AWSのメールサーバーについてまとめています。
AWSのメールサーバ SES（Amazon Simple E-mail Service）
AWSのメールサーバ Amazon SESは、AWSでメールを送受信するサービスです。AWSからの自動メール送信などに使えます。
参考）Amazon SES（高可用性で低価格なEメール送信サービス）| AWS
Amazon SESの特徴は、メールサーバのIPアドレスを自由に選べる点。Gmailなど多くのメールサービスでは、送信元のメールサーバのIPアドレスがブラックリストなどに入っていると、受信を拒否します。このため、メールサーバのIPアドレスが自由に決められることは、大きなメリットになるんですね。
メールサーバのIPアドレスを共有IPアドレス、専用IPアドレス（AWSからリース）、所有IPアドレス（BYOIP）から選択することができます。
BYOIPとは、Bring Your Own IPの略で、もともと所有していたIPアドレスを持ち込んで使うことができます。
SESのメールの送信と受信
メール送信にはSESコンソールやSMTP、AWS SDKを使うことが可能。メール受信に関しては、POPサーバやIMAPサーバは含まれていないため、Microsoft OutlookなどのE-mailクライアントを使った受信はできません。具体的にSESが可能なメール受信機能は以下の通りです。
- 他のメールサーバーとの通信
- スパムおよびウイルスのスキャン
- 信頼されないソースからのメールの拒否
- ドメイン内の受信者宛のメールの承認
- メールの送信と受信
AWSのメールサーバの設定
Amazon SESの管理画面は、AWSマネジメントコンソールから開くことができます。
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AWSマネジメントコンソールの検索欄に「SES」と入力し、Amazon Simple Email Serviceをクリックします。
「Create Identity」をクリックすると、SESの設定画面に移行します。
SESの設定では「ドメイン」または「Eメールアドレス」を選ぶことができます。特定のEメールアドレス1コのみを使いたいという場合には、Identity typeにEmail addressを選ぶと良いでしょう。それ以外の場合は、「Domain」を選択します。
例えば、Email addressを指定してアドレスを「user@example.com」と指定した場合、user@example.comのみが使えます。Domainを指定してドメインを「example.com」とした場合には、a.example.com、a.b.example.com、user@example.com、user@a.example.comなどの別のIDを作成する必要がありません。
ドメインを設定する場合には、Assign a default configuration set（デフォルトの構成セットを割り当てる）、Use a custom MAIL FROM domain（カスタムのMAILFORMドメインを使用する）がオプションとして選択できます。ドメインの確認には、DKIMベースのドメイン検証（DKIM-based domain verification）
、DKIMの構成（Configuring DKIM）が選べます。既存のIPアドレスを持ち込み（BYOIP）する場合は、DKIMの構成を選択します。DKIMの構成では「Advanced DKIM settings」にて、Easy DKIMかProvide DKIM authentication tokenを選択可能です。
AWSのメールサーバの料金
メールサーバの料金は、メールの送受信ごとに発生します。（米国東部 オハイオリージョンの場合）
- Amazon EC2 でホストされているアプリケーションからの E メール送信 毎月送信する E メールのうち最初の 62,000 通につき 0 USD、それ以降 1,000 通ごとに 0.10USD。
- E メールクライアントやその他のソフトウェアパッケージからの E メール送信 送信する各 1,000 通の E メールにつき、0.10USD。
- E メール受信 受信する最初の 1,000 通の E メールにつき 0 USD、それ以降 1,000 通ごとに 0.10USD。
- 送信時の添付ファイル1GBにつき0.12USD
- 受信するEメール（本文＋添付ファイル 256キロバイトのデータ）1,000通につき0.09USD
EC2上のアプリケーションからのメール送信は、毎月62,000通分が無料となるんですね。
その他にかかる費用は以下の通りです。
- 専用IPアドレス 月24.95ドル（IPアドレスごと）
- BYOIP（Bring Your Own IP IPアドレス持ち込み） 月24.95ドル（IPアドレスごと）
- 配信可能性ダッシュボード 月額1,250ドル 固定
見積もりは、AWS Pricing Calculatorで算出が可能です。
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例えば、月にEC2から送信したメールメッセージ10万通・月当たり送信データ10GB、Eメールクライアントから送信されたメールメッセージ1万通・月当たり送信データ10GB、受信したメールメッセージ1万通・受信されたメールの平均サイズ100KB、専用IPアドレス1個の場合は、以下のようになります。
100,000 messages per month x 0.0001 USD = 10.00 USD (Messages sent from EC2 cost) 10 GB per month x 0.12 USD = 1.20 USD (EC2 message data cost) 10,000 messages per month x 0.0001 USD = 1.00 USD (Messages sent from email client cost) 10 GB per month x 0.12 USD = 1.20 USD (Email client data cost) 10,000 messages per month x 0.0001 USD = 1.00 USD (Messages received cost) 100 KB / 256 chunk size factor = 0.390625 chunk size in 256KB 1 number of IPs x 24.95 USD = 24.95 USD (Dedicated IP addresses cost) 10.00 USD + 1.20 USD + 1.00 USD + 1.20 USD + 1.00 USD + 24.95 USD = 39.35 USD (SES usage cost) SES 使用コスト (毎月): 39.35 USD
39.35ドルの内訳のうち、24.95ドルがIPアドレス使用料です。純粋なメールサービスの分は、14.4ドル。かなりお安く使えますね。
AWSのメールサーバのまとめ
- AWSのメールサーバは、Amazon SES。AWSのメールの送受信サービスでIPアドレスを自由に選べるのが特徴
- Amazon SESは送信はSMTPに対応しているが、受信用のPOPやIMAPサーバ機能はなく、別途用意する必要あり
- Amazon SESは、EC2から送信メール64,000通までは無料。また、専用IPや持ち込みIPごとに料金がかかる
