ビジネスの場でもっとも多く使うと言われている表計算アプリExcel。今や、Excelでの自動化やデータベース連携などを、システム開発で行う企業もあります。
ユーザが使い慣れたアプリをフロントエンドに使いたいという要望も多くあります。
当記事では、Excelでプログラミングを行うメリットなどを紹介します。
Excelの開発環境VBA(Visual Basic For Applications)という言葉は知っているけど触ったことなかったな…というエンジニアには必見です。
- ExcelのVBAは統合開発環境が標準装備されていて、開発環境構築が不要
- Excelの開発は、初心者のプログラミング学習にも最適
- Excelで開発を始める具体的な方法
プログラミングをExcelでやるメリット
環境構築が簡単
ExcelにはVBE(Visual Basic Editor)と呼ばれるVBAを開発するための統合開発環境が標準装備されているため、Excelさえインストールされていればプログラミングを行うために開発環境を構築する必要はありません。
ただ、昨今のウイルス問題の対策として、Excelは標準でVBAがフルに使える設定になっていない可能性が高いため、設定の変更は必要です。
設定変更の手順ですが、まずはオプションからセキュリティセンターを開き、マクロの設定を「すべて有効」にしてください。
次にリボンのユーザ設定から開発タブを表示するように設定を変更してください。
設定変更はこの2点のみです。
メリット1 : 実務で使える
Excelを使わない日はないくらい実務で活躍しているアプリケーションですが、Excelで行なっている作業の半分以上は定例の内容ではないでしょうか?
Excelでプログラムが作れるようになると、それら定例作業はツールなどで置き換え可能になります。
例えば、営業マンの毎月の売上を報告書様式に編集し、合計行を作り、グラフを作成するというような作業はVBAでツール化出来ます。
集計対象の営業マンが半日仕事になるような作業であっても、ツール化出来れば5分もかからず報告資料が出来上がるようになります。
メリット2 : 初心者向けのプログラミング学習に使える。
実はExcelプログラミングは初心者のプログラミング学習に最適なのです。
その理由としては、以下の点があげられます。
- Excelプログラミングで使える言語であるVBAは初心者向けのプログラミング言語の1つであるBASICをExcel向けにアレンジしているため
- ExcelにはVBEという統合開発環境がある事は前述しましたが、このVBEには入力補完機能付きエディター機能とデバッガー機能を持つ立派な開発環境になっており、プログラミング初心者が学習過程でつまずくデバッグを効率的に追究できるため
- プログラミング向けのヘルプが標準で用意されており、命令などの仕様確認も簡単に行えるため
- サンプルや初心者向け入門テキストが多く公開されており、実装方法で迷った場合にGoogleなどで検索すると、かなりの確率で答えを見つけることができるため
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マクロとは?
マクロとは
マクロとはある一定の操作をまとめて実行できるようにするための機能の総称です。テキストエディタにもマクロ機能があるように、Excelにもマクロ機能があります。
「マクロ」と表現されているメニューもあります。
マクロとVB(VBA)の違い
前述のように、マクロは「一定の操作をまとめて実行」するための「機能」ですが、VBAはそのマクロを作成するための「プログラミング言語」という事になります。
そのため、マクロとVBAはまったく概念の異なるものです。
ちなみに、ExcelではExcel4.0マクロというマクロを作成するための言語があり、VBAを使わなくてもマクロを作成する事ができます。(これはExcel4.0時代のマクロ機能で使われる言語です。)
プログラミングをExcelで始める方法
Excelでプログラミングを始める手順を簡単に説明します。
ここでは前述の設定変更は終わっている、という前提で説明するので、まだ設定変更が終わっていない場合は先に設定を終わらせておいてください。
- Excelを起動します。
- 開発タブを選択し、Visual BasicというアイコンをクリックするとVBEが起動します。
- 挿入(I)メニューの標準モジュール(M)を選択するとVBAを記述するエディター画面が開きます。
あとは実際のプログラムを作成していくだけです。プログラムの作成が終われば実行(R)メニューからプログラムを実行する事ができます。
まとめ
今回はExcelを使ってプログラミングを行う事について説明してきました。
表計算ソフトでありながら、マクロ機能を作成するためのVBAというシステムまで開発する事が出来るプログラム言語と、それを開発するための統合開発環境まで標準装備しているExcelで、プログラムを作成しない手はありません。
また、Excelはプログラミング初心者の学習プラットフォームとして必要な機能も標準で持っていますので、初心者のプログラミング学習にも活用できるでしょう。
ExcelVBAを使ってプログラムを作成する事が出来れば、Excelを使った業務を補助するツールの作成や、本格的なシステム開発まで行うことができ、将来性もありますの。
この機会に是非、Excelでのプログラミングを始めてみてはどうでしょうか。
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