AWSのストレージについてまとめています。
AWSのストレージ系サービスの紹介
Amazon EBS (Elastic Block Store) ローカルディスクとして使える
Amazon EBSは、EC2インスタンスのローカルディスクとして使えるブロックストレージサービスです。オンプレミスでの移行ではSAN(Strage Area Network)の代わりとして採用されるケースが多いようです。
【関連記事】
▶AWS EBSは、EC2ブロックストレージボリューム 暗号化やスナップショットも可能
高速アクセスが要求されるSAP、Oracle、Microsoft製品などのアプリケーションなどに最適。同一アベイラビリティゾーンでのレプリケーションを含む99.999%の可用性も備えています。ストレージの種類は、最速のIOPSとスループットを実現するハイパフォーマンスタイプから、GBあたりのコストを抑えたタイプなどが選べます。
暗号化やスナップショットにも対応しています。特に、「ブロックストレージ」のため、指定した時点の断面イメージをスナップショット保存したいという要件がある場合には最適です。
【関連記事】
▶AWSのスナップショットの作成と復元 EC2ルートボリュームを無停止復元
ただし、Amazon EBSは複数アベイラビリティゾーンにまたがるような冗長性は備えていません。あくまで可用性の高いローカルディスクという扱いで、拠点がまるごと停止するようなケースでは、サービスが停止するんですね。
Amazon EFS(Elastic File System) NAS型ファイル共有ストレージ
Amazon EFSは、サーバ間のファイル共有に最適なNAS(Network Area Storage)のようなサービスです。
【関連記事】
▶AWS EFSは、EC2用クラウドファイルシステム 伸縮自在で低頻度領域のコスト節約が可能
ファイルの追加や削除に応じて、ファイルシステムを自動的にスケールできるのが特徴。必要に応じ、高スループットレベルにバーストします。複数のアベイラビリティゾーンに冗長保存される高可用性と、99.999999999%(イレブンナイン)の耐久性を実現できるように設計されています。アクセス頻度の低いファイルを低コストのストレージに移動することで費用の節約をする機能もあります。
Amazon EFSは、一般的なNASと違い、1~数千のAmazon EC2インスタンスからの同時接続にも対応しています。ペタバイト規模の大容量データも保存可能です。
Amazon EFSは、複数のアベイラビリティゾーンで冗長的に保管されるため、拠点まるごと停止するような障害でもサービス継続が可能です。この点は、Amazon EBSとの大きな違いですね。
Amazon S3 シンプルなオブジェクト型ストレージサービス
Amazon S3は、オブジェクト単位でデータを格納できる、低コストなストレージサービスです。
【関連記事】
▶AWS S3ってどんなサービス?初心者向けに機能紹介
拡張性、データの可用性、パフォーマンスの高さを備えており、小規模から大容量データまであらゆるタイプのデータを保存するデータレイク、データのバックアップやスナップショット用エリアとして利用することができます。
Amazon S3は「バケット」というフォルダのようなものを設定して、階層構造なしでフラットにオブジェクトを保存する構造。Windowsのファイルシステムのような階層が作れないので、人間が直接Amazon S3を使ってファイルを管理しようとすると使い勝手が悪いかも知れません。あくまで、AWSサービスと連携して、様々なタイプのデータを格納できる低コストなストレージサービスと考えておくと良いでしょう。
Amazon FSx 人気のファイルシステムのAWS版
NetAppやWindowsファイルサーバーなど、広く利用されているファイルシステムをAWS上で利用することができるサービスです。具体的には、以下の4つのファイルシステムから選択が可能です。
- Amazon FSx for NetApp ONTAP
- Amazon FSx for OpenZFS
- Amazon FSx for Windows ファイルサーバー
- Amazon FSx for Lustre
それぞれのファイルシステムは完全互換のフル機能で提供されています。AWSならではの複数のアベイラビリティゾーンで自動複製する高い可用性と、メンテナンス不要のフルマネージドサービスとなっています。
例えば、Amazon FSx for Windows ファイルサーバーは、単純にファイルシステムの互換性があるだけではなく、Windows ファイルサーバが持つMicrosoft Active Directoryとの連携も可能。グループポリシーによりアクセス権限の設定なども可能です。AWS内で稼働するWindowsファイルサーバーそのものとして扱うことができるんですね。
そのため、WindowsファイルサーバーやNetAppなどをオンプレミスからAWSへ移行する際に、オンプレの使い勝手そのままでAWSに持ち込めるため、最適なサービスと言えます。
AWS Storage Gateway オンプレからクラウドストレージを利用
AWS Storage Gatewayは、オンプレミスからクラウドストレージを利用するためのサービス。ローカルキャッシュにより、オンプレミス環境のローカルにあるストレージのように低レイテンシーでのアクセスが可能になっています。
【関連記事】
▶AWS Storage Gatewayで、オンプレミスからクラウドストレージに接続
Amazon S3 ファイルゲートウェイ、Amazon FSx ファイルゲートウェイ、テープゲートウェイ、ボリュームゲートウェイの4タイプが提供されています。アプリケーションはNFS、SMB、iSCSI などの標準プロトコルでローカルの仮想マシンやゲートウェイハードウェアアプライアンスと接続し、バックグラウンドでクラウドストレージの接続がおこなわれるイメージです。
例えば、オンプレミスでバックアップをテープドライブに取得し、可用性維持のために遠隔地にテープを送付・保管する運用をしていたケースでは、仮想テープドライブや仮想メディアチェンジャーをAWS Storage Gateway(テープゲートウェイ)でクラウド上に作成することで、遠隔地へのデータ保存はそのままに、郵送、保管費用のコストを削減することが可能です。
Amazon S3ファイルゲートウェイは、Amazon S3上のオブジェクトを、ネットワークファイル共有(NFSまたはSMB)としてパソコンやLinux上で扱えるようになります。パソコンでおこなったファイル操作をゲートウェイでAmazon S3への操作に変換しているんですね。人間にとっては扱いにくいAmazon S3を直感的に操作することが可能になりまs.
AWSのストレージのまとめ
- AWSのストレージには、ローカルディスク用途、ファイル共有用途、オブジェクト型など異なるストレージサービスがある
- AWSのストレージサービスにより、スナップショットの可・不可あり
- AWSのストレージサービスによって、複数アベイラビリティの冗長化の対応など、可用性に違いがある