SQLの知識を就職・転職する際の強みとして活かしたい方の中には、資格取得を検討されている方も多いと耳にします。
本記事では、SQL資格のおすすめ３選と資格を取得するメリット、加えて学習するにあたっての注意点についてご紹介していきたいと思います。
SQL資格のおすすめ3選
SQL資格には大きく3種類の資格が認知されており、ご自身の目的に合わせて適切な資格取得にチャレンジする方法が一般的です。
資格毎の特徴について確認していきましょう。
Oracle Master
Oracle Master(オラクルマスター)には、「Bronze」「Silver」「Gold」「Platinum」の4種類が存在します。
自分で難易度を選択出来るわけではなく、「Bronze」から順に取得していく必要があります。
「Silver」以上に合格すると「Oracle Certification Program(OCP)」の認定を受けることが可能で、世界中で通用する資格としての効果を得られます。
尚、Oracle Master試験の合格率に関しては公表されていません。
IPAデータスペシャリスト
IPA(情報処理推進機構)が運営する国家試験の1つで、ITスキル標準(ITSS)のレベル4に当たる試験です。
データベースに関係する固有技術の専門家として、情報システムの企画・要件定義・開発・運用・保守への技術支援を行えるスキルがあるかを判定されます。
高度情報技術者試験の1つに認定されており、取得の難しい資格であると言えます。
OSS-DB技術者認定試験
OSS-DB技術者認定試験は、主にオープンソースデータベースの「PostgreSQL」に関する知識やスキルを判定する試験内容です。
「Silver」「Gold」の2つのレベルで試験が実施されています。
上述した2つの試験に比べると、難易度が低い傾向にあり、比較的初心者向けの試験です。
Oracle Master同様、合格率に関しては公表されていません。
SQL資格を取得するメリットとは
SQL資格を取得するには、簡単なものであってもそれなりの学習時間が必要なため、時間を掛けるメリットがあるのか確認しておく必要があります。
国家資格・ベンダー資格双方にとってのメリットを紹介していきますので、ご確認ください。
SQLに関する知識が身につく
資格の勉強すると、SQLに関する知識を体系的に身につけることが可能です。
データベースに触れたことがない方であれば、実務で必要になった場合でも、どこから学習を始めれば良いのか判断出来ません。
資格の取得を目標に学習を進めることで、完全な初心者レベルからデータベース業務に必要な知識を網羅的に習得出来るため、取りこぼしが少なくスキルを高めることが出来ると言えます。
就職・転職時のスキル証明
SQLの知識は、就職・転職時の面接でアピールすることが難しい部分と言えます。
Webアプリ開発者などであれば、作成した成果物を公開するなどの方法で自分のスキルを証明することも出来ますが、SQLのスキルはなかなかポートフォリオとして公開することが出来ません。
特に実務経験がない方であれば、資格を取得しておくことで、試験に合格するだけの知識を身につけている証明になりますので、就職・転職時に有利に働くことが多いようです。
トラブル時の対応力が上がる
SQL資格の勉強は、上述したように広範囲に渡って網羅的に学習する必要があります。
データベース処理でトラブルが発生した場合、様々な要因が複雑に絡み合ってエラーが起きているため、SQLの知識だけでなく、データベース周辺知識があるエンジニアの方が、効率的に問題を解決することが可能です。
業務を通じての経験ももちろん必要ですが、試験勉強を通じて得た体系的な知識の基盤があってこそ、作業を効率的に行うことが可能となります。
様々なソフトウェアが利用出来るようになる
データベースに複数の種類が存在するのはもちろん、SQLの記述方法についても、データベース毎に異なるケースも少なくありません。
資格の勉強を進めることで、様々なソフトウェアに対応出来るスキルを身につけることが可能となります。
SQL関連のツールは、データベース以外にも様々なソフトウェアが存在しますので、体系的な知識を身に付けておくことで、各種ソフトウェアを使いこなせるスキルに繋がります。
SQLの資格を取得するにあたっての注意点
SQLの資格を取得するにあたって、一定以上の学習時間が必要になりますが、やみくもに学習していても効率が悪くなってしまったり、将来の役に立たない学習に時間を費やすことにも繋がりかねません。
下記4つの注意点をしっかりと認識した上で、効率的に資格取得のための学習を進めましょう。
試験の難易度を把握する
まず最初にすべきことは、自分自身のSQL知識を認識した上で、適切な難易度の資格試験に挑戦することです。
Oracle Masterのように簡単なものから順番に受験しないといけないような試験もありますが、IPAデータスペシャリストは受験料さえ支払えば誰でも受講することが可能です。
IPAデータスペシャリスト試験は難易度が比較的高く設定されているため、学習を始めたばかりの方が受講しても合格することは出来ません。
自分がいつまでに資格が必要なのか、どのレベルのスキルを証明する資格が必要なのかを明確にした上で、どの試験を受講するのか吟味してみてください。
出題傾向の分析と対策を行う
SQLの資格だけに限りませんが、出題傾向の分析と対策を行った上で受験するようにしましょう。
SQLの資格は、国家試験であるIPAデータスペシャリストでも「5,700円」、Oracle Masterでは「3万円弱」の受験料が掛かるため、決して安いとは言えません。
分析と対策をしっかりと行った上で、一発合格を目指してみましょう。
資格取得後の利用用途を決めておく
資格取得を検討されている方は、資格取得後の利用用途についても明確にしておくことをおすすめします。
もちろん就職・転職に役立てるという目的で問題ありませんが、もう少し詳細に利用用途を決めておくことが大切です。
例えば、転職したい企業でどのデータベースが利用されているのかを調査し、企業に適した資格を選択すれば採用率も高まるでしょう。
反対に、Oracleデータベースを利用している企業に就職したいのに、OSS-DB技術者認定試験を頑張って取得しても、無駄ではありませんが、効率が良いとは言えません。
実際のデータベーススキルも必要
高度な資格資格(データベーススペシャリストやOracle Master Goldなど)以上のレベルとなると、実務経験がある前提のような問題も少なからず出題されるようになります。
実際の実務経験有無は関係ありませんが、実務経験がない場合でも自分でデータベースを用意して実際に利用しながら操作方法を把握しておく必要があると言えます。
また、就職・転職の際には、SQL資格はスキルを証明するアピールとなりますが、実際の業務では資格の有無よりも、実際にデータベース業務をこなせるスキルの有無が遥かに重要です。
資格だけ取った状態で、実務では全く何も出来ないという状況をさけるためにも、実際にデータベースを扱うスキルについても同時に身に付けておきましょう。
さいごに：SQLの資格を取得して就職・転職に活かしてみよう
本記事では、SQLのおすすめ資格3選と資格取得のメリットおよび注意点についてご紹介してきました。
SQL資格は就職・転職時に間違いなく役立つ資格です。
利用用途をはっきりとさせた上で、試験対策をきちんと行い、最小限のコストで最大限のパフォーマンスを引き出せるよう、資格取得にチャレンジしてみてください。
Bronzeが最も難易度が低く、Platinumが最も難易度の高い資格です。