社内SEには未経験でもなれるのでしょうか?ここでは社内SEに未経験でもなれる方法について分析してたいと思います。
目次
今社内SEがおすすめの理由
SEは納期間際の過酷な労働がよく話題とされます。これはSEがモノ作りの仕事であるが故、宿命のようなもので仕方のない面もあります。しかし社内SEはこういった過酷な労働を強いられる事はほとんど無く、理想的な環境で仕事が出来るというのが現職SEから絶大な人気を得ている主な理由です。いくら自分がなりたかった職であっても残業に次ぐ残業、休日出勤の連続では健康面にも悪影響がありますし、精神的にも追いつめられた状態での仕事になるので長続きしないこともあります。
ワークバランスが崩れやすいのがSE職の大きな欠陥でもあるのです。1990年代末には人気職だったプログラマーやSEといった職が2000年代になると途端に不人気になってしまったのはこういった背景があります。現在大企業を中心に業務改善が進んでいるものの、まだまだ多くの中小企業ではSEの激務が続いている状態です。
しかし社内SEはこの懸念が少ないのが特徴です。社内SEが扱うのは自社のシステムで社内で開発します。自社の為になるのはやりがいがありますし、上流からの設計開発になるので本来のSEの仕事の面白味もあります。このような要素が重なり今社内SEは大変な人気で、競争率は高くおすすめの仕事になります。
社内SEになるメリット・デメリット
メリット
社内SEのメリットとして挙げられるのが、他の職種のエンジニアと比較して期限やスケジュールの厳しい納期を要望されることが少ない点です。そのため長時間労働にはなりづらいです。
また一つのシステム開発の設計、運用、保守対応などをプロジェクトとして進めることも多いため、中小企業などであればすべてのシステム開発や構築に必要な工程を習得することが可能です。
プロジェクトマネージャーを目指している人、将来的にはCIO、CTOを目指している人にも社内SEという職種はキャリア構築のうえでメリットが大きいです。
デメリット
社内SEとして働くデメリットは開発・構築したシステムにサイバー攻撃などトラブルがあった時、業務時間外であっても対処のために働かなければいけない点です。
また社内SEは必要なIT技術の習得にプロジェクトを進行させるマネジメントスキル、コミュニケーション能力など様々なスキルを必要とされます。なので学習する習慣を継続させ、日々自分の能力を成長させる必要のある、高度な能力を必要とされる職種であるともいえます。
休日も社内SEに関連する知識などを学習する必要があるため、勉強が好きではない人にはデメリットといえる点です。
未経験でも社内SEとして転職できるのか
未経験でもできる
業務経験が未経験でも社内SEに就職、転職をすることは可能です。
なぜなら今はSEだけではなくIT人材全般が深刻な人手不足の状態だからです。そのため研修に時間や費用を割いてでも人材を確保したい企業が多いのが実情です。
ただし企業内の別部署から社内SEへの異動を希望する人は多く、社内SEは競争率の高い職種といえます。そのため未経験で就職、転職を成功させるためにも必要なプログラミング言語の習得など独学などでスキルを磨いておくことをおすすめします。
何歳までなら転職できるのか
実務経験が未経験の状態で社内SEの就職、転職を成功させるのは何歳までなら間に合うのでしょうか。
社内SEに未経験で採用してもらう場合、30、40代よりはやはり20代が有利です。20代であれば未経験から働きはじめても長期的に見て活躍できる時期が長いため、企業も積極的に採用します。
30代、40代で社内SEに就くにはマネジメント経験やエンジニア経験など、社内SEで活用できるスキル・能力を持っていることが有利に働きます。また転職、就職活動をしながら社内SEに必要な知識、技術の学習をするのも成功させるコツです。
未経験の場合にできる転職対策・心がけ
転職に際して覚悟することは、社内SEの求人は応募数が多く競争率が高いということです。また応募してるのは現職、または前職SEという人達なので、その中から最終選考まで残り入社を勝ち取るのは非常に厳しいです。学歴やそれまでの職歴も見られますし、年齢や転職歴も見られます。特に大手企業ではこれらの要素が重要視されるので、この部分でマイナス要素があると大手企業への社内SEの転職は難しいです。
今から出来る対策は情報処理技術者試験を受けて未経験ながらも高い技術力を持つことをアピールすることです。しかも「基本情報処理技術者」や「応用情報処理技術者」は多くのSEが持つ資格なのでそれより上の「プロジェクトマネージャー」や「ネットワークスペシャリスト」といった資格が望ましいでしょう。これらの資格は合格率15%程度と難しい試験なのですが、それだけに持っている者は限られます。転職の際には大いに役に立つでしょう。
おすすめの資格
基本情報処理技術者試験
「基本情報処理技術者」とは経済産業省が主催している国家試験である情報処理技術者試験のうちの区分の一つです。こちらの試験は社内SEに必要とされるコンピューターシステムの開発と運用、ネットワーク、データベース技術などに関する問題が出題されます。
基本情報処理技術者試験の場合プログラミング言語やサービスマネジメントの問題なども出題されるため、出題される問題の範囲は広いです。
応用情報処理技術者試験
「応用情報処理技術者試験」は数年の経験を積んだエンジニアやSE向けの、経済産業省がおこなう国家試験の情報処理技術者試験の一区分のです。
応用情報処理技術者試験ではシステムの設計、開発、運用に関しての知識、技能に関する問題が出題され、選択式の問題と記述式の問題が出題されます。こちらの資格は3年以上実務経験のある社内SEなどにおすすめの資格です。
プロジェクトマネージャー試験
「プロジェクトマネージャー試験(PM)」は情報処理技術者試験の一区分です。そして試験制度のスキルレベルは一番高い4となっており、高度情報処理技術者試験にあたります。
プロジェクトマネージャー試験を受験する対象者はシステム開発計画を円滑に運営する責任者、つまりプロジェクトマネージャーの業務をおこなう人です。プロジェクトの進行、管理などをおこなう社内SEの人におすすめの資格です。
ネットワークスペシャリスト試験
「ネットワークスペシャリスト試験」は情報処理技術試験の一区分であり、試験制度のスキルレベルは4に設定されており、難易度の高い試験です。
ネットワークスペシャリスト試験の対象者はネットワークの設計担当者、管理責任者です。なのでネットワークの設計、管理を行う社内SEの人に受験をおすすめしたい資格です。
未経験OKの社内SE求人の探し方
転職エージェントを利用
料金は求人を募集している会社持ちなので転職希望者は一切お金はかかりません。また履歴書の添削や面接の対策など就職に関する一連の流れをサポートしてくれる大変有効なサービスです。主なサービスは転職希望が履歴書・職務経歴書をエージェントに渡し、希望の職種、勤務地、待遇、給与などを伝えるとエージェントが希望に沿ったかたちで会社を探してくれます。一番おすすめの方法です。転職エージェントは人材紹介会社のサービスの1つで、求人を募集している会社と転職希望者の間を取り持つ役目をします。
転職求人サイトを利用
転職求人サイトは沢山有るのでその中から探すのは大変ですが、可能な限り多くの求人を見るようにしましょう。また社内SEを募集している企業はIT業界に限らずあらゆる業種で募集があります。業種を絞らずに幅広く探すのが良い求人に巡り会えるコツです。転職求人サイトで「社内SE」を検索し、どのような求人があるか調べ気に入ったら応募してみましょう。
ハローワークを利用
気に入った求人があれば求人番号をメモし、最寄りのハローワークに相談しましょう。また現在ではWEBサービスも行っており他の転職求人サイトと同じような使い方も出来ます。意外と知られていないのが、ハローワークは在職中でも利用できます。またハローワークの求人票は書式が決まっているので、求人の比較が楽になっています。
紹介予定派遣で正社員を目指す
紹介予定派遣とは派遣社員として一定期間働いた後、正社員として採用してもらう仕組みです。注意点は会社の求める技術レベルに達していなかったり素行不良などがあると正社員には採用してもらえない場合があります。通常の派遣ともまた違うので、紹介予定派遣を希望する際は派遣の内容をよく確認しましょう。
ヘッドハンティングされる
自分で行うのは履歴書、職務経歴書、自己PRの登録だけなのでお手軽ですが、スキルや実績がないとなかなかスカウトされないという事態になります。転職求人サイトで行っているサービスのひとつで、履歴書、職務経歴書、自己PRなどをレジェメとしてサイトに登録しておくと企業側がその内容を閲覧し、気に入った人材がいる場合には企業の方からスカウトが来る仕組みです。30代以上のスキルと実績のある方が多く利用するサービスです。
フリーペーパーを利用
WEBには掲載のない求人も多いのですが社内SEを必要とする規模の会社が少ない地域ではそもそも求人がないという場合があります。フリーペーパーは地域に密着した求人が多いのが特徴です。フリーペーパーの種類によっても業種に偏りがあるので見る際には注意しましょう。
未経験からでも頑張ろう!
いかがでしたでしょうか? 社内SEは残業があまりないのでワークバランスを崩しにくくSEにとって理想的な環境が整っており非常に人気の高い職種です。競争率も高くその内容はSEからの転職が多いです。SE未経験からの転職は厳しい状況ですが「プロジェクトマネージャー」や「ネットワークスペシャリスト」といった一般SEがあまり持っていない難易度の高い資格を持っていると技術アピールの役に立つでしょう。
未経験からでも社内SEへの転職を目指してみましょう!