IT技術者の新しいワークスタイル、「在宅フリーランス」の働き方や仕事の探し方

正社員や派遣社員、業務委託や請負いなどIT技術者の働き方のスタイルは様々ですが、近年注目を浴びているのが「在宅フリーランス」という働き方です。「フリーランス」は特定の企業に所属せずに都度自分自身で案件を探す、いわゆる自営業です。

「在宅」とはその名の通り、会社や事務所に出勤せずに自宅など自由な場所で働くことです。案件、勤務場所、勤務時間をすべて自由に決めることのできる「在宅フリーランス」という働き方に魅力を感じる人もおおいでしょう。そこでここでは在宅フリーランスの働き方や仕事の探し方についてご説明します。

在宅フリーランスの仕事の種類

IT技術者の仕事の種類は多岐にわたりますが、その中で在宅フリーランスとしてできる業務は限られています。基本的には以下の条件を満たす仕事です。

・個人でできる仕事であること
・明確な成果物があること
・作業場所や時間の制限がないこと

在宅フリーランスの仕事として一般的なものはプログラミングです。すでに出来上がった仕様に従いプログラムを作成し、完成したプログラムを納めれば作業が完了するプログラミングは在宅ワークには最適です。反対に、顧客と打ち合わせを重ねて仕様を決めていく設計作業や、メンバーの進捗や稼働状況を逐次管理する必要のあるマネジメント業などは在宅ワークには適していません。

在宅フリーランスの働き方・ワークスタイル

一口に在宅フリーランスといってもそのワークスタイルは大きく二つに分けることができます。

一つは完全な在宅フリーランスであり、会社や事務所へ一切出勤の必要がなく、成果物さえ納めることができれば作業時間も自由に設定できる働き方です。

もう一つは準在宅ともいえる働き方であり、週に1度または月に1度程度、報告や連絡のために出勤する必要がある働き方です。場合によっては1日の労働時間が決められているケースもあります。労働時間が決められているケースであっても、始業時間や就業時間が定められているわけではないため、たとえば1日8時間勤務が義務付けられている場合は20時から翌日4時までや、10時から14時までと20時から24時までといったように自分の都合のいい時間に働くことが可能です。

完全在宅であっても準在宅であっても、簡単な業務連絡程度であればSkypeのようなWeb電話ツールやChatworkのようなチャットツールを使用して行うのがほとんどです。そのほか、業務内容によってバージョン管理ツールやデータ共有ツールを使用して成果物を管理することもあります。基本的にはPCとインターネット環境さえ整備されていれば業務を行うことができます。

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在宅フリーランスの案件の探し方

在宅フリーランスの仕事は主に次の二つの方法で見つけることができます。

一つはクラウドソーシングを利用する方法です。Web上で自分の条件にマッチする仕事を探し、依頼主と直接交渉しながら契約を行う方法です。クラウドソーシングの案件の特徴としては比較的小規模なものが多く、また難易度や規模に反して単価の高い案件が多いという点があります。ただし単発契約のものが多く継続性はあまりないため、無収入の期間を作らないためにも常に複数の案件を契約しておくなどの工夫が必要になります。仕事を探す手間は少ないものの安定性が低いため、メインの仕事を探すというよりも隙間時間を利用した副業探しに利用している人の多い方法です。

二つめはフリーランス専門のエージェントを利用する方法です。案件数も豊富で継続性の高い長期案件も多いため、安定した仕事を探すことができます。ただしクラウドソーシングと違い依頼主は個人ではなく企業となります。在宅フリーランスは企業にとって、スペースやPC、机や椅子といったコストがかからないといったメリットもある反面、直接管理ができないために案件途中で契約を破棄されてしまったり、納期を守ってもらえなかったりといったリスクのある契約でもあります。

そのため、信頼のない相手に対して在宅での仕事を依頼する企業はそれほど多くはありません。在宅で長期の安定した仕事を得るためには、まずしばらく常駐勤務をしてから在宅での仕事を申し出て、徐々に在宅に切り替えていくというのが常套手段といえます。

このほか、リモートでの案件のみを取り扱うサービスなどもあります。

在宅フリーランスに狙い目の案件の特徴

一切会社に出勤することなく完全に在宅でできる仕事を求めて在宅フリーランスとしての道を目指す人もいるでしょう。ただしそういった仕事の場合、仕事の規模が極小さいものであったり簡単な作業である場合がほとんどであり、高い収入を期待することはできません。またそういった仕事は外部からの刺激を受けることが少なく、さらにスキルアップの必要性も低いことから自身の成長につなげることができません。

在宅フリーランスとして本格的に活動することを目指すのであれば、まずは完全在宅ではなく週に2、3日は出社する必要のある案件を狙うのがいいでしょう。そういった案件は高度なスキルが求められる場合が多く、そのために社内研修等を受けられたりとスキルアップの機会を自然に得ることができる可能性が高くなっています。

また誰もが名前を知る有名企業であっても比較的新しい企業の場合は在宅エンジニアの募集が多く、しかも在宅にも関わらず重要なポジションを得ることができる可能性が高くなっています。在宅ワークは机や椅子、PCや社用携帯といった備品やスペースのコストがかからないという企業側にとってのメリットも大きい働き方です。

しかし古い企業は新しいワークスタイルを取り入れることに抵抗があり、結果極限られたポジションでしか在宅フリーランスの募集がないことが一般的です。新しい企業はこうした新しいワークスタイルを柔軟に取り入れる傾向にあるため、在宅フリーランスエンジニアにも豊富な案件が用意されているのです。

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在宅フリーランスのスキルアップ・勉強方法

一般的な企業に属するIT技術者であれば、仕事の種類や勤続年数に応じた資格の取得を義務付けられたり、研修やセミナーへの参加を指示されることがあります。また難しい仕事を任されて勉強することを余技なくされるケースもあるでしょう。また同僚や周囲の人々からうける刺激や競争意識をきっかけとして自らスキルアップを目指すこともあるでしょう。このように会社勤めのサラリーマンにはスキルアップするためのきっかけが豊富に用意されているといえます。

しかし在宅フリーランスの場合は研修や資格取得を義務付ける上司もおらず、自分のスキルに合った仕事を自分で選ぶことができ、競争意識を刺激されるような相手もいません。そのため本人に強い向上意識や好奇心がなければどうしても知識や能力が停滞していく傾向にあります。

しかしIT業界は技術の進歩や新技術の登場が目まぐるしく、古い技術はどんどん使われなくなっていきます。特に会社という後ろ盾のないフリーランスの技術者は、売りとなるスキルがなければ仕事を獲得することはできません。そのため市場のニーズを敏感にキャッチし、その時代に応じたスキルを常に積極的に身に着けていく必要があるのです。

スキルアップの方法は様々です。獲得したい技術に応じた資格試験があればその取得を目標とするのもいいでしょう。資格試験のための勉強はその技術に関する知識を効率よく学ぶことができます。ただ資格試験の勉強は机上の知識の獲得のみにとどまり応用力が身につかないケースも多々あります。プログラミング言語であれば簡単なプログラムを作成してみる、Webデザイナーであればホームページを作成してみるなど実践を取り入れながら学ぶと技術の獲得も早く、応用力も身に着けられるようになります。

時間や資金に余裕があればスクールに通うのもいいでしょう。分からないことをすぐに質問できるというメリットもありますし、自習だとついついサボりがちになってしまう人にとってはスクールの方がしっかりと学ぶことができるでしょう。

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まとめ

今後様々な技術のクラウド化が進むに従い、在宅フリーランスという働き方もより広がりを見せていくでしょう。在宅といっても十分なスキルを持ってさえいれば、会社や仕事内容によっては常勤のエンジニアと変わらない給与やポジションを得ることができます。ただし、「自分の好きな時に好きなだけ働ける」ということだけに注目して在宅フリーランスの道に進んでしまうと後悔することになりかねません。事前にしっかりと在宅フリーランスという働き方について理解し、十分に準備をしておくことが大切です。

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