2020年11月現在、SQL Serverの最新版は2019年モデルですが、SQL Server2016も引き続き多くの企業や案件で利用されています。
本記事では、SQL Server2016に関する情報を改めてご紹介していきたいと思います。
これからSQL Serverを導入しようと考えている企業担当者の方はもちろん、乗り換えを検討している方も今一度製品情報についてご確認ください。
目次
SQL Server2016の概要
SQL Server2016は、2016年6月1日にリリースされました。
Microsoftより有償版・無償版が提供されています。
SQL Server2016のシステム要件
SQL Server2016のシステム要件をざっくりとピックアップしてみます。
- ハードウェア容量: 6GB以上
- メモリ: 最低1GB(4GB以上推奨)※Express版のみ最低512MB
- OS条件: Windows8以降、WindowsServer2012以降
- Software条件: Microsoft .NET Framework4.6
SQL Server2016のエディション
SQL Server2016では5つのエディションが公開されています。
- Enterprise: 大規模サイト向けの最上位エディション
- Standard: 企業部門や小規模組織向けのエディション
- Web: 大小さまざまなWeb公開用のエディション
- Developer: 開発者向けのエディション Enterpriseエディションの全ての機能が利用可能
- Express Edition: 小規模向けのエディション 無料で利用可能 10GBまでの制限あり
サービスパック(SP)
SQL Server2016では、サービスパック(SP)2が最新版として、リリースされています。
サービスパックはソフトウェアの修正などを行うためのパッケージですので、最新版をインストールしておくことをおすすめします。
SQL Server2016のサービスパックを確認する >>
SQL Server2016で追加された機能
SQL Server2016で追加された新機能について、いくつかの機能をピックアップしてご紹介していきます。
オペレーショナルアナリティクス(Operational Analystics)
SQL Server2016の目玉機能として公開されました。
非クラスタ化列ストアインデックスを定義することで、Analyticsに対応出来るようになります。
また、トランザクションデータから分析データへの変換が不要となったことにより、リアルタイム分析を実現されているそうです。
詳細な説明に関しては、「SQL Server2016 Operational Analyticsによるデータ活用」の動画が参考になります。
Always Encrypted
テーブルのデータを暗号化する機能で、暗号化によるデータの常時保護が実現可能となりました。
Always Encryptedの詳細情報については、下記のページをご確認ください。
https://docs.microsoft.com/ja-jp/sql/relational-databases/security/encryption/always-encrypted-database-engine?redirectedfrom=MSDN&view=sql-server-2016
JSONサポート
SQL Server2016より、JSONデータの取り扱いが可能となりました。
従来は、データベースから取得したデータをアプリケーション側で改めてJSON形式に変換する必要がありましたが、JSONフォーマットがSQL Server2016よりサポートされたことで、中間処理が不要となります。
JSONサポートの詳細情報については、下記のページをご確認ください。
https://docs.microsoft.com/ja-jp/sql/relational-databases/json/json-data-sql-server?view=sql-server-2016
Stretch Database
Stretch Database機能を利用することで、アクセス頻度の低いデータをAzure(クラウド)へ移行させることが可能です。
あまりアクセスする頻度の高くないデータを、安価なクラウドサービスに保管しておくことで、全体のコストカットが実現可能です。
Stretch Databaseの詳細情報については、下記のページをご確認ください。
https://docs.microsoft.com/ja-jp/sql/sql-server/stretch-database/stretch-database?view=sql-server-2016
ライブクエリ統計(Live Query Statistics)
ライブクエリ統計の機能を利用すれば、クエリの実行計画をリアルタイムで確認することが可能となります。
従来の実行計画では、処理が完全に終わってからでないと確認することが出来ませんでしたが、新機能により現在の実行状況を逐次確認することが出来ます。
ライブクエリ統計の詳細情報については、下記のページをご確認ください。
https://docs.microsoft.com/ja-jp/sql/relational-databases/performance/live-query-statistics?view=sql-server-2016
動的なデータマスキング
上述したカラムのデータを暗号化するのとは別で、一部の人にしか実データを閲覧することが出来ないように設定するマスキング機能が追加されています。
機密データへのアクセス制限を行うことで、セキュリティリスクを軽減することが可能になりました。
動的なデータマスキングの詳細情報については、下記のページをご確認ください。
https://docs.microsoft.com/ja-jp/sql/relational-databases/security/dynamic-data-masking?view=sql-server-2016
SQL Server2016のサポート期限
SQL Server2016のサポート期限は、メインストリームが「2021年7月13日」までと設定されており、延長サポートとして「2026年7月14日」までのサポートが実施されます。
各サービスパックのサポート終了日に関しても合わせて確認しておいてください。
- Original: 2018年1月9日
- Service Pack1: 2019年7月9日
- Service Pace2: 2026年7月14日
Microsoftがサポートを行う対象は基本的に最新版のサービスパックに限られており、同社では常に最新のサービスパックを適用することを推奨しています。
さいごに: SQL Server2016はまだまだ主力モデルの1つ
本記事では、SQL Server2016に関する基本情報とサポート期限についてご紹介してきました。
SQL Serverは延長サポートまで含めると、2026年7月14日まではMicrosoftからのサポートを受けた状態で運用することが可能です。
一方で、メインストリームのサポートとしては2021年7月13日をもって終了と設定されているため、記事執筆時点(2020年11月)以降に新規導入を検討されている方は、最新版である「SQL Server2019」を検討することをおすすめします。