今Rubyを学ぶなら、パソコンにRubyをインストールしなくてもWebブラウザの中でプログラムを作り実行できるサイトもあります。しかし、Rubyを使ったWebシステムの開発方法を学ぶなら、自分のパソコンにRubyや開発に必要なツールをインストールしなければなりません。そこで、WnidowsとMacといったパソコンの機種別にrubyおよびRubyのプログラミング環境をインストールする手順について解説します。
目次
Rubyの開発環境として何が良いか
Rubyの公式サイトからダウンロードして使おうとすると、ソースコードとWindows版Rubyバイナリしかありません。しかし、ソースコードがダウンロードできるということは、バイナリにコンパイルできる環境があれば、どのOSでも使えるということです。そのため、Rubyは、Windowsパソコンをはじめ、いろいろなデバイスで利用できます。
とはいえ、Ruby on Railsなどでシステムを開発するためには、プログラムを書くためのエディタやデバックツールなどの開発環境が必要です。そこで、まずはRubyを用いてシステムを開発するのに向いているパソコンについてご紹介します。
多くのプロはMacを使っている
Ruby on Railsなど、Rubyを用いてWeb開発をやっているプロのWebプログラマーの多くがMacを使っています。なお、開発環境として見た場合、Macは多くの開発者が使っているVisual Studioがあり性能が高いなど、優れたデバイスです。
しかし、MacがWebプログラマーに支持されているのは、サーバーのOSであるLinuxと同じ環境を作りやすい点が最大のメリットだからと言えるでしょう。そのため、Webプログラマーを目指してRubyを学ぶ方に、Macの利用を勧める方がたくさんいます。
Windowsにもインストール可能
先ほどご紹介したように、Rubyの公式サイトにはWindows用バイナリが用意されているので、それをインストールすればWindowsパソコンでもRubyを実行できます。
ただし、Rubyが使えるからRuby on Railの開発もできるとは限りません。それは、実行環境となるサーバーと同じ環境を用意できないからです。そのため、WindowsにRubyをインストールして、学習に利用することはできますが、その環境では開発に利用できないと考えてください。
Windowsを使うならバーチャル環境で
先ほど解説したように、Windows用のRubyは開発には使えませんが、Windowsのパソコンを使っているWebプログラマーがたくさんいます。そして、そういった方は、Windowsパソコンにバーチャル環境を用意し、そこにサーバーと同じLinuxをインストールして開発に利用しています。
なお、Linuxには、UbuntuやCentOSといったディストリビューションがあり、Rubyや開発に必要なツールを簡単にインストールできます。もちろん、Rubyのソースコードをダウンロードして、バイナリにコンパイルして使うことも可能ですが、インターネット上に準備されたツールを使うのが一般的です。
Macにインストールして使う
Macには、デフォルトでRubyがインストールしてあるので、Rubyの学習にMacを使うと割り切れば、そのバージョンを使っても構いません。しかし、Macに最初からインストールしてあるRubyはバージョンが古く、それを使ってRuby on Railsなどのシステム開発はできません。
そのため、Rubyが使えるWebプログラマーを目指している方は、Macに最新のRubyをインストールする方法を学びましょう。
Homebrewをインストールする
Macで最新版のRubyをインストールするためには、インターネット上に公開されているRubyのソースコードを取得し、バイナリを作ってインストールするなど、面倒な処理が必要です。しかし、それを簡単にしてくれるのツールが幾つも公開されており、そういったツールを使うのが一般的です。そして、その中でも多くのWebプログラマーに利用されているのが、Homebrewです。
なお、Homebrewのインストールは簡単で、一行のコマンドを実行するだけでインストールが完了します。詳しくは、下記のHomebrewを紹介しているサイトなどを参考にしてください。
Homebrewのインストールに成功すると、「brew」というコマンドが使えます。下記のコマンドで正常に動作することをチェックしておいてください。
$brew --version
rbenvをインストールする
先ほどお伝えしたように、Macに最初からインストールされてるRubyはバージョンが古く、Rubyによる開発では使えません。そのため、複数のバージョンを切り替えて使える仕組みが必要です。そして、これを実現するツールがrbrewです。
なお、rbenvは、先ほどインストールしたHomebrewを使ってインストールします。
rbenvをインストールするコマンド $ brew install rbenv ruby-build
MacでRubyをインストールして使う
先ほどインストールしたrbenvを使えば、最新版のRubyをインストールし、Macに最初からインストールされているRubyから切り替えて使用できます。なお、rbenvの使い方を紹介したWebページがたくさん公開されているので詳しい操作は、そちらを参考にしてください。
【2018年版】macにrbenvを入れてrubyを管理できるようにしちゃう – Qiita
そして、Macに最新版のRubyをしたら、テキストエディタでプログラムを書いて、コマンドラインからRubyのプログラムを実行できます。しかし、Macでは高性能な統合開発環境のVisual Studioが利用でき、しかも、設定さえすればRubyの開発でも利用できます。インターネット上には、設定方法を紹介した記事もたくさんあるので、ぜひ、そういった記事でVisual Studioの使い方も学び、Rubyのプログラミングに活用してみてください。
Visual Studio Codeで「プロを目指す人のためのRuby入門」の例題を動かしてみた(動画付き)
Windowsパソコンにインストールして使う
Rubyの公式サイトでは、Windows版のRubyバイナリが配布されており、これをインストールすることで、WindowsパソコンでRubyが使える環境を簡単に作れます。もし、Windowsのパソコンを持っており、これをRubyの学習に使ってみたい、と考えているは、ぜひ、これを利用してください。
Windows版Rubyのインストール方法
Windows版のRubyバイナリは、Windows向けのインストーラで作られているので、exeファイルをダウンロードして実行するだけで、インストールが完了します。なお、ネットで検索すると、詳しいインストール手順を紹介したサイトが幾つもあるので、そちらを参照してください。
ただし、インストールされたRubyを実行するGUIアプリがインストールされる訳ではありません。コマンドプロンプトからキーボードを操作してRubyを実行します。
Windows版Rubyの基本的な使い方
Webプログラマーが扱うRuby on Railsでは、Rubyのプログラムの実行結果によって、Webブラウザに表示される情報が変化しますが、ここで紹介しているWindows向けのRubyでは、そういった処理はできません。Rubyの文法やプログラムの作り方を学ぶため学ぶためと割り切って使ってください。
基本的な使い方は、メモ帳などのテキストエディタでRuby用のプログラムを作成、コマンドプロンプトからそのテキストファイルを指定して実行します。
統合開発環境で使ってみよう
Windowsパソコンでシステム開発するなら、Eclipseなどの統合開発環境をインストールして使うのが一般的です。しかも統合開発環境の中にはRubyが使えるものもあり、環境さえ設定すれば、GUI環境によるプログラミングにも使えます。ただし、Rubyを使えるようにする方法は、ちょっと面倒かもしれません。しかし、インターネット上を探すと、設定方法を紹介した記事がたくさん見つかるので、それらを参考にEclipseなどの統合開発環境をインストールし、Rubyの実行環境を設定してみてください。
[Ruby][初心者向け]EclipseでRuby開発環境を構築する on Windows – Qiita
- 公式サイトからRubyのバイナリをダウンロードする
- Rubyの実行はコマンドラインから
- 統合開発環境の設定にトライしてみよう
リストで記述すると上記のように表示されます。
バーチャル環境のLinuxにインストールして使う
Windowsのパソコンを使っているプロのWebプログラマーがよく利用しているのが、バーチャル環境に構築したLinux環境にRubyをインストールして使う方法です。そして、これを使うことで、本番環境とほぼ同じLinux環境でプログラムのデバックが行えるうえ、Windowsパソコンのメリットも活用できます。
ただし、多くのメリットがある反面、環境構築に手間がかかるというデメリットもあるので、これからRubyを学ぼうとしている初心者の方には難しいかもしれません。今回は、バーチャル環境のLinuxに、Rubyをインストールして使う方法について簡単にご紹介します。
バーチャル環境ならWindowsからLinuxが使える
今回ご紹介するバーチャル環境とは、一台のコンピュータで複数のOSを動作させる技術です。具体的には、稼動させるOSが直接コンピュータのハードウェアを操作するのではなく、間に仮想化専用のプログラムを挟むことで実現しています。
そして、バーチャル環境の中には、Windowsのアプリケーションとして別のOSを動作させる環境があり、これを使うことで、Windowsのパソコンで、UbuntuやCentOSといったWebサーバーで使われることの多いLinuxを動作させることが可能です。
特に、VirtualBoxとVMware Workstation Playerは、無料で利用できるので、Linux環境を構築して、そこにRuby on Railsの開発環境をインストールすることで、Webシステムの開発にも利用できます。
バーチャル環境を使うデメリット
バーチャル環境を使うことで、Webサーバーと同じLinuxで開発ができますが、そのためにはLinuxが使えなければなりません。今は、スマホは使いこなせるものの、キーボードを使うのは苦手、という方が多いのではないでしょうか。残念ながらLinuxは、キーボードで操作するOSです。しかも、多くのコマンドを覚えないと操作できません。
さらに、Linuxをインストールしたり、Rubyを使うためのLinux用のアプリケーションもインストールするなど、使えるようになるまでには、かなりの手間がかかります。そのため、Rubyによるプログラミングを学ぶ前に、Linuxの使い方を学ぶ必要があるなど、簡単に始められる作業ではありません。
そのため、近くにバーチャル環境を使ってRubyの開発をやっている先輩がいて、その人が設定を手伝ってくれたり解らないことを教えてくれるなど、頼れる人がいる場合のみ実現可能な方法です。
バーチャル環境にチャレンジするならQiitaの記事を
それでもバーチャル環境にLinuxをインストールして、そこでRubyの開発方法を学びたいと考えている方は、ネットで検索するとインストール方法を紹介した記事がたくさんヒットします。特に、Qiitaには、現役の若いエンジニアが、自分のやった作業をメモのように書き残した記事が多いので、ぜひ、参考にしてください。
VirtualBox (Windows) 上に CentOS 7 をインストールする – Qiita
- バーチャル環境を使えばLinuxをアプリのように使える
- Rubyを使う環境はLinuxへのインストールと同じ
- ネットの記事を参考にLinuxをインストールしてみよう
リストで記述すると上記のように表示されます。
目的に応じたRubyを使う環境を用意しよう
これまで、WindowsとMacにRubyをインストールする方法を紹介してきましたが、初心者にとっては難しい内容もあったかもしれません。本文でも書いたとおり、学習のためにRubyが使えるようにするなら、Rubyのプログラムとテキストエディタだけでも十分です。しかし、Ruby on Railなどを使い、Webシステムを開発するなら、Rubyの他に開発環境もインストールしなければなりません。
Rubyを使う目的に応じて必要なツールをインストールし、さらにそれらを使う環境を整えて、Rubyによるプログラミングを学んだり、システム開発に活用しましょう。
Ruby on Railで開発しているWebプログラマーの多くがMacを使っていますが、WindowsのパソコンでRubyの開発ができない訳ではありません。Windowsのパソコンを使っているWebプログラマーもたくさんいます。