの東京リージョンのほか、KDDIのAWS Wave Lengh(5Gネットワーク上にAWS配置)で国内のモバイルアプリの通信遅延を最小化できる
  • AWSの東京リージョンのAWS料金は、他のリージョンに比べると比較的高額

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