AWS(Amazon Web Service)のEC2の料金についてまとめています。
AWSのEC2料金方式は4種類 予約や先払いで割引あり
Amazon EC2の利用方式には4種類があります。
- オンデマンド
- スポット
- Saving Plans
- Dedicated Hosts
オンデマンドインスタンスは、実行インスタンスに応じて、時間あたりの料金が発生する従量制です。契約期間の縛りや前払いは不要で、アプリの需要に応じて計算能力のスペックを自在に増減できます。支払いは、指定された時間料金の支払いのみとなります。
一定以上の利用が見込まれる場合はオンデマンドは割高になります。1年以上の利用を予定している場合は、Saving Planを検討しましょう。
オンデマンドインスタンスは、以下のような場合にお奨め。
- 前払い、期間契約をせずにAmazon EC2 の低コストや柔軟性をメリットと考えているユーザー
- 一時的な要求スペックのスパイクがあるような、予測不能な作業負荷が発生しても中断できないアプリケーション
- 初めて のAmazon EC2 で開発またはテストで、必要スペックの見積もりができないアプリケーション
スポットインスタンスは、オンデマンド価格から最大 90% 割引で使用されていない EC2をリクエストできます。AWSで余剰のEC2インスタンスを安く使えるんですね。スポットインスタンスの価格は、ユーザからの入札価格で価格が変動します。リクエストが多いとインスタンスの実行が途中で停止する可能性もあるため、メインではなく補助的なインスタンスとして使うのが良いでしょう。
スポットインスタンスは、以下のような場合にお奨め。
- 開始時間、終了時間が柔軟なアプリ
- 低額なコンピュート価格でのみ運用できるアプリケーション
- 大容量の追加キャパのために、緊急でコンピュート機能が必要な場合
Savings Plansは、長期契約を結ぶ代わりに使用料金が割引されるプランです。具体的には、1年~3年で一定のコンピューティング使用量を契約します。その代わり、EC2、Fargate利用料金が安くなる価格モデルです。全額前払い、一部前払い、前払いなしの支払いが可能です。全額前払いを選ぶと、料金が安くなります。
例えば、a1.medium の Linuxインスタンスを1つ利用する場合、オンデマンドだと毎月の支払いが18.67ドルで1年間だと224.04ドルなのに対し、1年間前払いだと131ドルになります。オンデマンドに比べて1年前払いの方がコストを約58%に抑えられる計算になります。
ある程度の運用実績があり、将来使用するコンピュート容量が予測できる場合に有効です。
Dedicated Hostsは、ユーザ専用の物理 EC2 サーバーです。Dedicated Hostsを使用すると、物理サーバー限定のソフトウェアライセンス (Windows Server、SQL Server、SUSE Linux Enterprise Server など) を使用できるので、ソフトウェアライセンスコストの削減に役立ちます。
Dedicated Hostsは、オンデマンド (時間単位) で購入可能。予約購入することで、オンデマンド価格から最大 70% 割引となります。オンデマンドでの長期利用は高くなりすぎるので、予約購入&先払いで割引価格で利用するのが良いでしょう。
例えば、i3タイプのDedicated Hostをオンデマンド使用すると、月の料金は4,421.37ドルになります。AWSサポート(ビジネス)が含まれます。
Amazon EC2の使用時間の請求の注意点
Linux、Windows、SQL Server、Ubuntu で起動したインスタンスは、1秒毎に料金が請求されます。他のタイプのインスタンスは、1時間以下のインスタンス時間は1時間とみなして請求されます。そのため、例えば1秒だけ実行したインスタンスが1時間利用したとみなされるんですね。新しいインスタンスが起動され、インスタンスが実行中状態になるたびに、最低 1 時間の料金が請求されます。
関連)Amazon EC2 インスタンスの使用時間の請求について理解する
インスタンスが秒単位で請求される場合は、最低時間が設定されていて、インスタンスを起動して実行中の状態になるたび、最低 60 秒の請求が発生します。再起動中も「実行中」として時間料金がカウントされます。その他の状態のインスタンスに対しては課金されません。
AWS公式見積りツール
AWS公式見積りツールを使って、EC2インスタンスの数やスペック(タイプ)、データ転送量、料金オプションを選ぶと、毎月の支払いの見積もりが可能です。EC2以外のAWSサービスに対しても料金見積もりができます。
関連)Amazon Web Services Simple Monthly Calculator(AWS公式の見積もりツール)
具体的に月の支払いはいくらになるのかを知りたいときに便利です。
公式のツールではありませんが、日本円でEC2やその他のAWSの料金を知りたいときに便利です。公式の見積もりツールよりも入力項目が簡略化されていて、素早く概算を出したいときに使えそうですね。
関連)EC2の料金を日本円でざっくり計算 | ざっくりAWS
AWSのEC2料金 無料枠
AWSの初回利用時にはEC2を一定期間、規定のコンピュート時間まで無料で使用可能な「無料枠」が設定されています。
EC2の無料利用枠は、12 か月間無料。Amazon EC2を750 時間/月まで利用可能です。なお、無料枠で使用可能なインスタンスは決められており、Linux系とWindows系の以下の2つとなっています。
- リージョンに応じて、750 時間/月の Linux、RHEL、SLES t2.micro または t3.micro インスタンス
- リージョンに応じて、750 時間/月の Windows t2.micro または t3.micro インスタンス
よくある質問に「無料利用枠を使用していますが、請求がきました。なぜですか?」とありました。
可能性としては、無料利用枠対象外のAWSサービスの料金が使用されたか、EC2を使用時に「t2.micro または t3.micro インスタンス」以外を使用した可能性があるというんですね。例えば、Amazon EC2 t2.small インスタンスを実行すると課金されますし、無料枠対象外のAmazon Auroraなどのサービスを利用しても課金されます。
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AWSの使用状況を確認するには、AWSアカウントにログインし、Billing & Cost Management ダッシュボードを確認しましょう。
AWS EC2料金のまとめ
- AWS EC2料金は、オンデマンド、スポット、Saving Plan、Dedicated Hostの4タイプで異なる
- AWS EC2の料金見積もりは、AWS公式見積りツールを使って計算が可能
- AWS EC2にはAWS初回12ヶ月間無料枠があり、指定のインスタンスに限り月750時間無料使用が可能