本記事は、AWS公認の認証資格であるAWS認証のうち、役割別認定の「アーキテクト」の役割にあたる「AWS認定ソリューションアーキテクト認定」について、興味のある方から実際に受験をする予定の方を対象にしています。それでは、AWS認定ソリューションアーキテクトの概要から、実際に取得するとどのようなメリットがあるのか、おすすめの勉強方法や合格率等について解説します。
AWS認定ソリューションアーキテクトとは
AWS認定は、AWSに関する技術的スキルと専門知識を証明することのできる、アマゾン ウェブ サービス(AWS)の公式認定資格です。
AWS認定の種類は全部で9種類あり、役割別認定の6種類と専門の3種類からなります。AWS認定ソリューションアーキテクトはこのうちの「アーキテクト」の役割別認定にあたり、レベルごとに「アソシエイト」「プロフェッショナル」の2種類の認定が存在します。
役割別認定には「クラウドブラクティショナー」「アーキテクト」「開発者」「運用者」があり、そのなかの「アーキテクト」は、AWS上で動くアプリケーションの構築~デプロイを行う役割を担います。
(出展:認定のロードマップ)
受験者に求められている知識
AWS 認定ソリューションアーキテクトのアソシエイト試験は、ソリューションアーキテクトの担当者を対象にしています。求められている知識としては、下記の2点になります。
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- 顧客の要件に基づいて、AWSのアーキテクチャ設計原則に沿ったソリューションの要件定義ができること
- プロジェクトのライフサイクルを通して、ベストプラクティスに基づく実装ガイダンスを組織に提供できること
AWS 認定ソリューションアーキテクトのプロフェッショナル試験は、AWSプラットフォームでの分散されたアプリケーションとシステムの設計におけるより高度な技術および経験を認定するものです。求められている知識としては、下記の点になります。
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- AWS上のアプリケーションの動的な拡張性、高可用性、高耐障害性、信頼性の設計およびデプロイ
- 要件に基づいてアプリケーションを設計およびデプロイするための、適切なAWSサービスの選択
- AWSでの移行
- AWSにおけるエンタープライズ全体のスケーラブルな運用の設計およびデプロイ
- コストコントロール戦略
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アソシエイト試験よりプロフェッショナル試験は高度なものになり、技術知識はより専門的になるとともに、経営の視点からコスト意識を持って捉える能力が必要になります。
受験の流れ
試験の申し込みは、下記のサイトの「」ボタンから行います。
AWS認定アカウント
試験は、テストセンターで自分の好きなタイミングで受験できます。申し込みを行った試験場所と時間をよく確認して、試験を受けてください。
おすすめの勉強方法
AWSクラスルームトレーニング
AWSの正しい知識をつける公式の学習方法の一つとして、クラスルームトレーニング(集合研修)があります。
AWSトレーニングクラス
料金は1クラスで数十万円ほどで、期間は1日~3日にわたるものが多いです。開催場所については日本では東京での開催がほとんどです。企業の推薦や補助が出る場合は積極的な活用をお勧めしますが、個人で受ける場合は制約のハードルが高いと感じるでしょう。個人でもこれらの制約が気にならないのであれば、集中して質の高い教育を受けることができるため、クラスルームトレーニングで効率的に学習することができます。
サンプル問題
ソリューションアーキテクトでは、下記URLの「試験を選択する」から対象の認証の種類を選択し、サンプル問題をダウンロードすることが出来ます。
サンプル問題
選択後、「ステップ 2: 試験ガイドとサンプル問題を確認する」で、「サンプル問題」のリンクがありますので、そこからPDFをダウンロードしてください。
本試験より問題数は少ないですが、問題の形式や出題内容等を確認することができます。トレーニングクラスや公式ドキュメント等でAWSのサービスに関する知識を取得した後に解いてみて、もしわからない問題や自信のない問題が出てきた場合、学習の足りていない分野として特定することができます。
ホワイトペーパー
下記の「AWS ホワイトペーパー」は、AWSのエコノミクス、セキュリティ等のトピックを扱う技術的なホワイトペーパーが集められ、リスト化されたAWSの公式ドキュメントです。
AWS ホワイトペーパーホワイトペーパーは、これまで学習してきた内容の再確認や復習として活用することができます。ある程度AWSのサービスや考え方の知識を習得した後に、学習の仕上げとして利用しましょう。英語の資料が多いですが、日本語の資料もあります。英語の読解に苦手意識がある方は日本語の資料の読み込みをすると良いでしょう。
模擬試験
こちらもAWSで公式に用意されている模擬試験で、料金は日本語版で2,000円(税別)です。時間と問題数が本試験より少ないですが、サンプル問題+模擬試験で問題の傾向や範囲を確認しておく方が良いです。模擬試験の購入で、好きな環境から好きなタイミングで受験できますが、制限時間があり、かつ1回の申し込みで問題を見られるのは1回のみになります。模擬試験を復習に使用するするために、画面のキャプチャを取得する準備をしておくと良いです。キャプチャを元に解けなかった問題を確認することで、自分の理解していない範囲を確認することができます。
すでに他の認証を取っている場合に、模擬試験のバウチャーを使って次回の試験の模擬試験を無料で受けることができます。
参考書
合格対策 AWS認定ソリューションアーキテクト – アソシエイト
AWS認証に特化した参考書はほとんどありません。
AWSのサービスはサービスの追加や更新の頻度が高いため、書籍化や書籍化した後の内容更新の頻度が追いつくのは難しいと考えられます。そのため、全サービスを網羅した内容の書籍化するのは敷居が高く、参考書の出版には向かない認証となっています。
ただ、基本的なAWSのサービスについて、AWS初学者にもわかりやすく記述されており、学習のとっかかりとして活用するのに適した教材といえます。参考書でAWSのサービスの概要を理解したところで、公式資料等から最新サービス等の情報を拾っていく流れで学習すると良いでしょう。
どれくらいの勉強期間が必要か
勉強時間については個人差がありますが、業務での経験がある場合は数日見直しただけで取得できることがあります。ITエンジニアでAWSが完全に未経験の場合では、業務の合間を縫って最短3週刊~の勉強を要します。
さらにネットワーク、セキュリティの基礎的な知識がない場合では倍の時間がかかるでしょう。
試験概要
AWS認定試験は情報処理技術者試験のように年に決まった日程で試験開催されるわけではありません。テストセンターで自分の好きなタイミングで受験できます。
料金は日本語版で税別15,000円です。試験時間については認定の種類によりますが、1、2時間程度です。
まとめ
本記事は、AWS公認の認証資格であるAWS認証のうち、役割別認定の「アーキテクト」の役割にあたる「AWS認定ソリューションアーキテクト認定」について、試験で求められる知識の開設や、勉強方法等を解説してきました。
AWS認定ソリューションアーキテクトの試験では、AWSのアーキテクチャ設計原則を理解したうえで、顧客の要件に基づいて提案できる能力が試されます。アソシエイト試験よりプロフェッショナル試験のほうがより高度になり、プロフェッショナル試験では専門的な技術知識が必要となるとともに、コスト面からのアプローチもできる能力が必要になります。
AWSの設計ルールを理解した提案の出来るエンジニアを目指して、AWS認定ソリューションアーキテクトの取得を目指してみてはいかがでしょうか。