スタートアップ企業でよく採用されているという開発言語のRuby。いろんな方々が「言語学習」という観点で論じています。しかし「求人」という側面から見たとき、Rubyとはどのような言語なのでしょうか?
プログラミング初心者、またはすでにITエンジニアとして勤務されている方にとって、Rubyで食べていけるのかどうかは、とても気になるところではないでしょうか。
そんな方々の疑問を解消するために、本記事では求人という側面から見たRubyを解説します。Rubyの求人に応募したい!という初心者の方、またはRubyに転向したい!という現役エンジニアの方、ぜひお読みください。
目次
Rubyエンジニアの需要はどれくらい?
そもそも、Ruby求人はエンジニア求人の中ではどのような位置付けなのでしょうか?Rubyエンジニアの需要はどれくらあるのでしょうか?
Rubt求人の数
Ruby求人の数を、他言語と比較してみましょう。ポテパンを含む複数サイトで、言語を指定して検索結果を見てみました。
まずはフルタイム系(つまり週5日常駐が基本)の求人サイトで検索した結果です。
ポテパンを含む複数サイトで傾向が一致しており、Java/PHP/Ruby/Pythonの順番になっています。
ちょっと見方を変えて、副業やフリーランス系をメインターゲットとするサイトでの傾向を見てみましょう。
今度はPHP/Java/Ruby/Pythonの順になり、PHPの需要が一番高いのです。
求人全体におけるRubyの傾向
前述からどんなことが分かるでしょうか?フルタイム系の求人はおのずと大企業や既存の企業、またはそれらに人材を派遣するSIerが多くなります。そういった分野ではJavaが強いようです。
では、副業・フリーランサー向けサイトでPHPの需要が高いのは何を意味するのでしょうか?副業・フリーランサー向けサイトに人材を求める企業は、いわゆるスタートアップ企業が多いのです。お金もないし、人を雇うほどの経営的余力や社内スペースもないスタートアップ企業だからこそ、すぐにサイトを作れるフレームワークを求めるのです。
PHPと同じように、Rubyで考えてみましょう。Rubyもまた生産性の高い言語なので、スタートアップ企業にウケがよいのです。これが先ほどの2つめの棒グラフにあらわれているのです。
またRuby求人を考える上で重要なのが「地域差」です。首都圏と関西を例にとります。関西で求職者に案件を紹介している人や、関西で経営者としてビジネスを展開している人などが口々に言うのが「Ruby求人は首都圏に集中している」ということです。もちろん関西にも無くはないのですが、割合としてはかなり小さいのです。首都圏はビジネスの母数が大きいので、当たり前といえば当たり前ですが・・・。
実際、複数のサイトでRubyの求人を検索してみると、関西に限らず首都圏以外では数が少ないのはすぐにわかります。
ではゼロなのかというとそうでもありません。首都圏以外でRubyのコミュニティが活発に活動していたり、サテライトオフィスを地方に構えて自然の中でRubyのコーディングする会社がある、というのも聞きます。コミュニティ内で見事Rubyで就職先を見つけたという話も実際にあります。ただしこれらは数としては少数と言わざるを得ません。
以上より、首都圏以外の方が「プログラマとして就職(または転職)!」「異業種からプログラマへ転職!」と意気込んでRubyを選択するのは考えものかもしれません。
未経験でもRubyエンジニアとして転職できる?
Rubyに限らず、そもそも未経験としてプログラマーの仕事を獲得できるかという問題があります。残念ですが、完全未経験でも可という案件はありません。ですが、それはあくまで「普通のプログラマーレベルの労力がほしい」という要望に対しての話です。
そこで弊社ではポテパンキャンプという、Rubyの学習フォローだけでなく求人探しまで含めてトータルで支援する転職支援付きのRuby実践スクールを展開しています。
まったくの初心者の方も、Railsチュートリアルあたりまで分かるレベルの方もいずれもサポートできるラインナップがポテパンキャンプにはあります。講師陣も実務経験豊富なエンジニアであり、さらに転職に成功したら受講料10万円のキャッシュバックです!
Rubyに限った話ではありませんが、ITエンジニア、特にプログラマーは学習のスタートがとても重要です。座学で参考書を片手に学習しているだけでは、現場レベルには到達するのは難しいです。よって、Rubyで就職したい!Rubyを学んで転職したい!とお考えの方、ぜひポテパンキャンプをご検討ください。
Rubyエンジニアのリモート案件はある?
Rubyは前述したように、スタートアップ企業での採用が多い言語です。スタートアップ企業は社員を容易に増やすことができません。となると、副業の募集サイトに募集を出して、一時的に人員リソースを得ることが多いのです。場所も費用もない、その結果、自ずとリモート案件が多くなります。よって、Rubyエンジニアのリモート案件は、副業サイトにて求めるのが良いでしょう。
では、フルタイム系のRubyエンジニアのリモート案件はどうでしょうか?残念ながら、数はかなり少ないと言わざるを得ません。ただし、Rubyを採用している企業の中には、ある程度の年数を経過したあとは社外で仕事をすることを許可する企業もありますし、社員たちは基本的に社外で仕事をする(定時に出社、定時に退社という働き方は逆に珍しい)といったユニークな会社もあります。よってフルタイム系でも数が少ないながら無いとは断言できません。
副業、正社員、いずれもリモート案件の数は少ないながら、少ないなりに獲得する方法があります。あきらめずに日頃から募集サイトを確認するようにしましょう。
Rubyエンジニアのアルバイト求人はある?
「Rubyエンジニアの需要はどれくらい?」で述べたように、副業の世界ではRubyの需要は高いのです。従って、アルバイトとしてならRubyの仕事ゲットするのは十分現実的といえます。
例えば「Rubyのコーディングに慣れないうちは日々の定型作業やデバッグ。それらの作業の中でコードを見て学習し、慣れてくればRubyでコーディング」といった愛のある副業案件も実際にありました。
実務的に未経験であっても、しっかり学習して習得できたことをアピールできれば採用してくれるところもあるのです。リアルに動く簡単なWebサイトを構築し、さらにソースをGItHubなどで公開できるならアピール材料としてバッチリです。
Rubyエンジニアの年収・単価相場
Rubyエンジニアの年収や単価って、どのくらいなのでしょうか?ポテパンの募集中の案件から具体的に見てみましょう。
Rubyエンジニア(ゲーム)募集の案件・お仕事
単価~800,000円/月
【メディア領域】ポイントサイトのサービス開発エンジニアの案件・お仕事
単価~800,000円/月
【Ruby/PHPエンジニア】印刷・物流プラットフォーム開発エンジニアを募集!!の案件・お仕事
単価~700,000円/月
上記はほんの一例で、それ以上もそれ以下も存在しています。
70〜80万円レンジが多いのですが、注意しなければいけないのが「Ruby」や「Ruby on Rails」というキーワードを前面に押している案件は少ないことです。つまり、RubyやRailsで検索ヒットする案件は、以下のものが多いのです。
- 募集要件の中に複数の言語が上がっている。Rubyはそのうちの一つ。
- AWSやゲーム系ツールといった別のキーワードが前面に出されている。
RubyやRailsが使えたとしても、すぐに仕事が見つかる訳ではありません。Rubyマニアが市場で受けるはずもなく、Rubyと合わせて周辺技術が必要になるのです。これがRubyやRailsを学習してきた初学者が、仕事にありつくことを困難にする要因でもあるのです。
Rubyエンジニアの今後の需要は?
Rubyエンジニアの需要は、今後どうなるのでしょうか?まだ需要が続くのでしょうか?
先にあげた傾向から見て、増えることはあっても当面減ることはないと思われます。今度は観点を変えて、ITの源流である海外の傾向を見てみましょう。
海外の情報ですが、RedMonk Programming Rankingを見てみると、Rubyは7位にランキングされています。海外の情報は日本の事情とはちがう、と無視することはできないのです。海外のシェアが高いと、以下の経緯をたどります。
・おのずと技術者が増える
・関連情報が増える
・フレームワークが増える
・フレームワークが改良される、使いやすくなる
・ますますシェアが増えて、使われる
これらが日本のITに影響を及ぼすのです。よって海外でもRubyのシェアが高いということは、当面は需要は減らないと断言できます。
今後のRubyの技術的な需要については、コチラの記事の「4. Rubyの将来性」もぜひ参考にしてください。
Ruby求人情報の探し方
転職サイト
まず最初に、フルタイム系(つまりガッツリ週5日現場常駐)で探すか、副業やアルバイトで探すかによって異なります。
フルタイム系であれば、一般的な転職サイトにて検索条件を「システム開発・Ruby」にして検索するだけで出てきます。副業・アルバイトであれば、「IT・副業」でググってまず案件を探せるサイトを探すところからです。サイトが見つかると、フルタイム系と同様にキーワードを「システム開発・Ruby」にして検索してください。
なお、転職サイトを利用するうえでの注意点は、求人内容だけではどのような会社か解らない点です。以前は、初心者OKの求人を出すのはブラック企業、と言われていました。応募する前に、どんな会社なのかしっかりと調べておきましょう。
転職エージェント
求人案件の全てが転職サイトで公開されている訳ではありません。求人を出してはいないものの、条件を満たす人がいたら採用したい、と考えている企業はたくさんあります。そして、そういった情報を持っているのが転職エージェントです。
転職エージェントが抱えている求人の多くは、待遇が良いものが多いのも特徴です。そして、条件の中には、Rubyのプログラム経験がある方、というのもあるので、Rubyで好条件の求人を探すのなら、ITに強い転職エージェントに登録するのもおすすめです。
なお、転職エージェントは、就職が決まった先から報酬をもらっているので、求職者の登録は無料です。転職エージェントに紹介先が無いと判断される場合もあるので、未経験からRubyの求人に応募される方は他の方法を検討してください。
Rubyコミュニティへの参加
全国各地のRubyコミュニティでは、Rubyを実務で使っている人も多数参加します。コミュニティに参加して、学習で分からないところを質問し、さらに仕事のクチを紹介してもらうのもアリです。
というのも、Rubyの勉強会でベテランのRubyプログラマーと仲良くなり、その方の紹介で転職された方もたくさんいるからです。なお、優れたエンジニアは、仕事が終わってからも自分から勉強して、スキルを磨いています。そして、自分から勉強会に参加するくらい勉強熱心な方なら、仲間としていっしょに仕事したいと、思っています。
ただし、初回参加から就職口を紹介してください!と強く迫ると、コミュニティの雰囲気を壊してしまい、それどころか紹介してもらえなくなります。節度を守るよう注意しましょう。
プログラミングスクールを活用
プログラミングスクールで就職先を紹介してくれるサービスがあるのをご存知でしょうか。ポテパンキャンプのように、Rubyの学習を完了したのちに案件の紹介までサポートしてくれるサービスも見かけます。それらを利用するのもオススメです。