GitHubは主要機能のほとんどが2020年4月以降、無料プランユーザーでも利用出来るようになりました。
しかしGitHub自体が完全無料のサービスとなったわけではなく、より高度な機能を提供する有料プランも合わせて提供されています。
本記事では、GitHubの料金プランについて、無料と有料の違いを掲載しながらご紹介していきます。
GitHubの料金プランと機能
まずは2021年9月時点でGitHubより提供されている料金プラン3つを確認しておきましょう。
料金プラン
- Freeプラン
- $0/月
- 無制限のパブリック/プライベートリポジトリ
- 無制限のコラボレータ
- GitHub Actions利用時間2,000分/月
- GitHub Packages利用500MB/月
- コミュニティボードによるサポート
- Teamプラン
- $4ユーザー/月
- Freeプランに含まれているすべての機能
- 必須レビューワー
- GitHub Actions利用時間3,000分/月
- GitHub Packages利用2GB/月
- コードオーナー
- Enterpriseプラン
- $21ユーザー/月
- Teamプランに含まれているすべての機能
- SAMLによるSSO
- GitHub Actions利用時間50,000分/月
- GitHub Packages利用50GB/月
- 高度な監査機能
共通機能
料金プラン毎の利用可能な機能については後述しますが、共通機能についてまずは確認しておきましょう。
コード管理
- パブリックリポジトリ: 無制限
- プライベートリポジトリ: 無制限
GitHubでは全プラン「パブリックリポジトリ」「プライベートリポジトリ」を無制限で利用可能です。
従来プライベートリポジトリは有料プラン専用でしたが、2019年以降は無料プランのユーザーでも利用することが出来ます。
ワークフロー
- GitHub Actions(※1)
- GitHub Packages(※1)
- コードレビュー
- Pull requests
- 保護されたブランチ(※2)
- コードオーナー(※2)
- ドラフトPull request(※2)
- 複数人にPull requestをアサインする(※2)
- 複数人にPull requestのレビューをアサインする(※2)
- スケジュールされたリマインダ(※2)
- コードレビューアサインの自動化(※2)
ワークフロー関連の機能も全てのプランで利用することが可能です。
ただし、無料プランではパブリックリポジトリが対象となっている機能などもあるため注意が必要です。
コラボレーション
- パブリックリポジトリのコラボレータ: 無制限
- プライベートリポジトリのコラボレータ(※1)
- Issues
- プロジェクトボード
- マイルストーン
- Team discussions
- OrganizationおよびTeamの管理
- PagesとWiki(※2)
- リポジトリインサイト(※2)
- Issueを複数人にアサイン(※2)
コラボレーション関連の機能も全てのプランで利用することが可能です。
こちらも無料プランの場合、パブリックリポジトリに限られる機能もあるため確認しておきましょう。
※1 TeamプランとEnterpriseプランは購入ライセンス数と同数
※2 Freeプランはパブリックリポジトリが対象
セキュリティとコンプライアンス
- コードスキャニング(※2)
- シークレットスキャニング(※2)
- セキュリティアップデートの自動化(※2)
- Dependabotアラート
- Dependabotセキュリティアップデート(※3)
- Dependabotバージョンアップデート(※3)
- 必須レビュー(※1)
- ステータスチェックの必須化(※1)
- GitHub Security Advisories(※2)
- ロールベースのアクセス制限
- 二要素認証の強制
- 監査ログ
セキュリティとコンプライアンス関連はプラン毎に提供機能に差がいくつかあります。
Enterprise機能でのみ提供される機能もあり、後述する無料プランと有料プランの違いでもご紹介します。
※1 Freeプランはパブリックリポジトリが対象
※2 FreeプランとTeamプランはパブリックリポジトリが対象
※3 EnterpriseプランはGitHub Enterprise Cloudを利用
Marketplace and integrations
- GitHub Apps: 無制限
- ステータスチェック
Marketplace and integrations関連では、共通機能に関しては全プラン同じ条件で利用することが可能です。
サポート、 その他
- GitHubコミュニティによるサポート
サポートに関しては料金プランに関係なく、GitHubコミュニティのサポートは受けることが可能です。
有料プランではGitHubのサポートチームによる対応も受けられますので後述の無料プランと有料プランの違いをご確認ください。
GitHubの無料プランと有料プランの違い
ここまでの共通機能でも確認してきたように、料金プランによりパブリックリポジトリのみでしか利用出来ないような制限があります。
他にも有料プランや有料プランの中でもEnterpriseプランでしか利用出来ない機能もいくつかあるので確認しておきましょう。
セキュリティとコンプライアンス
セキュリティとコンプラインス関連では、Enterpriseプランでしか利用出来ない機能として「監査ログAPI」「GitHubコネクト」「SAMLによるSSO」「LDAP」「許可するIPリスト」が提供されています。
監査ログAPI
監査ログデータのコピーを保管して、セキュアなIPを確保することで組織のコンプライアンスを維持する機能。
GitHubコネクト
GitHub Enterprise Server インスタンスとGitHub Enterprise Cloudの間で機能やワークフローを共有。
SAMLによるSSO
IDプロバイダを使ってGitHubのユーザーやアプリケーションのIDを管理。
LDAP
既存のアカウントを使ってGitHub Enterprise Serverにアクセスし、リポジトリへのアクセスを一元管理。
許可するIPリスト
許可されている既知のIPアドレスだけにアクセスを制限。
Marketplace and integrations
Marketplace and integrations関連では、「Pre-receive hooks」という機能がEnterpriseプランにのみ提供されています。
Pre-receive hooks
プッシュの内容に基づいて、プッシュを自動的に承認または拒否するための要件を作成。
サポート、 その他
サポート、 その他関連では、有料プランであれば使える機能として「スタンダードサポート」、有料プランでもEnterpriseプランのみが使える機能として「プレミアムおよびプレミアムプラスサポート」「電話サポート」「請求書発行」「セルフホスト・デプロイメント」が提供されています。
スタンダードサポート
GitHubのサポートチームによるメール対応。
プレミアムおよびプレミアムプラスサポート
30分間の SLAと24時間365日のウェブおよび電話サポート。
プレミアムプラスでは加えて専任のサポートアカウントマネージャーが対応。
電話サポート
電話でのサポート。
請求書発行
請求書の発行。
セルフホスト・デプロイメント
オンプレミスのセルフホストや、クラウドテナントのセルフマネージ。
さいごに: GitHubの料金プランを確認して最適なプランを選択しよう
本記事では、GitHubの料金プランとそれぞれのプランが提供する機能についてご紹介してきました。
2020年4月に主な機能のすべてをGitHubの全ユーザーに対して提供すると発表したことにより、無料プランでも一般的に利用するほとんどの機能が利用出来るようになりました。
まずは無料プランを利用してみた上で、どうしても必要な機能が有料プランに含まれている場合に乗り換えを検討してみるのが良いでしょう。
※1 プラン毎に条件が異なります。
※2 Freeプランはパブリックリポジトリが対象