GitHub Enterpiseについてまとめています。
目次
GitHub Enterpriseは、GitHubの最上位プラン
GitHub Enterpriseは、GitHubの最上位の有料プランです。プライベートリポジトリに対する制限が下位プランに比べて大きく緩和されています。また、日本語での電話、メールサポートに対応しています。価格は1ユーザあたり21ドルです。
参考)Enterprise • A smarter way to work together | GitHub
KDDIや富士通、ブラザーなど国内起業への導入実績も多数あります。例えばKDDIのアジャイル開発センターでは、もともとGitLabを利用していたところ、サードパーティツールとの連携の弱さからGitHubへの移行がおこなわれました。DevOpsに欠かせないCI/CDが実現できるという点が大きなメリットになったようです。
GitHub Enterpriseの料金
2020年、GitHubの主な機能は無料になりました。対象がプライベートリポジトリでも、無制限にアクセスできるようになったんですね。
関連)GitHubがほぼ全面的に無料化 | TechCrunch Japan
GitHub Entepriseは1ユーザあたり月21ドルという価格ですが、無料プランとは何が違うんでしょうか?
GitHubの料金プランには3つあります。無料のFreeプラン、月にユーザ一人あたり4ドルのTeamプラン、月にユーザ一人あたり21ドルのEnterpriseプランです。
まず、コード管理に関しては全プランともパブリックリポジトリ、プライベートリポジトリともに無制限にアクセスが可能。
ワークフロー機能では、GitHub ActionsとGitHub Packagesの利用可能量がプランごとに違います。また、「保護されたブランチ」「ドラフトPull request」と言った機能はFreeプランではパブリックリポジトリのみ使用可能という制限がついています。
セキュリティ・コンプライアンス機能の「コードスキャニング」「シークレットスキャニング」「セキュリティアップデートの自動化」は、Free、Teamプラントもパブリックリポジトリのみ。Enterpriseプランは、GitHub Advanced Securityオプション購入でプライベートリポジトリにも対応できるようになります。
監査ログや、SSO(シングルサインオン)、LDAP対応、IPリストによるフィルタリングなどはEnterpriseプランでのみ使用可能です。
サポート面では、Freeプランはコミュニティによるサポート(フォーラムで質問・回答)のみ、Teamプランではスタンダードサポート、Enterpriseプランではスタンダードサポートに加えてプレミアム・プレミアムプラスサポート(24時間365日、英語電話サポートなど)が可能。日本語での電話サポートも可能です。
【関連記事】
▶GitHubは日本語でのヘルプ完備 リポジトリ内での日本語使用や日本語でのサポートもあり
GitHub Enterprise Serverはオンプレミスサーバ用のソフトウェア
GitHub Enterprise ServerはオンプレミスのGitHubサーバです。データセンターなどでハードウェアにインストールすることも可能ですし、AWSなど主要なクラウド環境にもインスタンスイメージが用意されています。
オンプレミスサーバでは、サーバのバックアップやセキュリティパッチの適用などが必要です。アップグレードの際、必要なサーバスペックが高くなってしまった場合にはアップグレード作業ではなく、ハードウェアの公開やデータの移行といった作業も必要になります。
参考)GitHub Enterprise Server をアップグレードする – GitHub Docs
GitHub Enterpser Serverの運用をGitHubがおこなってくれるGitHub Enterprise Cloudというサービスもあります。ただし、無条件にGitHub Enterprise Serverよりも優れているというわけではなく、一定の制約があります。
関連)欅樹雑記: GitHub Enterprise Serverの管理が面倒だからGitHub Enterprise Cloudに移行したい人(企業)へ
GitHub Enterprise Serverの設定やインストール
GitHub Enterprise Serverでは、サポートされた仮想化プラットフォーム上にインストールを行います。サポートされている仮想化プラットフォームは、AWS、Azure、Google Cloud Platform、Hyper-V、OpenStack KVM、XenServerです。
例えばWindowsサーバにインストールを行う場合は、Windows Server2008以降のHyper-V対応のWindows Serverにインストールを行う必要があります。
GitHub Enterprise Serverには、Webベースの管理ツールManagement Consoleが用意されています。
GitHub Enterpriseインスタンスのユーザ認証は、LDAP、SAML、CASのいずれかを選択可能。ハードウェアやネットワーク障害対応にHigh Availabirity(高可用性)設定が用意されています。
関連)オンボーディングガイド | GitHub Resources
GitHub Enterpriseには、Enterprise Server、Enterprise Cloudともに45日間無料トライアルが利用可能です。自社環境で動作するかなどを事前に確認できます。
参考)Trial request – GitHub Enterprise
GitHub Enterprise Serverの最新版は3.1.2
バージョン2.x系では2.22のセキュリティフィックス、バグフィックス、不具合対策が継続して行われています。(2021年6月現在)
GitHub Enterprise のバージョン3では、バージョン2に比べて以下の機能改善をおこなっています。
- GitHub Actions ワークフローの自動化とCI/CD
- GitHub Packages コードとパッケージを一緒に発行して使用
- GitHub for mobile モバイルデバイスからでも共同作業ができる
セキュリティ面では、GitHub Advanced Securityに対応しています。
- コードスキャン – すべてのPull RequestをCodeQLでスキャンし、既知の脆弱性を検出
- シークレットスキャン(ベータ版) – プロダクション環境に公開すべきでないにコード内のクレデンシャルを検出
参考)GitHub Enterprise Server 3.0を正式リリース – GitHubブログ
GitHub Enterpriseのまとめ
- GitHub Enterpriseは、GitHubの最上位の料金プラン。
- GitHub Enterprise Serverは、オンプレミス用のGitHubサービス。
- クラウド環境で提供される、GitHub Enterprise Cloudサービスもあり。