SQLを作る際、プログラム言語と同じように構文チェックをやっているでしょうか。やってないとミスが混入し、エラーの原因になりかねません。そこでここでは、SQLの構文チェックの方法、および、構文チェックで見つかるミスを減らす方法について紹介します。
SQLでも構文チェックを
仕事でプログラミング言語を使っている方なら、なんらかの構文チェックを使っているのではないでしょうか。構文チェック用のコマンドや、エディタに付属するチェック機能など、使用する言語や仕事のやり方などによって、その使い方は様々かもしれません。
そして、SQLももちろん構文チェックが使えます。
データベース管理ツールでチェック
SQLの使えるデータベースを利用する場合、そのほとんどでコマンドラインから使える管理ツールがありますが、エンジニアの多くはGUIの管理ツールを利用しています。そして、そのような管理ツールには、SQLを実行する機能があり、そこでSQLの構文チェックが可能です。
もし、Webシステムの開発などデータベースを使うことになったら、ぜひ、GUIの管理ツールの使い方をマスターしてください。データやテーブルの確認などにも使えますが、SQLの動作確認や、そのSQLの構文チェックにも利用できます。
エディタでチェック
プログラミングをされているエンジニアは、自分が使いやすいエディタを仕事で利用しています。そして、そういったエディタとして、JavaやC++などのプログラマーの方が利用しているのが統合開発環境です。
統合開発環境のエディタでは、ソースコードを作る際に、ステートメントの候補を表示したり、自動で構文チェックを実行する機能を利用できます。そのため、プログラミングの仕事に欠かせないツール、と考える方が多いのではないでしょうか。
このようにプログラミングに使われるエディタの中には、SQLの構文チェックを自動でやってくれるものがあります。
SQLの構文チェックサイトを活用する
SQLの構文をチェックするサイトも幾つか公開されています。そして、このようなサイトは、そのWebページを開いて、チェックしたいSQLを指定の場所にコピペするだけで簡単に使えます。
ただし、エラーがあった場合のメッセージは、データベース管理ソフトのクライアントで実行した場合のメッセージと同じです。そのため、SQLによっては、解り難いかもしれません。
また、仕事で使っても構いませんが、データベース管理ソフトに特有の機能を使っている場合は、対応していないこともあるので注意してくだい。
構文エラーの無いSQLを書くにはIDEを
JavaやC++などのよく使われるプログラミング言語でシステムを開発する場合、必ずと言っていいくらい統合設計環境(IDE)が使われます。
そして、このIDEを使うメリットの1つは、簡単なスペルミスや構文エラーを防げる点です。例えば、プログラムを書いている途中にも構文チェックが動作しているので、ミスを早めに見つけられます。
次から、SQLの編集にも使えるIDEについて紹介します。
EclipseはSQLの構文チェックもできる
JavaやC++などのコンパイルが必要なプログラム言語で開発する場合、IDEの利用は必須と言っていいでしょう。そして、フリーのIDEとして多くのエンジニアが利用しているのがEclpseです。
Eclipseは、Javaのプログラム開発環境として有名ですが、多くのプログラム言語に対応しており、SQLにも対応しています。そのため、ステートメントの候補が出るなどの編集支援機能が活用できます、
Eclipseの設定は簡単ではありませんが、一度設定さえすればSQLを効率良く編集できるので、ぜひ、利用してください。
IntliJ IDEAのエディタを使う
IntliJ IDEAは、JetBrains社製が開発している有料のIDEです。Java用のIDEとしては、前出のEclipseと比較されるこが多いIDEですが、軽快に動作し、使いやすい入力補完機能やエラー検出機能などがメリットとして挙げられます。
このIntliJ IDEAのエディタでは、SQLの編集機能にも優れており、列名の補完やステートメントのヒントも表示してくれます。さらに、SQLの編集中に構文チェックをやってくれるので、効率の良く編集が可能です。
テキストエディタを活用する
先ほど、SQLの構文をチェックするならIDEのエディタが便利だと説明しました。しかし、IDEは、機能が豊富ですが、その分、動作が重く、快適に使えるようにするには高性能なパソコンが必要です。
そのため、軽快に使えるテキストエディタを愛用しているベテランエンジニアもいます。次から、そのようなテキストエディタの活用方法を紹介します。
ステートメントに色を付ける
テキストエディタには、メモ帳のようにOSに付属している、おまけのようなアプリもありますが、エンジニアがよく利用するのは、もっと高機能なテキストエディタです。
そして、そのようなテキストエディタで、よく利用される機能が特定のステートメントなどに色を付ける機能です。これにより、IDEのような補完機能が無くても、ある程度はタイプミスを防ぐことが可能です。
さらに、このようなテキストエディタで色を付ける機能は、いろいろなプログラム言語向けに用意されており、その中にはSQL向けのセットもあります。拡張子によって、どの言語向けの配色かを切り替えているので、その点をよくチェックして利用してください。
SQLの整形機能を活用する
多くのテキストエディタには、プラグインを組み込む機能があり、歴史の長いテキストエディタには、多くのサポート機能がプラグインとして用意されています。
そして、このようなプラグインの中には、SQL向けとして用意されているのが整形機能です。整形して見やすくすることで、SQLのデバックが容易になります。整形後のSQLで構文チェックすれば、ミスも解り易いので、ぜひ、試してみてください。
プラグインが多い、便利なテキストエディタとしては、比較的新しいAtomエディタが有名です。また、昔から使われているサクラエディタや秀丸エディタにも、SQLの編集を支援する機能やプラグインがあります。
SQL初心者におすすめの構文チェックができるサイト
インターネットを活用してプログラム言語を学ぶ場合、最近は、プログラムを書いて実行できる学習サイトが利用できます。
そして、このようなサイトには、SQLを書いて実行できるものもあり、そこでは構文チェックも実施されます。次から、初心者におすすめのサイトを紹介します。
SQL攻略
このサイトは、WebブラウザにSQLを打ち込み、それを実行しながら学習できるサイトです。そして、そのSQLを記入するテキストフォームでは、実行時に構文チェックが働きます。
SQLを学び始めた方は、このサイトで学習して、SQLの構文チェックのメッセージに慣れてから、データベースのクライアントツールを使うと、良いかもしれません。
Progate
Progateは、実行専用のWebページでオンラインエディタにプログラムを打ち込み、それを実行しながら、プログラムの学習ができるサイトです。
そして、このProgateでは、SQLも学習できます。このオンラインエディタでも、SQLの構文チェックが実施されます。
SQLを書いて学べる学習サイトは、この他にpaizaラーニングやTRYCODEなどもあります。
環境構築不要!初心者でも楽しく学習できるプログラミング入門サービス【paizaラーニング】
オンラインで学べるプログラミング教育サービス「TRYCODE」
MySQL構文チェッカー
これは、株式会社シンクラフトが公開している「サクッと使えるWebツール」シリーズの1つで、SQLの構文チェックのみできるサイトです。
使い方は簡単で、テキストフォームにSQLを張り付け、チェックを押すと、エラーのある行、および、そのエラー内容を表示します。
MySQL構文チェッカー:MySQLコードの構文エラーをチェック
まとめ
SQLは、短い記述で複雑な検索処理を記載できるプログラム言語ですが、その言語の特徴からミスがあった場合のデバックは簡単ではありません。そのため、SQLを編集する際、ミスしない環境の利用をおすすめします。
その場合、統合開発環境の高機能なエディタなら、構文チェックや編集支援ができるので便利です。また、テキストエディタでステートメントに色を付けるだけでも見やすくなるので、ミスを減らせます。
ぜひ、このようなエディタを活用してください。
無料で利用できるIDEとしては、Eclipseの他に、NetBeansとXcodeが有名です。また、どちらのエディタでもSQLの編集を支援する機能が利用でます。