C言語プログラミング能力認定試験の難易度や受けるメリットは何でしょうか?
当ページでは、C言語プログラミング能力認定試験の難易度やメリットに加え、おすすめの参考書を紹介しています。
- C言語プログラミング能力認定試験の合格率は約68%で、1級は70時間程度の学習が必要
- 1級では、プログラムに対する仕様変更、仕様追加の対応をおこなう実技試験あり
- C言語プログラミング能力認定試験の合格は、履歴書でスキル力アピールできるのがメリット
- C言語プログラミング能力認定試験用の参考書の紹介
C言語プログラミング能力認定試験とは
概要
C言語プログラミング能力認定試験は、サーティファイ情報処理能力認定委員会が主催している民間資格試験です。
C言語を用いた応用プログラミングを作成する能力を認定するものになっており、1級、2級、3級と資格試験が設けられています。
1級は”C言語を用いて応用プログラムが作成できる能力がある”、そして”使用しているOSについても理解がある”ということを認定するもの。
2級は”500行程度の小規模プログラムを適切に早く書くこと”そして”基本的なアルゴリズムの理解がある”という事が認定されるもの。
3級はC言語の概念を理解し簡単なプログラムが書けるということを認定するものになっています。
試験は1月と6月、9月(3級のみ)におこなわれており、受験地は札幌、東京、名古屋、大阪、福岡の5か所になっています。
合格ラインは正答率60%となっていますので、それほど厳しい基準が設けられている、ということはありません。
ですが、中には不得手な方には一問解くのに試験時間の大半を費やしてしまうような問題もあったりするため、難しいと感じる方もいらっしゃるようです。
合否結果は試験終了後1ヶ月をめどに直接本人へ送付されます。合否に関係なく、出題分野別の正答状況が分かる「試験結果のお知らせ」、合格した場合はさらに認定証が加わります。1級合格者には、名刺に貼り付けて合格したことをアピールできる「ハイライセンスシール」も送付されます。
難易度
60点を取ればよいのか、それならばそれほど難しくはないと思われるかもしれません。
ですが実際に受験された方の合格率を見てみると、約68%となっており、それほど簡単なものではないこともわかります。
初心者が3級に合格するための学習時間の目安が110時間、1級は2級取得者が70時間の学習後が合格の目安である、と公開されています。
試験勉強として考えるとかなり長めの時間設定になっていますね。級ごとの試験概要としてはこのようになっています。
3級はこれからC言語を用いたプログラミングを学ぼうという初心者に向けたもの。2級は初歩的な短いプログラミングができる程度のもの。1級は試験環境がBorlandC++ Compiler5.5と定められており、コマンドプロンプトの理解がなければ試験にもならなくなってしまう、ということもあり2,3級とはかなり大きく異なる内容になっています。
1級合格は就職面接などの際にも「実務経験はないがC言語を使ったプログラミングは理解している」ということをアピールすることもできる程度の難易度と認識しても間違いではないでしょう。
どんな問題がでるのか
1級は実技試験で、事前に公開されたテーマプログラムに対しての仕様変更、仕様追加の対応となっており、コーディングするだけではなくコンパイルとデバッグまでを含めたプログラム作成となっています。
実際の問題では、コーディングだけではなく変更仕様書の作成などの設計にもかかわる出題も含まれています。
総合的にC言語を用いたプログラミング開発に対しての知識、技術が必要になってきます。試験時間は150分です。
2級と3級については多岐選択回答形式、マークシート形式で、出題範囲に従って出題されます。プログラミングの文中のブラックボックスの中を回答する、といったような問題も出題されます。試験時間は2級が90分、3級が60分です。
1級のような設計にかかわるような知識というよりは、C言語の基礎的なこと、アルゴリズムなどの知識が必要な内容になっています。
C言語ならではの知識となるポインタ、入出力関数、構造体といったことは最低限として理解できているほうが良いでしょう。
- 1~3級がある
- 試験は1月と6月、9月(3級のみ)の年3回開催
- 合格基準は得点率60%
- 受験地は札幌、東京、名古屋、大阪、福岡の5か所
- 試験時間は1級が150分、2級は90分、3級は60分
- 1級はPC上で行う実技(コーディングやテスト)と変更仕様書の作成
- 2級と3級はマークシート形式で、C言語の基礎知識を問う問題
C言語プログラミング能力認定試験を受けるメリット
一般的に就職などに有利になるものというと、民間のものではなく国家試験であったり、それに準ずるようなものでなければ・・・といわれている印象を持たれている方は多いでしょう。
民間資格であるC言語プログラミング能力認定試験ですが、試験を受けるメリットとして「履歴書に書ける」ということがあります。
ただし、就職の際有利になるのは1級、もしくは2級と考えておくのが良いでしょう。
実務経験なしでの転職若い世代であったり、未経験者の転職などの場合には、「1級(もしくは2級)に合格できるレベルの知識は有している」ということを伝えることができます。また、就職の際の面接でも、自己アピール材料にもなります。
プログラミングスクールなどの転職サポートでは、自己アピール用のポートフォリオ作成のサポートをしてくれるサービスもあります。
ポテパンキャンプでは、卒業生向けに専任キャリアカウンセラーが転職サポートがおこなっているんですね。
なお、この資格の学習・受験をすることで、初心者からでもしっかりとC言語を理解し、自分の理解度がどの程度まで深まったのかを客観的に知ることができます。
実務経験がないからこそ、自分の実力がどの程度あるか測りにくいものですが、そういった意味でもC言語プログラミング能力認定試験を受けるメリットはある、と言えます。
検定を受けると、合否の結果だけではなく、実際の点数もわかります。ただ”受かった””落ちた”というだけではないので、ご自身の実力を測るという意味ではかなり役に立つでしょう。
C言語プログラミング能力認定試験の参考書
わかりやすいC入門編
3級対策としてお勧め、イラストが多いので概念を理解しやすいと人気の一冊。公式サイトでもお勧めの学習本として紹介されています。
新C言語入門
こちらも公式サイトでおすすめの学習本として紹介されている一冊。実際に現場でも新人さんをはじめ多くの方が愛用していることも多い一冊です。
新・明解C言語 入門編
こちらもかなり基本的なところを重点的に解説しているテキストとして、実際のシステム開発の現場でも使用されている一冊です。
新C言語入門、わかりやすいC入門編と同様に、C言語初心者のためのバイブルとして薦められることが多いものです。
C言語ポインタ完全制覇
C言語の中でも特につまづく方の多い“ポインタ”について、しっかりと理解させてくれる一冊としておすすめされることの多い本です。実際に、実践の現場に出てもポインタに躓く方は多いのですが、ポイントだけ解説されたこの本は特に理解しやすいと評判のようです。
C言語プログラミング能力認定試験 過去問題集
3級から1級まで、級ごとに発売されている書籍。ある程度学習が進んだところで、そこまでの自分の実力を測るために過去問題を解くことはお勧めの学習法です。
ここでわからないところ、間違えたところなどをテキストで復習していくことで、より効果的な学習ができます。
その他のプログラミング関連の資格
情報処理検定試験
全国商業高等学校協会が主催している”情報処理検定試験”は3級から1級までの3段階で行われています。
プログラミングの基礎を習得している、ということを証明するために必要なものとして、アルゴリズムの理解、プログラミング言語を論理的な理解、これらを生かしたソフトウェアの開発があげられます。
この基礎を習得したうえで、合理的にコンピュータを活用することのできる能力を養うための検定試験、という位置づけになっています。級によって試験内容は異なりますが、実務的な表計算ソフトの活用、DBソフトウェアの活用、プログラミングに関する技術などを図る内容になっています。
Oracle Certified Java Programmer
広く活用されているデータベースソフトウェアを開発販売している企業として有名なOracle社。
2012年の9月に新設されたこの新資格。実際の現場でもOracleの資格を所有しているというのはかなり評価も高くなります。特にこのOracle Certified Java Programmerに合格するとブロンズではなくシルバーの資格を所有することができますから、より実践に役立つ知識を持っていると評価されることも多くなります。
難易度が高いことも有名で、受験料も高い試験ではありますが、かなり多くの方が資格取得を目指す資格試験です。
情報処理技術者試験
経済産業省が情報処理技術者としての知識や技能が一定以上の水準に達しているかどうかを認定するための国家試験として、IT業界でも取得を必須とする企業も多い資格試験です。
色々な資格試験により区分されていて、一般的な知識を有することを認定するITパスポート試験、また高度な知識や技能を有していることを認定するための各スペシャリストのための資格試験もあります
- 情報処理検定試験
- Oracle Certified Java Programmer
- 情報処理技術者試験
まとめ
プログラミング言語はC言語をはじめとして、様々な言語が存在しています。新しい言語もどんどん生み出されていく中で、基礎的な知識から、プログラミングをするために必要な基本的な技術、アルゴリズムへの理解、考え方への理解などを客観的に判定し、だれが見てもわかりやすい形にしてくれる資格試験。
これから仕事に生かしていくために、そして就職や転職を有利にするために自分のことをアピールする材料として有意義な資格試験。どのようなことを学び、資格試験に合格することができるのか、合格することのメリットなどをご紹介させていただきました。
皆さんのこれからのキャリア形成にお役に立てれば幸いです。