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社内SEの求人は競争率が高いです。そんな中でどのように転職理由を書けば良いか悩む方も多いでしょう。ここでは社内SEの転職理由について取り上げます。

社内SEの魅力

残業が少ない

SE職が社内SEに憧れる最大の理由です。SEはモノ作りの仕事でそれには納期が付いて回ります。納期近くになると残業に次ぐ残業、休日出勤の上更に残業ということもあり、その度に生活バランスが大きく崩れます。案件が重なるとこの状態が恒常的に続きます。

どのくらい厳しいのかというとプログラマーやSEは「35歳定年説」があり、これは体力的にも精神的にも35歳程度までしか仕事が続けられないということです。この説を裏付ける証拠としてコンピューターシステム開発を専門で請け負う会社は少子高齢化が嘘のように平均年齢が若い社員で構成されています。この納期間際の激務の業務改善を行っている企業も増えつつありますが、そういった企業はまだ全体で見れば少ないのが現状です。

これに対し社内SEが開発するのは自社のシステムなのでスケジュール面で恵まれており、設計面でもそれを使う部署の社員との入念な打ち合わせの上で練られたシステム設計なので、製造途中の仕様追加や変更といった残業の発生源となる手戻りが少ないのも魅力的です。スケジュールに余裕があるので更に技術的に完成度の高いシステムを目指すことも出来ますし、十分な試験期間も確保出来るので安定性の高いシステムが開発できます。

上流からシステム設計が出来る

大規模なシステムになるとその上流工程の設計を行うのは大企業の年収1000万円を超すエリートSEといったごく限られた人達の仕事になるのですが、社内SEは社内システムの上流工程から企画・設計を行うのでモノ作りの醍醐味を実感できます。これはSEの多くが本来思い描いていた仕事と現実が違うことへの憤りから社内SEを目指す原動力にもなっています。大半のSEは大規模システムの一部パーツを作るに過ぎず、その全体像を把握することさえ困難な状況で製造工程を進めていることも少なくないのです。

他の社員から頼りにされる

社内SEは自社の社員が使うPCや社内ネットワークや自社サーバーといった自社の情報インフラについて全て責任を負います。SEとしての業務以外にも社内で起こる「PCが動かなくなった、直して」「社内ネットワークに繋げなくなった、直して」といったトラブル解決や、各社員のPCのメンテナンスや企業情報のバックアップといった保守業務も行います。このため「PCのトラブルなら彼に任せておけば大丈夫」と何かと頼りにされます。これは責任のある仕事ですがそれと同時にやり甲斐のある仕事です。

コンサル的な意見を求められる時もある

企業の経営資源を「人・モノ・金・情報・時間」とするなら、その内の「情報」に関しては社内SEが担っていることになります。このため経営サイドの人間から意見を求められることも実は少なくありません。社内システムを構築する関係上社内業務の多くを社内SEは熟知しており、社内の情報インフラの内容を社内SEは知っているので、会社の経営者ですら知らない情報を社内SEが持っているからなのですが、この情報面で経営者から当てにされ本来のSEとしての業務とは関係のない自社のコンサルティング業務の様な仕事が回ってくることもあります。

考えてみれば社内システムを開発するということは業務改善を行う具体的な手段として用いられるので、この点でも社内SEが頼りにされていることの表れでもあります。

定年まで働ける

SEの収入は職種全般から見れば高い位置をキープしているのですが、それには過剰な残業が付いて回ります。健康面での不安もありますし体力的に将来もこの仕事を続けていけるのかといった漠然とした不安が付いて回ります。

それに対し社内SEは残業がほとんど無いので一般的な社会人としての生活が可能です。家族と一緒に夕食を過ごすことも可能ですし、休日には子供とキャッチボールをすることも可能です。未婚者なら業務終了後に婚活に打ち込むことも出来ます。何より定年までその会社で働いていける可能性が出て来ます。

社内SEはSEとして見ると給与は平均的ですが、長期に渡り同じ職場で働ける可能性が他のSEよりも遥かに高く、元々SEは職業全般から見ると高収入の部類なので、高い収入をキープしたまま定年を迎えるという人生設計が出来るのです。これは多くのSEにとって何にもかえがたい魅力なのです。

社内SEへの転職理由の書き方ポイント

採用担当者の立場に立って転職理由を考えましょう。社内SEの場合これはそんなに難しくありません。SEからの転職希望者であれば社内SEへの転職理由を表裏無くそのまま書けばほとんどの場合納得してもらえるでしょう。問題となるのは前職をあまりに短期間で辞めてしまった場合です。これは採用担当者から大きなマイナスとして見られます。なぜかというとその人を採用しても短期間で辞めてしまっては採用に費やした手間やコストが全て無駄になるからです。第二次新卒者の場合も同じです。ストレス耐性が無いとも判断されるので、転職理由については言葉を選び慎重に書くことが必要になります。

また採用担当者は転職理由からその人の仕事に対する姿勢や考え方を読み取ります。その人が何を重要に感じて仕事に取り組んでいるのか? その人は自分の人生において仕事をどのように考えてているのか? といったことを採用担当者は読み取り選考の基準にします。

例えば大した業務実績や成果が無いにもかかわらず「新しいことに挑戦したい」と書いても採用担当者は納得せずに、単に移り気なだけで忍耐力に欠けると受け取ります。これと全く逆に「やれる仕事は全て成し遂げたので次のステージへステップアップしたい」ということが転職理由として書けるのであれば、採用担当者も好意的に受けとめるでしょう。

厳しい言い方をすると、転職理由は自分に非があり転職する場合採用担当者には認められないケースが多いです。これはその人の人生観や仕事に対する考え方が入社基準に合わないと判断されるからです。どの会社も仕事に対して熱意を持って取り組む人材を求めています。些細な事で会社を簡単に辞められては採用する側も困るのです。この場合は転職理由を考える以前の問題として、自分の生き方や仕事に対する取り組み方について根本から見直す必要があります。

この様に転職理由についてはそれまでの職歴も合わせて対象となるので小手先だけの文章力や理由説明ではどうにもなりません。正当な理由があり転職するという確固たる理由付けが必要であり、その為に今までどのように仕事に取り組んできたのかということが問われます。先にSEからの転職希望者であれば社内SEへの転職理由を書くのは難しくないと述べましたが、SEとして長年業務に携わり厳しい激務に耐えたのであれば社内SEとしての人材要求は十分満たしておりトラブルに直面しても自力で突破するバイタリティも根性も持っており社内SEとしても前向きに不足なくやっていけるので転職理由を書くのは難しくないのです。

前職退職の理由を転職の理由に置き換えるとか文章テクニック的な事柄を述べるサイトもありますが、転職理由に関しては職務経歴と合わせて見られるのであまり意味がありません。例えば「新人からバリバリ働きたいからこの会社を志望したのにそれが叶わないので転職した」という理由ですと、「そもそもバリバリ働けるだけの業務知識が新人にあるのか?」「新入社員教育課程を飛ばしていきなり現場に出て仕事が出来るのか?」という懸念にも繋がります。実際に若手でも成果があり、それが会社に認められなかったのが不満というのであれば転職理由として相応しいですが、そういうこともなかなか無いです。新人は先輩から仕事を分けてもらい、そこから自立するというのがSEに限らず他の業種でも一般的です。

これはNG!転職理由の注意点

上手な文章を書こうとするあまり、本来自分が言いたいことが書けなかったりするのは良くありません。ただ「今までの激務から開放されて自由な環境で楽にシステム開発を行いたい」と書くのもあまりに直球すぎるので今一度内容を吟味しましょう。SEならば論理的な思考が出来るはずなので、感情的な文面は避けてあくまで論理的に「……この様に様々な事柄から御社の社内SEとして働くことが自分にとって最適な判断という結論に達し転職を希望しました」という風に結び、そこから転職理由の文面を書くと書き易いです。転職に対する熱意を伝えるのは志望動機や自己PRに集約すると書きやすいですし、読む方も分かりやすい文章体系になるでしょう。

転職理由例文

私は長年に渡りコンピューターシステム開発会社でSEとして多数のシステム企画・設計に携わってきました。チームリーダーとしてメンバーの進捗管理や仕事の割り振りなども行ってきました。しかし残業に次ぐ残業、休日出勤は当たり前という労働環境ではいずれ体を壊しこの会社で定年まで働くことは困難ではないかと感じ、労働環境の安定しているSE職を求め御社の社内SEの求人に応募することを決意しました。私はSE職が好きで定年になるまでSE職で働きたいのです。しかし今自分が置けれている状況を鑑みるとこの会社ではそれを実現できそうにありません。元々御社のサービスには興味がありそのサービス内容もよく知っております。自分自身も御社のサービスをよく利用します。そこで御社の社内SEに転職することが自身の人生設計に有効であると考え転職を決意しました。

これで転職理由はばっちり!

転職理由というのは実は繊細です。職歴とも密接な関係にあります。転職するにあたっては前職の経歴は当然見られますし、転職理由でその人にとって仕事の何が重要か、その人の人生にとって仕事とはどのようなものなのかということが転職理由から分かってしまうのです。書くに当たってはこの点に注意しましょう。

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