現役プログラマーの方でも、開発する際にエディタのフォント設定を気にしたことがない方も多いのではないでしょうか。
本記事では、プログラミングの効率が上がる見やすくてコーディングしやすいおすすめフォントについてご紹介していきます。
- プログラミングに適しているかは”可読性”と”等幅”を見る
- 確認する際はアルファベットや数字など万遍なく
- “Myrica”などのプログラミング用フォントも存在する
プログラミングに向いているフォントか判断するなら“可読性”と“等幅”に注目
はじめにプログラミングで使用するフォントはどんな特徴を持ったものがおすすめなのか紹介します。
可読性の高さ
プログラミングで使用するフォントで最も大切なのは、可読性の高さ、つまり「読みやすさ」です。
どのフォントが自分には読みやすいのか、それは人によって好みがあるので、まずはいくつかのフォントを試してみることをおすすめします。またフォントを取り入れたら、見やすいのは一部の文字だけではないか確認するために、万遍なくアルファベットや数字を打ってみて見やすさを確認してください。
必ず確認してほしいのがアルファベットの「o(オー)」と数字の「0(ゼロ)」がしっかりと見分けられるかどうかです。数字の0にはちゃんと斜線が引かれるフォントが分かりやすくおすすめです。
またアルファベット小文字の「l(エル)」と数字の「1(イチ)」も見分けられるか、新しいフォントを取り入れた時にはチェックしておくことをおすすめします。
等幅であるフォント
皆さんはWordなどで文書を作っているとき、文字数は同じなのに横位置や文末の位置が揃わない、そんなことで悩んだことはありませんか?
実はフォントによって、1文字当たりの横幅が同じだったり異なったりするのです。
1文字当たりの幅が同じフォントを等幅フォント(とうはば、とうふくフォント)といいます。ちなみに、文字の装飾が入り文字の幅が異なるフォントを、プロポーショナルフォントといいます。明朝体でいうと、MS明朝に対してMS P明朝というフォントがあります。このPはプロポーショナルのPです。
プログラミングをするときに、どちらが適しているかはもう言うまでもないでしょう。プログラミングにおいて、文字当たりの幅が異なるとかなり大変です。
- 読みやすさ、文字の判別のしやすさ
- 等幅のフォントであるかどうか
プログラミングに適したフォントで効率的に学習を進めるならこちら
おすすめプログラミング用フォント5選
つづいてプログラミングで使用するのにおすすめしたいフォント5つを詳しく紹介します。
①:Myrica(ミリカ)
「Myrica(ミリカ)」は無料で使用することができる、プログラミング用のTrueTypeフォントです。TrueTypeフォントとはフォントフォーマットの種類の一つで、Apple社とMicrosoft社が共同開発したフォントになります。
Myricaの特徴として挙げられるのが視認性、判読性の質を上げるために他のいくつかのフォントから合成されてつくられている、改良されたフォントである点です。
MyricaはRictyというフォントからいくつか特徴を引き継いでいますが、引き継いでいない特徴としてASCII(アスキー)/ひらがな/カタカナにヒンティング情報が付加されていることが挙げられます。そしてヒンティング情報が付加されたことによって、低解像度の文字、また小さな文字サイズのものであっても読みやすくなっています。
Myricaは個々の文字が見やすく、アルファベットだけではなく日本語表示も見やすいです。なのでコードに使用するアルファベットだけではなく、コメントにあたる日本語も見やすいフォントを探している人にMyricはおすすめです。
②:Ricty Diminished
プログラミング用フォントとして見やすさで人気なのが「Ricty(リクティ)」です。そしてそのRicty(リクティ)の日本語ライセンスが優しくなったフォントが「Ricty Diminished」です。
まずプログラミング用フォントとして人気なRictyの場合、OSの一つであるLinux環境での研究・開発に特化したプログラミング用TrueTypeフォントのため、コードを記述した時に見やすいフォントなのです。
そしてRicty Diminishedは「Inconsolata」と「Circle M+ 1m」をRicty生成スクリプトで合成したフォントです。
またRictyは「Inconsolata」と「Migu 1M」の合成フォントですが、ライセンスの都合上再配布ができませんでした。そのためhomebrewを使用して自分でインストールを行う必要があったのです。
しかしRicty Diminishedの場合日本語文字を「Migu 1M」ではなく「Circle M+ 1m」を使用しているためライセンスの問題をクリアしており、すぐにインストールして使用することが可能です。
文字に丸みがあって読みやすいのがRicty Diminishedの特徴です。ぜひインストールして実際に見てみてくださいね。
③:Fira code
「Fira code」はオープンソフトウェアプロジェクトである「Mozilla」が開発したフォント「Fila」にリガチャ(複数の文字を合成して一文字にしたもの)を足したプログラミング用フォントです。
Fira codeの特徴であるリガチャでどのように表記が変わっているのでしょうか。例えば比較演算子の表現である「」の表記が「→」のような表記になっているのも特徴的です。
また使用しているエディタやターミナルによっては、「Fira code」に対応していないものもあるので、導入する際は事前に対応しているか確認することをおすすめします。
④:Code M
「Code M」はAdobeの「Source Code Pro」と「Migu 1M」を合成したフォントです。
Source Code Proはプログラミングに適したフォントとしてつくられているため、数字の0とアルファベットのo(オー)などが見分けやすくなっており、可読性はとても高いです。またアルファベット大文字の「I(アイ)」、アルファベット小文字の「l(エル)」、数字の「1(イチ)」もとても判別しやすいです。
またSource Code Proは無料でWebフォントを利用できる「Google Web Fonts」などからWebフォントとしても利用可能です。なのでSource Code Proの可読性が気になる人は、はじめは気軽にWebフォントから試してみてはいかがでしょうか。
⑤:Osaka
「Osaka」はMacOSには標準で搭載されている中での唯一の等幅フォントです。またパソコンがMacではなくWindowsの人もダウンロードすればOsakaを使用することができます。
Osakaの特徴として挙げられるのが文字の開きが大きいことで実現している可読性の高さです。現在Macのパソコンを使っている人は一度Osakaを試してみてはいかがでしょうか。
- Myrica(ミリカ)
- Ricty Diminished
- Fira code
- Code M
- Osaka
まとめ
プログラマーは毎日コードを記述するため、フォントの設定により作業効率が上がるのであればぜひ設定しておきたい作業の1つです。
まだ今回ご紹介したようなフォントを試したことがない方は、一度どれくらいの違いがあるのかお試しください。