Amazon Web Serviceの名前は聞いたことがあるけれども、実際にどのようなサービスなのかイマイチ把握出来ていない方も多いのではないでしょうか。
本記事では、AWSへの入門として初心者が最初に知っておきたい基本的な情報をご紹介していきます。
目次
Amazon Web Serviceって何?
Amazon Web Serviceは、クラウドコンピューティングサービスです。
AWSと略されることが多く、Amazonから提供される100以上のクラウドコンピューティングサービスを総称しています。
クラウドコンピューティングとは
クラウドコンピューティングは、インターネット経由でサーバーやデータベース・ストレージやソフトウェアなどを利用出来るサービスです。
利用者はパソコン1台だけ用意すれば、高性能サーバーやデータベース、大容量のストレージを利用することが可能です。
クラウドコンピューティングとは反対に、ユーザーが自身で管理・運用する方法は「オンプレミス」と呼びます。
サービス概要
AWSではウェブサービスだけでなく、インフラストラクチャーサービス全般が提供されています。
Amazon EC2やAmazon S3といったサービスが有名ですが、他にも100種類以上のサービスを利用することが可能です。
これらのサービスは、世界中に配置された20以上の物理的なデータセンターから提供されています。
数あるクラウドサービスの中でもトップのシェア率を誇るとされており、クラウドサービス利用者の約33%がAWSを利用しているそうです。
AWSのサービス一覧
AWSの中でも利用される機会の多いサービスを一覧形式で確認しておきましょう。
- コンピューティング
- Amazon EC2
- Amazon EC2 Auto Scaling
- Amazon Lightsail
- データベース
- Amazon Aurora
- Amazon DynamoDB
- Amazon RDS
- ネットワーキングとコンテンツ配信
- Amazon VPC
- Amazon CloudFront
- Amazon Route53
- サーバーレス
- AWS Lambda
- Amazon API Gateway
- Amazon S3
- セキュリティ・アイデンティティ・コンプライアンス
- AWS IAM
- Amazon Cognito
- AWS WAF
人気サービスをもう少し詳しく解説していきます。
Amazon EC2
Amazon EC2は、AWS上で仮想サーバーを構築出来るサービスで、簡単なマウス操作だけでプログラムの実行環境を設定することが可能です。
AWS上に作成される仮想サーバーを「インスタンス」と呼び、複数のインスタンスを運用することが出来ます。
仮想サーバーのスペックも必要に応じて変更することが容易で、冗長化構成なども画面からマウス操作だけで実現出来ます。
Amazon RDS
Amazon RDSは「Amazon Relational Database Service」の略称で、AWS上でリレーショナルデータベースを簡単に利用出来るサービスです。
AWSで提供されているデータベースには、「Amazon Aurora」のようなオリジナルデータベースをはじめ、「Oracle」や「SQL Server」、「MySQL」「PostgreSQL」といった主要なリレーショナルデータベースが網羅されています。
管理画面からマウス操作だけで環境構築や設定が可能で、従来のデータベース環境構築よりも遥かに手軽に利用することが出来ます。
Amazon S3
Amazon S3は「Amazon Simple Storage Service」の略称で、AWSが提供するストレージサービスです。
S3は保存出来るデータ量に制限がなく、格安で利用出来るためコストパフォーマンスに優れています。
S3ではデータの保存場所を「バケット」と呼び、ディレクトリ構造ではなく全てのデータをフラットで保存する特徴があります。
AWS Lambda
AWS Lambdaは、サーバーレスでプログラムを実行する環境を提供するサービスです。
AWS Lambdaを利用することで、サーバーの構築や運用をする必要なく任意のプログラムが実行出来ます。
Lambdaでは従量課金制が採用されており、プログラム実行時しか費用が発生しないことに加えて100万件のリクエストまでは無料で利用出来るため、コスト削減に繋がります。
Amazon API Gateway
Amazon API Gatewayは、AWS上でAPIを作成・管理出来るサービスです。
フルマネージド型サービスとして提供されており、AWS上だけでAPIの作成からリリース、保守・監視などの業務を行うことが出来ます。
上述したAWS Lambdaとの連携も簡単に行え、サーバーレス開発で頻繁に利用されています。
AWS IAM
AWS IAMは、「Identity and Access Management」の略称で、AWS上のユーザー管理やアクセス管理を行うために利用されるサービスです。
AWS上の「認証」と「認可」をIAMを使用して正しく運用することで、利用者が業務に必要な範囲だけにアクセス出来るようコントロールし、セキュアな運用が可能となります。
IAMではログイン機能も簡単に実現出来る上、メールアドレスとパスワードでのログインだけでなく、FacebookやGoogleアカウントを用いたソーシャルログインも簡単に実現出来ます。
Amazon Web Serviceを利用するメリット・デメリット
Amazon Web Serviceのサービス概要について確認してきましたが、利用するメリット・デメリットについてもご紹介しておきます。
メリット
Amazon Web Serviceを利用するメリットとして「コスト削減」「管理者の負担減」「拡張性・柔軟性の高さ」が挙げられます。
コスト削減
AWSでは、ユーザーの利用分だけ費用が発生する従量課金制を採用していることから、無駄なコストが発生しにくいメリットがあります。
また初期費用なども掛からないため、使い方によっては大幅なコスト削減に繋がります。
管理者の負担減
AWSでは、ハードウェアやソフトウェアの更新はAWS側で行うため、利用者が気にかける必要がありません。
これまで管理者が行っていたアップデート作業やセキュリティ対策なども含めてAWS側が負担してくれるため、管理者の負担が減る結果に繋がります。
拡張性・柔軟性の高さ
AWSでは各種サービスのスペックを管理画面からマウス操作だけで簡単に変更することが可能です。
必要な場面で必要なスペックを手軽に用意出来るのもAWSを利用するメリットです。
デメリット
AWSを利用する上でのデメリットとして「予算が読みづらい」「ある程度知識が必要」の2つが挙げられます。
予算が読みづらい
AWSが採用する従量課金制は、コスト削減に繋がる可能性も高いのですが、定額サービスに比べ見積もりが難しくなってしまいます。
使用量に応じて費用が加算されるため、使い方によっては固定サービスを使った方が安かったということもあり得るので注意が必要です。
ある程度知識が必要
AWSは便利なサービスをたくさん提供してくれていますが、利用環境を提供してくれるだけでその後の運用はユーザーが行う必要があります。
どんなサービスを利用すれば効果的なのかなど、利用者側でもある程度の知識がないとAWSのサービスを最大限に活かすことが出来ません。
ベンダーに作業を丸投げしていたような企業の場合、AWSが作業全てを負担してくれるわけではない点に注意が必要です。
さいごに: Amazon Web Serviceでクラウドコンピューティングサービスを利用してみよう
本記事では、Amazon Web Service入門編として、基本的なサービス内容についてご紹介してきました。
AWSでは様々なサービスが提供されており、うまく活用することで従来のシステム開発よりも労力や費用を大幅に節約することが可能となります。
今後も伸びることが予想出来る分野ですので、AWSを利用したことがない方はぜひ一度お試しください。