リッチテキストって通常のテキストとどういった違いがあるのでしょうか?
表現力をより豊かにしたテキストだと思ってください。文書だけでなく、画像などを張り付けることも出来ます。
「リッチテキスト」や「リッチコンテンツ」という言葉を聞いたことがある方は非常に多いと思います。
「リッチ」とは一般には”贅沢”を表現する言葉ですが、インターネットでは主に多岐にわたる表現方法が出来る形式そのものを指します。
そこで今回は、HTMLの学習を進めるうえで度々耳にするこのリッチというワードを踏まえた形式について解説してみたいと思います。
メール形式
現代ではビジネスに置いてもメールは当たり前となっています。
今や手紙を出したりFAXを送ったりする頻度より、メールを送る頻度の方が圧倒的に高いと思います。
しかしこのメールには2種類の形式があり、この形式の違いによって出来ること・出来ないことがはっきりしています。
ここではこの形式の違いについて簡単に説明してみます。
テキスト
テキスト形式のメールはメールの基本ですが、この形式は単純に文書のみを作成し送る事しかできません。
最近ではあまり見かけないタイプのメールと思ってください。
簡単な文書だけならこれでも事足りますが、画像を送ったりすることは不可能となります。
ただし、リンクを張り付けることは出来ますので、配信サイトにアップロードした動画のURLなどは大丈夫です。
リッチテキスト
リッチテキスト形式は「テキスト+画像」のように文書とそれ以外を含めた要素で構成される形式を指します。
またテキストメールではフォントを変更することは出来ませんが、リッチテキストであればフォントやサイズなど多岐にわたり変更することが可能です。
当然表現力もテキスト形式のメールよりは格段に向上しますので、こちらを使った方がメリットは大きいといえます。
ただし、画像を張り付けたメールは容量が大きくなりますので、その辺には注意を払う必要があります。
テキスト | リッチテキスト | |
---|---|---|
形式 | テキスト | HTML |
構成要素 | テキストのみ | テキスト+画像 |
リンク | 〇 | 〇 |
フォント | 変更不可 | フォント/フォントサイズなど変更可能 |
画像 | 画像添付のみ可能 | メール内に貼り付けも可能 |
形式毎のメリット
先ほどまでしてきた説明では、リッチテキスト形式の方が圧倒的に優れているように聞こえるかもしれません。
「それじゃぁテキスト形式を使う必要はないのでは?」と思った方もいるでしょう。
しかしテキスト形式にもメリットは存在します。
そこでここでは形式毎のメリットについて説明してみたいと思います。
テキスト形式
テキスト形式のメリットは次の通りです。
- メルマガなどで使用できる
- 容量が軽いため、同時に大量の送信が可能
- 専門的な知識が全くと言っていいほど必要ない
- メールソフトによる影響をほとんど受けない(メーラーによって表示されないというようなことが皆無)
リッチテキスト形式
リッチテキスト形式のメリットは次の通りです。
- HTMLでもあるので、表現の幅が広い
- HTMLよりシンプルなため、レイアウト崩れの心配が少ない
- 装飾に富んでいる
- 開封率という点ではテキストメールより高い
使い分けをどのようにするべきか
ここまでは形式自体の説明をしてきましたが、ここからはこれらの形式の違いをどのように使い分けるべきかについて解説していきます。
個人間のやりとり
個人間のやり取りには開封率は全くと言っていいほど関係ありません。
当然知った人間から送られてくるわけですから、疑う余地なく開封されるでしょう。
こういった場合には簡単に作成できるテキスト形式で構わないと思います。
また、ビジネスで行う連絡などのやり取りは速度が重要となってきますので、これも造り込む必要のないテキスト形式が最良といえます。
イベントのお知らせや商品の宣伝
最近ではよく見かける商品の宣伝メールに使われているのはリッチテキスト形式です。
皆さんも写真が貼られているメールをよく目にすると思います。
イベントのお知らせや商品の紹介といった内容は、訴求力が大切です。
文字だらけのメールよりは、直感的にわかる写真を多用した方が圧倒的に理解してもらえます。
またリッチテキスト形式は、作り方次第ではより具体的な開封状況が確認できるというメリットがあります。
こういったことからイベントのお知らせや商品の宣伝を行う際には、特定の動作を対象としたリサーチも同時に行えるリッチテキスト形式が向いていると言えるでしょう。
メルマガ
メルマガについては難しいところですが、大量のメールを送る場合、利用しているサーバーによって一度に送信できる容量が決められていることがあります。
またリッチテキスト形式(HTMLメール)はメルマガとして配信できないなどの制限があるサーバーもあります。
メルマガについてはまず、利用しているサーバーの仕様を理解したうえで選択する方が良いでしょう。
ただしこういった問題を考える必要がない場合には、やはりリッチテキストに軍配が上がると思ってください。
メルマガの最大の目的は顧客の注意を惹くことにあります。
送られてくる側としても、文字ばかりのメールよりはデザイン性の豊かなリッチテキスト形式のメールの方が読みやすいと感じるでしょう。
また良質なデザインは時として商品を良く魅せることが出来ます。
デザイン次第では「これは良い商品かもしれない…」と思い込む傾向にあるので、こういった理由からリッチテキスト形式を選択すべきだといえます。
リッチテキスト形式(HTMLメール)のデメリット
上の解説ではテキスト形式とリッチテキスト形式、二つのメリットについて紹介してきましたが、実はリッチテキスト形式には非常に危険ともいえるデメリットも存在します。
フィッシングやウィルスによる攻撃
フィッシングやウィルスという言葉を聞いたことがあると思いますが、これは全てリッチテキスト形式でのメールを介して行われます。
先ほどから説明しているように、リッチテキスト形式というのは言い換えるとHTML自体を送ることが可能なメールです。
HTMLにはコードという概念が存在するため、ここに悪意の第三者が不正なプログラムを仕込むことで、テキスト形式では不可能だったことが可能です。
リサーチ能力も高いリッチテキスト形式ですが、こういったバグやセキュリティーホールをついた攻撃も容易に出来てしまうという特徴があります。
リッチテキスト形式を使用するということは、テキスト形式ではあまり意識する必要のなかったセキュリティやプライバシーなどの問題も意識していかなければならないこと忘れてはいけません。
受信にはHTML対応のメーラーが必要
近年ではほぼ全てのメーラーが対応していると思ってもらっても構わないと思いますが、中にはHTML形式に対応していないメーラーも存在します。
また、全ての人がメジャーなメーラーを使用しているというわけでもないので、リッチテキスト形式で作成されたメールを送る際には注意が必要となります。
未対応のメーラーにリッチテキスト形式のメールを送っても、エラーで届かないといったようなことはありませんが、張り付けられた画像は見ることが出来ません。
またメーラーによっては、未対応のためHTMLのソースが全て表示されてしまうといったこともあるみたいです。
まとめ
今回は形式によるメリット・デメリットなども踏まえて初心者の方にもわかりやすい解説が出来たと思いますが、いかがでしたか?。
HTMLの学習はこういったメールでも応用できるため、基本的な部分をしっかりと理解しておくことが非常に重要な課題となります。
この記事をしっかりと読み返して、それぞれのメリット・デメリットや使い分けの境界線を自分で引けるようにしておきましょう。