個人・企業の活動において、今やITは欠かせないものとなりました。そんな背景からか、2020年から全国で実施される新学習指導要領では、小学校でのプログラミング教育が必須化されます。そして、2022年度からは、高校でもプログラミング教育が必修になります。
必修化の概要や背景、親ができることなどをまとめてみました!この記事を読むことで、小学生のお子さんをお持ちの方は不安を払拭できると思いますので、ぜひ参考にしてみてください。
- 2020年から小学校でのプログラミング教育が必須化
- プログラミング能力そのものより、論理的思考力を鍛える学習が中心
- 家庭でも日々の生活の課題やに対して、自分で答えを導き出す訓練で論理的思考を鍛えよう
- まずは楽しんでもらうために、Scratchなどのビジュアルツールで遊ばせて見るところから
小学校でのプログラミング授業必修化について
2017年の3月に公示された新学習指導要領では、2020年から小学校でのプログラミング教育が必須化する内容が盛り込まれています。
学習指導要領とは、文部科学省が示しているカリキュラム編成基準のことです。学習指導要領の主な目的は、全国でどの地域で教育を受けても内容に大きな差が出ないようにする事です。学習指導要領は10年に一度改定されており、新指導要領は前回の2010年版から10年が経過したため、今回の改定のタイミングとなりました。
このことから、2020年からは小学生が指導を受ける地域に関係なく、全国的に小学校でプログラミング教育が必修化されることが分かります。
概要
では、新指導要領での「小学校でのプログラミング必修化」の内容はどのようになっているでしょう。
まずプログラミング教育の狙いは、三つあります。一つ目は、情報や情報技術の適切な活用により、問題を解決していくための技術を学ぶこと、二つ目はプログラミング的思考=論理的な思考を学ぶこと、三つめは情報社会に積極的に参加することによって、自分の人生や社会をより良いものにしようとする態度を育むことです。
ここで注意が必要なのは、プログラミング教育が特定の一つの教科として扱われるわけではなく、各教科の学習にプログラミング教育を関連させて教えることが求められている事です。例えば、算数で正多角形を書く授業では、多角形の角の数から、プログラミング的に正多角形を描くにはどうしたらいいか考える授業などが考えられるでしょう。正〇角形を描くためには、線の長さや角度、作業の順番、回数などを論理的に考えて描いていく必要があるため、プログラミング的思考で物事をとらえるための訓練になります。
プログラミング学習のねらいの二つ目は特に重視されています。多角形の例のように、教えられたことを覚えるだけでなく、課題に対して論理的に考えて答えを導き出す事が求められるようになります。このことから、子どもたちの学習が従来の暗記中心の学習から、自ら問題解決する学習にシフトしていく事が求められているのです。
背景
経済産業省が2017年に発表したデータでは、2030年には79万人ものIT人材が不足すると予想されています。
プログラミング学習が必修化された背景として、今後拡大するIT需要に対して国内のIT人材が不足するといった予測が、大きな要因にあると考えられます。
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海外でのプログラミング教育事情
それでは、海外のプログラミング教事情はどうなっているのでしょうか。
人口130万人という小さな国ながら、IT先進国と言われているエストニアでは、IT教育についても先進的な取り組みがされています。エストニアでは、政府が2012年9月に開始した「ProgeTiiger(プログラミング・タイガー)」という教育プログラムが組まれています。本プログラムでは、小学生から高校生までを対象に、プログラミングやロボット開発等を通じて情報技術に関する知識を習得することが狙いになっています。
私たちから近いアジア圏内では、韓国で最も早くからIT教育を導入されています。小学校教育では2016年から、「ソフトウェア」が正規のカリキュラムにが入っており、プログラミングを活用する基本的な教育がされています。
必修化に向けて親が子供にできること
この記事で見てきたように、プログラミング学習の主な狙いには、論理的な思考やIT技術を使って社会をよりよくするための態度を育む事等が挙げられています。システムエンジニアやプログラマになるために、アルゴリズムを覚えたり特定のプログラム言語の使い方を覚えるような内容ではありません。
そのため家庭での学習では、日々の生活の中で起こる課題や問題に対して、自分で答えを導き出せるよう手助けしてあげるだけでも、プログラミング的思考の訓練になります。その際、課題を解決するために必要なルール、制約や、物事の法則、順番等の条件を考慮し、どうすれば解決するのかを論理的に組み立てていくよう意識してください。
また、もしご自宅のPCを使って何かさせたいというのであれば、小学校の教育現場でよく使われているScratchという「ビジュアルプログラミング」の無料ソフトウェアをインストールして一緒に使ってみるというのもいいでしょう。「ビジュアルプログラミングソフト」とは、言語を書いてプログラムをするのではなく、命令や分岐のブロックを積み上げることで視覚的にプログラミング体験ができるソフトウェアです。視覚的にプログラミングできることから、プログラミング未経験の親でも、子どもと一緒に考えながら学ぶことが出来ます。
将来の子供ために、まず親がプログラミングを学び、子供に伝えていくのも良いでしょう。プログラミングを学習するなら「ポテパンキャンプ」がおすすめです。最短5か月で未経験からプログラマー・エンジニアになれるプログラミングスクールで、現役エンジニア講師が、丁寧にプログラミングの基礎を解説します。
必修化に向けてできる準備を始めよう!
本記事では、小学校でのプログラミング授業必修化について解説してきました。
プログラミング授業が必修化されるといっても、特定の一つの教科として扱われるわけではなく、各教科の学習の中に関連さ競ることが求められています。プログラミング教育で最も重要視されている狙いはプログラミング的思考=論理的な思考を学び実践することです。ご家庭では、生活の中で出た身近な課題を「論理的に」考えていく支援をするようにしてみてください。
まとめ
今後、日本のみならず世界でIT化は進んでいくでしょう。そして単純な作業は機械に置き換えられ、論理的思考力を活かして課題を解決する力や、コミュニケーションができる人材など、機械には難しい新しい発想ができる人材が求められていくでしょう。これ機会に、お子様にプログラミングを始めさせてみてはいかがでしょうか。