ITストラテジストは、ITと経営に関する高度な知識を合わせ持ち、企業のIT戦略の舵取りをする専門職であり、ITコンサルタントへの転職を考えている方にとっては、必須とも言える資格です。
しかし、情報処理技術者試験の中では最もレベルの高い資格であり、例年の合格率が十数パーセントと、資格の中でも取得が難しいことで知られています。その分、この資格を持っていると、転職で有利になると言えるでしょう。
なお、取得が難しいとは言っても、何か特殊な経験が必要、ということはありません。ITストラテジストの考え方を身に付ければ十分取得可能な資格です。そこで、今回は、転職に有利なITストラテジストの試験に合格する方法と、取得後の転職先の探し方のコツについてご紹介します。
IT エンジニアの中でも高収入が目指せるコンサルティングに役立つ資格を目指してみましょう。
- IPAが行う情報処理技術者試験の一つで、最もレベルの高い資格
- ITコンサルタントを目指す方に最適な資格
- 午前の試験はマークシート方式、午後の試験は記述式
- DX(デジタルトランスフォーメーション)で ITとビジネスを結びつける人材が求められれいる
- ITコンサルタントへの転職には有利な資格
目次
ITストラテジストとは
ITストラテジスト試験とは、独立行政法人・情報処理推進機構(IPA)が行う情報処理技術者試験の一つで、最もレベルの高い
資格に位置付けられています。そして、情報処理振興事業協会の公式サイトでは、「経営戦略に基づいてIT戦略を策定し、ITを高度に活用した事業革新、業務改革、及び競争優位を獲得する製品・サービスの創出を企画・推進して、ビジネスを成功に導くCIOやCTO、ITコンサルタントを目指す方に最適です。」と紹介されています。
なお、CIOやCTOの方が取得を目指す場合もありますが、ITコンサルタントとして働いている方、または、ITストラテジスト資格を取得して転職したい方などが受験している資格です。そのため、年配の方もいますが、若い方も受験している資格です。
ただし、毎年の合格者が十数パーセント台と取得が難しい資格ですが知名度は低く、この資格を持っているからといって高く評価されるとは限りません。もしITストラテジスト資格を転職に活かすなら、この資格取得者を求めている企業にアプローチしてみましょう。
ITストラテジストの資格の難易度
先ほども簡単に触れたように、ITストラテジストの資格は情報処理技術者試験の中でも難しい資格です。例えば合格率は、毎年十数パーセント台しかありません。
そして、この資格が難しいとされる理由は、午後に実施される記述式の問題と論文形式の問題です。他の情報処理技術者試験が知識を問う問題が多いのに対し、この論文形式の問題では、ITストラテジストに求められる考え方に従って、問題文を解析し、論文にまとめるスキルが問われます。このスキルは、過去の問題を暗記する程度の勉強では身につきません。
これだけ難しいITストラテジスト資格ですから、もし合格できれば、報酬の高いITコンサルタントとして十分な実力があると認められます。それだけ、転職にも有利な資格と言えます。
ITストラテジストの勉強法
転職のためにITストラテジストの資格を活用したいなら、確実に合格するような勉強をするべきでしょう。しかし、情報処理技術者試験の中でも特に難しい資格であり、試験は年1回しかありません。出題傾向に合わせて、効率よく勉強しなければなりません。
なお、ITストラテジスト資格試験は、午前はマークシートで知識を問う試験が実施され、午後は考え方を問う記述式の試験が実施されます。それぞれの試験に合わせた勉強法が求められます。次から、この勉強法についてご紹介します。
午前の試験の勉強法
ITストラテジスト資格試験は、午前に2つ、午後に2つの計4つの時間割で行われます。このうち午前中の2つは、情報処理技術者として必要とされる知識を問う、マークシート方式の問題が出題されます。
そして、ここで出される問題は、難易度が高いものの、他の高度情報処理技術者試験と同程度の問題であり、過去に出題された問題もよく出題されます。そのため、問題集で過去の問題を解いたり、参考書を読むなどして知識を増やすといった、一般的な資格試験の勉強法でも点数が取れます。ただし、出題される問題のレベルが高いので、油断しないで準備して臨みましょう。
なお、午前の問題より、午後の問題の方が頭を使います。そのため、確実に合格したいなら、午後の問題に集中しましょう。ITストラテジストは、午前の問題を免除してもらえる仕組みもあるので、うまく利用しましょう。
午後の試験の勉強法
午後の試験は記述式の問題で、ITストラテジストとしての考え方ができているかが問われます。なお、こういった論文形式の試験問題に慣れている方なら、考え方さえマスターできれば十分合格できるレベルと言われています。
もし、論文形式の試験問題に慣れていないのであれば、遠回りに感じるかもしれませんが、小論文の書き方を学ぶことをおすすめします。これは、試験時間が午後の1つめが90分、2つめが120分しかなく、小論文の構成を考えて、実際に文章を書くとすれば、時間が足りなくなる可能性が高いからです。
そして、ITストラテジストとしての考え方、つまり文章で与えられた課題を、どう分析し、さらにITを活用してどのように解決するかをまとめるスキルが求められます。ITストラテジスト試験の問題集には、考え方についても解説してあるので、実際の問題を自分で解いて、この考え方に慣れておくようにしましょう。
なお、この小論文の勉強は、理系出身のSEなどには辛いことかもしれません。しかし、コンサルタントに転職すれば、経営層へのプレゼンなどでこの考え方が役に立ちます。あきらめずに勉強して合格を勝ち取りましょう。
ITストラテジストの資格を活かした就職・転職とは
近年、ITを活用して新しいビジネスを始めたり、従来の仕事のやり方を見直す、デジタルトランスフォーメーションに関心が集まっています。しかし、ITと業務を結び付けて変革を起こしてくれる人材は不足しており、踏み出せない企業が多いのが実態です。
そして、ITストラテジスト資格を持つということは、ITを活用して事業を変革できるスキルを持つことの証明です。そのため、多くの企業では、ITストラテジスト資格を持つ人を求めています。
なお、大手の転職サイトで「ITストラテジスト」と検索すると、多くの求人がヒットします。そういった企業にコンタクトを取ってもいいのですが、求人を出している多くの企業の中から、自分に合った企業を探すのはたいへんです。
そこで転職エージェントの利用をおすすめします。転職エージェントは就職先が決まったら、就職先から報酬をもらうので求職者は無料で利用できます。また、エージェントがあなたに代わって企業に売り込んでくれたり、非公開の優良案件を持っていることもあり、さらに、履歴書や職務経歴書の添削などもやってくれます。ぜひ、メリットの多いエージェントを活用して転職を成功させましょう。
ITストラテジストを取得すると年収に影響がある?
これまでご紹介してきたように、ITストラテジストはITコンサルタントへの転職には有利な資格ですが、かなり難しく、なかなか合格できな資格の一つです。しかし、一般的に認知度は高くありません。そのため、普通の会社に勤めている方は、この資格を取得したからと言って、年収が大幅にアップすることはありません。
とはいえ、取得が難しい国家資格の一つです。ITコンサルタントとして経営者に合う場合、この資格があなたに信用を与えてくれます。そのため、ITを活用して企業の経営改革を担うITコンサルタントには、必須の資格と言えます。
もし、ITストラテジスト資格を活かして年収アップを考えているのなら、この資格の価値を認めてくれる会社へ転職しましょう。なお、ITコンサルタントの年収は、2014年度のデータによると30代で635万円、40代で820万円もあります。さらに、フリーランスとして独立すれば、1000万円を超える年収も夢ではありません。
資格取得も一つの手!
情報処理技術者試験の中でも合格するのが難しいと言われているITストラテジストですから、この資格を持っていれば、有能なITコンサルタントの証明になるでしょう。さらには、そういった社員を抱えていることは、会社にとっても大きなメリットです。そのため、ITストラテジストの試験に合格すれば、有利な条件で転職できます。
もし、システムエンジニアからITコンサルタントへのキャリアアップを目指しているなら、ITストラテジスト試験への合格を目指しましょう。また、文系出身のシステムエンジニアでも、経営学を学んだ方であれば合格できる可能性があるのでチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
なお、ITストラテジストの試験に合格するには、午後の小論文の出来栄えにかかっています。そしてこれは、漠然とした課題をITの力で解決する企画書を作るのと同じ作業です。ITストラテジストの試験勉強を通じて、ITコンサルタントとしてのスキルを磨き、自分が納得できる転職を達成しましょう。
ITストラテジストは座学の知識だけではなく、実務経験おけるプロセスを含めた知識も必要とされます。未経験エンジニアが目指すにはハードルが高い面もあるため、まずは基本的な IT スキルを身につけ IT企業で実務を経験し、ITストラテジストを目指すのもよいでしょう。
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まとめ
ITストラテジスト試験の概要や、資格取得のために必要な勉強法などについて解説してきました。政府が後押しする DX において、IT を単なるコスト削減のツールではなく、企業のビジネス改革に繋げられる人材が求められています。
ITストラテジスト試験は、まさに DX化推進の力を証明する資格となるため、コンサルティング業務を目指す方なら取得を目指してみてください。