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Rubyを学ぶためのパソコンならMacがおすすめ、とよく聞きますが、WindowsパソコンでRubyが使えない訳ではありません。それどころか、Windowsパソコンで開発しているベテランのWebプログラマーはたくさんいます。

とはいえ、WindowsパソコンでRubyを使い、開発できるようにするのは、かなり手間がかかります。だからと言って、Windowsパソコンを使わないのはもったいない。そこで今回は、プロも使っているWindowsパソコンのRubyの設定方法を解説します。

Railを使うプロはWindowsを使っていない?

今のソフトウェアの開発にはパソコンが使われていますが、Webサービスで使われるRuby on Railのプログラムの開発でももちろんパソコンが使われています。そして、広く普及しているパソコンのOSは、Microsoft社のWindowsです。

しかし、Webプログラマーの多くは、WindowsのパソコンではなくApple社のMacを使っています。では、なぜWindowsではなく、Macが使われるのでしょうか。

Webプログラマーに人気があるMac

最近のパソコンのOS別シェアを見ると、Windowsは9割近くに達しており、Apple社のMacに搭載されているmacOSは1割にも達していません。しかし、Macは、デザイン業界を中心に多くのプロが支持しており、Webプログラマーの利用者もたくさんいます。

なお、MacがWebプログラマーに使われるのは、macOSがUNIXというOSをベースにしており、WebサーバーのOSとして使われることが多いLinuxもUNIXをベースとしていることから、同じ環境を作りやすいことが理由です。

また、Apple社の製品はスタイリッシュで高性能なことからファンが多く、WindowsパソコンよりもMacの方が使いやすいと感じる方が多いのも、Webプログラマーに使われる理由の一つと言えるでしょう。

開発環境としてのWindowsのメリット

Webプログラマーには人気のないWindowsパソコンですが、開発環境としてMacに負けている訳ではありません。バリエーションが豊富なことから用途に合わせてたパソコンを選べるうえ、Macよりも安く購入できたり、Macより高性能なパソコンが選べたりします。また、Macよりも多くのアプリケーションから目的に応じたソフトを選べることもメリットです。

しかし、残念ながらWindowsは、macOSのようにUNIX用に作られたアプリケーションを使うためには、面倒な設定が必要です。また、使えたとしても制限が多く、Webシステムの開発には使用できません。そのため、最初は割り切ってRubyの学習に活用し、プロが使っているアプリの設定を学んで環境を作っていきましょう。

Windowsでrubyならバーチャル環境を

WindowsがWeb開発に向いていないとしても、プロのWebプログラマーの中には、開発でWindowsを利用している方はたくさんいます。そして、そういった方は、Windowsで動作するバーチャル環境を利用しています。

なお、バーチャル環境とは、サーバーOSと同じLinuxを、あたかもWindowsのアプリケーションのように使える機能です。そのため、ExcelなどのWindowsアプリを立ち上げた画面で、同時にUbuntuなどのLinuxにインストールされたRubyを実行できます。WindowsでRuby on RailsなどのWeb環境を開発するなら、バーチャル環境を利用するのがおすすめです。

学習に使うならWindowsでも十分

Rubyの公式サイトには、Windowsで動作するRubyのインストールプログラムが用意してあるので、それを使えばWindowsパソコンでもRubyを実行できます。とはいえ、これだけでRuby on RailsによるWebシステムの開発ができる訳ではありません。しかし、Rubyの学習のために、短いプログラムを実行してみたい、と考えている方にとっては、これでも十分使えます。そこで次から、Windowsパソコンで、簡単にRubyを使う方法をご紹介します。

WindowsパソコンでシンプルにRubyを使う

WindowsパソコンでRubyを使う最も簡単な方法は、公式サイトからダウンロードしたRubyの実行ファイルを、コマンドラインなら利用する方法です。この他に、プログラムを書くためにテキストエディタが必要ですが、Windowsに付属しているメモ帳でも代用できます。

具体的には、Rubyをインストールすると、Cドライブの直下にプログラムがインストールされます。まずは、コマンドラインから使えるように、環境変数にruby.exeの実行パスを登録してください。そして、メモ帳などでRubyのプログラムを書いておきます。あとは、コマンドプロンプトを操作して、rubyを実行してください。

ポテパンダの一言メモ

Rubyの公式サイトからダウンロードできるRubyのバイナリは、GUIなアプリケーションではありません。メモ帳などでプログラムを書き、コマンドラインから実行します。

統合開発環境でRubyを使う

WindowsのパソコンでJavaによるプログラミングを学んだ方なら、統合開発環境に慣れているのではないでしょうか。Javaに限らず、統合開発環境のGUI環境でプログラミングができれば、作業効率が大幅にアップします。そして、使い慣れたJava用の統合開発環境が、Rubyのプログラミングにも使えるかもしれません。

Rubyをサポートするおすすめの統合開発環境

Windowsのパソコンでも動作する、RubyのプログラミングをサポートするIDEは、次の3つです。

Eclipse
Eclipseは、オープンソースのため無料で使える高機能な統合開発環境であり、Javaの開発では広く使われています。また、多くのプラグインが作られており、その中にはRubyの開発をサポートするプラグインもあります。

Enabling Open Innovation & Collaboration | The Eclipse Foundation

NetBeans
NetBeansもオープンソースとして開発されている高機能な統合開発環境です。残念ながらEclipseに比べて利用者が少ないことから、プラグインも多くはありません。しかし、Rubyのプラグインがあるので、Rubyの開発にも利用できます。

NetBeans NetBeans 日本語サイト

Rubymine
Rubymineは、JetBrains社が開発したRuby用の統合開発環境です。利用するためには費用がかかりますが、Ruby用に開発されただけあって、他の2つよりも使いやすい点が特徴と言えます。そのため、Macユーザーを含む、多くのWebプログラマーから支持されている統合開発環境です。

統合開発環境は、それ自体のインストールのほかに、同時にRubyなどいっしょに使うアプリケーションをインストールして、統合開発環境から利用できるように設定が必要など、設定は簡単ではありません。しかし、一度設定してしまえば、GUI環境で効率よくRubyの開発ができます。

RubyMine: The Ruby on Rails IDE by JetBrains

WindowsでRubyのプグラミングに使える統合設計環境へのリンク

Windowsバーチャル環境のLinuxで使う方法

WindowsでWeb開発を担当しているプロのWebプログラマーは、バーチャル環境にサーバーと同じLinuxをインストールすることで、本番環境とほぼ同じ環境を使い、開発を進めています。もし、Windowsパソコンを使うWebプログラマーを目指すなら、Windowsのバーチャル環境を使った開発環境は必須と言えるでしょう。

次から、Windowsのバーチャル環境を使ったRubyのインストール手順をご紹介します。

バーチャル環境とは

これから解説するバーチャル環境とは、Windows上でLinuxなどの別のOSを動かすために技術です。具体的には、人が操作するOSとパソコンを構成するハードウェアの間に、仮想マシンと呼ばれるアプリケーションが入ることで、あたかもWindowsのアプリケーションのようにLinuxなどの別のOSが使えます。

なお、Windows10には仮想環境が標準で用意されており、Windows Subsystem for Linuxを利用することLinux用のRubyが使えますが、制限があるので開発環境としての利用はおすすめできません。正式にリリーズされているUbuntuやCentOSといったLinuxのISOイメージを使ってインストールできる、VirtualBoxやVMware Workstation Playerといったアプリケーションを利用してください。

Windowsにバーチャル環境をインストールする

VirtualBoxやVMware Workstation PlayerといったWindowsのバーチャル環境のアプリケーションをインストールする手順は、一般的なアプリケーションと同じです。ただし、バーチャル環境のアプリケーションにLinuxをインストールする手順は、サーバーなどにLinuxをインストール手順と同じなので難しいと感じるかもしれません。

インターネット上にはバーチャル環境にLinuxをインストールする手順を紹介する多くの記事が公開されているので、それらを参考にしてみてください。

Windows10にVirtualBoxとUbuntuをインストール

なお、CentOSやUbuntuなどのよく使われるLinuxのディストリビューションでは、デフォルトでRubyがインストールしてあります。

ただし、バージョンが古いので、別途、rbenvなどの管理ツールをインストールし、最新版のRubyを利用するのが一般的です。また、Linuxをインストールしてからも、Ruby on Railのシステム開発に使えるようにするためには、いろいろなツールをインストールしたりそれらの設定なども必要です。そういった開発環境の構築は、LinuxにRuby on Railをインストールする手順を紹介した記事などを参考にして、チャレンジしてみてください。

CentOS7にRubyとRuby on Rails環境構築

ポテパンダの一言メモ

Windows10にはデフォルトのバーチャル環境もありますが、Linuxのディストリビューション(CentOSやUbuntuなど)のISOファイルからインストールできる、VirtualBoxやVMware Workstation Playerといったアプリケーションを利用してください。

WindowsパソコンでもRubyの開発は可能

WindowsパソコンにRubyをインストールして利用する方法として、初心者でも扱える簡単なものから、本番環境をそのまま実行できるような環境までご紹介しました。今回紹介したアプリケーションを全てインストールして利用することも可能です。

しかし、統合開発環境を快適に使うには、高いスペックのパソコンが必要です。さらに、バーチャル環境を同時に動かそうとしたら、より多くのメモリーを要求されるでしょう。そのため、Windowsのパソコンを利用しているプロのWebプログラマーは、高性能なパソコンを利用しています。

安価なWindowsパソコンにもRubyはインストールできますが、本格的な開発に使うなら、パソコンの性能にも注目してください。

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