SQL Server Expressについてまとめています。
SQL Server Expressは、インストールマシンのハード面での制限はありますが、基本機能はすべて使える無償版のSQL Serverです。
SQL Server Expressの概要
SQL Server Express は、データベースなどの基本部分は製品版と同じで、もともとローカルで稼働するようなデスクトップアプリケーション用を意図して提供されてます。 クライアント・アクセス・ライセンス (CAL – en:Client Access License) も含めて無償で利用できますし、セキュリティパッチも無料で配布されます。さらに、販売パッケージなどに組み込んで商用利用することも可能です。
SQL Server の無償版は 、最新版のSQL Server 2019でも継続して配布されています。
【関連記事】
▶SQL Expressは、SQL Serverの無償版 制限はあるが入門用に最適
SQL Server Express LocalDB
SQL Server Express LocalDBは、SQL Server 2012以降に搭載された機能で、リモート機能を省略して構成を簡略化されています。
Express版の制限ゆえに、クライアント・サーバ型ではなくスタンドアロンタイプのアプリに組み込まれることが多いんでしょう。なるべく軽量化するために、ローカルデータベースのアクセス専用の機能として提供されています。
SQL Server ExpressのLocalDBには、専用のインスタンス制御用コマンドが用意されています。SqlLocalDB.exeコマンドにて、インスタンスの生成、削除、開始、停止などが可能です。
SqlLocalDB.exe { [ create | c ] \<instance-name> \<instance-version> [-s ] | [ delete | d ] \<instance-name> | [ start | s ] \<instance-name> | [ stop | p ] \<instance-name> [ -i ] [ -k ] | [ share | h ] [" <user_SID> " | " <user_account> " ] " \<private-name> " " \<shared-name> " | [ unshare | u ] " \<shared-name> " | [ info | i ] \<instance-name> | [ versions | v ] | [ trace | t ] [ on | off ] | [ help | -? ] }
関連)SqlLocalDB ユーティリティ – SQL Server | Microsoft Docs
実際の使用方法は以下の通り。以下は、DeptLocalDBインスタンスを生成、開始し、情報を表示し、遊佐NewLoginを生成する例です。
SqlLocalDB.exe create "DeptLocalDB" SqlLocalDB.exe share "DeptLocalDB" "DeptSharedLocalDB" SqlLocalDB.exe start "DeptLocalDB" SqlLocalDB.exe info "DeptLocalDB" REM The previous statement outputs the Instance pipe name for the next step sqlcmd -S np:\\.\pipe\LOCALDB#<use your pipe name>\tsql\query CREATE LOGIN NewLogin WITH PASSWORD = 'Passw0rd!!@52'; GO CREATE USER NewLogin; GO EXIT
SQL Serrver Expressは、Windows10にインストール可能
SQL Server Expressは、クライアントOSであるWindows10 64bit版にインストールが可能です。
- SQL Server 2019
- SQL Server 2017
- SQL Server 2016 (2016 Service Pack 2 SQL Server以降の更新プログラムを適用する必要あり)
関連)SQL Server Windows オペレーティング システムのバージョン | Microsoft Docs
SQL Server Expressのインストーラは、公式サイトからダウンロードできます。
関連)SQL Server のダウンロード | Microsoft
SQL Server Expressのインストールは、コマンドプロンプトのsetup.exeにオプション指定することで、サイレント モード、対話方式を指定できます。
C:\SQLMedia\SQLServer2019> setup.exe /[Option] /[Option] = {value}
インストール対象機器が多数ある場合は、GUI形式よりも必要な情報をすべてオプション指定するサイレントモードの方が便利でしょう。
具体的なサイレントモードでのコマンドラインオプションは以下の通りです。※パスワード部分は*表記としています。
C:\SQLMedia\SQLServer2019> setup.exe /Q /IACCEPTSQLSERVERLICENSETERMS /ACTION="install" /PID="AAAAA-BBBBB-CCCCC-DDDDD-EEEEE" /FEATURES=SQL,AS,IS,Tools /INSTANCENAME=MSSQLSERVER /SQLSVCACCOUNT="MyDomain\MyAccount" /SQLSVCPASSWORD="************" /SQLSYSADMINACCOUNTS="MyDomain\MyAccount " /AGTSVCACCOUNT="MyDomain\MyAccount" /AGTSVCPASSWORD="************" /ASSVCACCOUNT="MyDomain\MyAccount" /ASSVCPASSWORD="************" /ISSVCAccount="MyDomain\MyAccount" /ISSVCPASSWORD="************" /ASSYSADMINACCOUNTS="MyDomain\MyAccount"
関連)SQL Server のインストール – コマンド プロンプト パラメーター – SQL Server | Microsoft Docs
まとめ
- SQL Server Expressは、商用利用にも使えるSQL Serverの無償エディション
- SQL Server Express LocalDBはスタンドアロン環境向けに、ネットワーク機能を簡略化した機能
- 配布時など、setup.exeのオプション指定でサイレントモードでのインストールが可能