AWSに興味はあるものの、何から学習すればよいのか悩んでいる方も多いのではないでしょうか。
本記事では、AWS初心者の方にもおすすめしたい認定試験(Certification)の試験概要についてご紹介していきます。
AWS 認定試験(Certification)とは
AWSでは公式の認定試験として、11種類(2021年10月現在) の試験が実施されています。
認定試験の種類
認定試験は下記の11種類となります。
- AWS Certified Cloud Practitioner
- AWS 認定ソリューションアーキテクト – アソシエイト
- AWS 認定 SysOps アドミニストレーター – アソシエイト
- AWS 認定デベロッパー – アソシエイト
- AWS 認定ソリューションアーキテクト – プロフェッショナル
- AWS 認定 DevOpsエンジニア – プロフェッショナル
- AWS 認定アドバンストネットワーキング – 専門知識
- AWS 認定データアナリティクス - 専門知識
- AWS 認定データベース – 専門知識
- AWS 認定 機械学習 – 専門知識
- AWS 認定 セキュリティ – 専門知識
試験の難易度
AWS認定試験には大きく分けて3種類の難易度と5種類の専門知識に分けることが出来ます。
難易度的には「基礎レベル」→「アソシエイトレベル」→「プロフェッショナルレベル」と順番に難しくなり、他に「専門知識」のカテゴリーとして5種類の試験が提供されています。
基礎レベル
まず一番簡単な位置づけの基礎レベル試験に関しては、6ヶ月間の基礎的なAWSクラウドの知識と業界知識が求められるレベルとされています。
AWS初心者の方や業界未経験者の方も基礎レベルに該当します。
基礎レベルの試験は「Cloud Proctitioner」の1種類です。
アソシエイトレベル
アソシエイトレベルの難易度は、1年間のAWSクラウドを使用した問題解決と解決策の実施における経験が目安とされています。
AWSの実務未経験の方であっても、個人で利用していたり他のクラウド運用経験がある方などはこのレベルから始めても良いでしょう。
アソシエイトレベルの試験は「ソリューションアーキテクト」「SysOps アドミニストレーター」「デベロッパー」の3種類です。
プロフェッショナルレベル
プロフェッショナルレベルの難易度は、2年間のAWSクラウドを使用したソリューション設計、運用およびトラブルシューティングに関する包括的な経験が目安とされています。
プロフェッショナルレベルの試験は「ソリューションアーキテクト」「DevOpsエンジニア」の2種類です。
専門知識
上述した3種類の試験とは別に難易度が高めの試験として、専門分野の知識が問われる「アドバンスネットワーキング」「データアナリティクス」「データベース」「機械学習」「セキュリティ」の5つの試験が提供されています。
専門知識の5つの試験を受験するためには、基礎レベル試験の「Cloud Practitioner」資格を保持していることが条件となっています。
AWS Certificationそれぞれの試験概要
AWS Certificationとして実施されているそれぞれの認定試験概要を詳しく確認していきましょう。
Cloud Practitioner
AWSプラットフォームの基本的な知識が必要となり、AWSクラウドに6ヶ月程度触れているスキルが求められます。
ITサービス及びAWSクラウドプラットフォームにおけるベーシックな知識に加え、 AWSのコアサービス・ユースケース・料金モデル・セキュリティコンセプト・クラウドがビジネスに与える影響などの知識を問われます。
試験時間は90分間で65問出題され、受験料は100USDです。
ソリューションアーキテクト
AWSにおける可用性・コスト・障害対策を考慮したスケーラブルな分散システムの設計に関する1年以上の実務経験を持つ技術者レベルのスキルが求められます。
コンピューティングやネットワーク・データベースなどのAWSサービスの知識、デプロイやセキュリティコントロールを含めたオペレーションなど、AWSを活用したアプリケーションの技術的要件を定義する能力が問われます。
試験時間は130分間で65問出題され、受験料は150USDです。
SysOps アドミニストレーター
クラウドオペレーションの権限を持ったシステム管理者向けに、AWS上でのデプロイ・管理・オペレーションワークロードの利用法などを最低1年以上実務で経験してきた技術者レベルのスキルが求められます。
AWSマネジメントコンソールおよびAWSコマンドラインインターフェースに精通していることやAWS Well-Architected Frameworkおよびネットワークとセキュリティサービスを理解しているか問われます。
試験時間は180分で65問出題され、受験料は150USDです。
デベロッパー
AWSベースのアプリケーション開発や保守で1年以上の実務経験を持つ技術者レベルのスキルが求められます。
1つ以上のプログラミング言語について深い知識を持ち、AWSのサービスおよびアーキテクチャの理解、AWSのAPIやCLI・SDKを使用してアプリケーションを構築する能力などが問われます。
試験時間は130分で65問出題され、受験料は150USDです。
ソリューションアーキテクト
AWSでのクラウドアーキテクチャの設計とデプロイにおいて2年以上の実務経験を持つ技術者レベルのスキルが求められます。
エンタープライズのアプリケーションやプロジェクトのアーキテクチャ設計能力に加えて、クラウドアプリケーションの要件を評価した上での適切なアーキテクチャを提案する能力、AWSテクノロジーを用いたハイブリッドアーキテクチャの設計能力が問われます。
試験時間は180分間で75問出題され、受験料は300USDです。
DevOpsエンジニア
AWS環境のプロビジョニングや運用・管理において2年以上の実務経験を持つ技術者レベルのスキルが求められます。
1つ以上のプログラミング言語でのシステム開発、最新の開発プロセスと方法論の理解などを含めた自動化インフラストラクチャの構築およびオペレーティングシステム管理の知識が問われます。
試験時間は180分間で75問出題され、受験料は300USDです。
アドバンストネットワーキング
ネットワークソリューションのアーキテクチャの設計と実装において5年程度の実務経験を持つ技術者レベルのスキルが求められます。
AWSネットワークのニュアンスやサービス統合への関連性、高度なネットワークアーキテクチャと相互接続オプションに関する知識、加えてネットワーク・セキュリティ機能の一般的なソリューションに関する知識などが問われます。
試験時間は170分間で65問出題され、受験料は300USDです。
データアナリティクス
AWSのサービスを活用した分析ソリューションの設計・構築・セキュリティ強化・保守に関する経験と専門的な知識を持つ技術者で、一般的なデータ分析テクノロジー分野の実務経験が5年以上ある技術者レベルのスキルが求められます。
AWSのデータ分析サービスを定義することができ、収集・管理・処理・視覚化のデータライフサイクルにAWSサービスがどのように適しているかを理解しているかが問われます。
試験時間は180分で65問出題され、受験料は300USDです。
データベース
一般的なデータベーステクノロジー分野における5年程度の実務経験に加えて、AWSクラウドをベースにしたRDS・非リレーショナルデータベース双方の経験や知識を持つ技術者レベルのスキルが求められます。
AWSデータベースサービスの各種機能の違いを理解しているかや、AWSサービスを活用したデータベースソリューションの設計および提案能力が問われます。
試験時間は180分で65問出題され、受験料は300USDです。
機械学習
AWSクラウドでのML/深層学習ワークロードの開発・設計・実行における2年以上の実務経験を持つ技術者レベルのスキルが求められます。
基本的なMLアルゴリズムが理解出来ており、ハイパーパラメータ最適化やMLおよび深層学習フレームワークの知識、デプロイと運用のベストプラクティスを実行出来る能力が問われます。
試験時間は180分で65問出題され、受験料は300USDです。
セキュリティ
セキュリティソリューションの設計と実装における5年間の実務経験およびAWSワークロードの確保に関する2年以上の実務経験を持つ技術者レベルのスキルが求められます。
安全な本番環境を実現するためのAWSセキュリティサービスについての理解、安全なインターネット・プロトコルとAWSメカニズムの理解、一連のアプリケーション要件を満たすためにコスト・セキュリティ・デプロイなどの煩雑さとトレードオフを考慮した決断を出来るスキルと知識が問われます。
試験時間は170分で65問出題され、受験料は300USDです。
さいごに: AWS 認定資格を取得してスキルを証明しよう
本記事では、 AWS認定資格試験について各試験概要から各種難易度についてご紹介してきました。
これからAWSの学習を始める方は基礎レベルである「Cloud Proctitioner」取得を最初の目標に設定しておくことで、AWSサービスの知識を網羅的に学習することが可能です。
AWSでは膨大な数のサービスが提供されているため、どこから学習を始めれば良いか分からない方にこそ、認定資格試験にチャレンジしてご自身の興味のある専門分野を探してみる方法はおすすめです。