Javaの学習を始めてある程度分かるようになってくると、「自分のレベルがどれくらいになっているのか?」や「今のスキルは現場で通用するレベルなのか?」など気になり始める方も多いことでしょう。
そこで本記事では、業界全体の動向やJavaに関連する資格試験について、難易度や受験料などを比較しながらご紹介します。
資格試験
Javaの従事者として仕事をこなすうえで、企業に入っている方なら既に資格試験の重要性は説明の必要はないくらいご存じのはず。
ITにおける資格とは自己をアピールする上で欠かすことのできないツールにまでなっています。
ここではJavaプログラマーとして活躍する為に、持っておくと得をする資格についてご紹介します。
Oracle認定Javaプログラマ
「Oracle 認定javaプログラマ(Oracle Certified Java Programmer)」はJavaの開発元である米Oracle社が主催する資格試験です。試験難易度には「Bronze」「Silver」「Gold」の3種類があります。
試験問題にはJavaプログラミングに関する体系的な知識が出題されます。
なお最高難易度であるGoldは受験の条件として、Silver合格者のみ受験に参加することが可能となっています。
この資格の良いところは「公式ベンダー資格」となっている点です。この資格を取ってしまえば世界共通でJavaのスキルに対する証明をすることが出来ます。
●運営団体
Oracle社(旧Sun MicroSystems)
●資格区分
ベンダー資格
●試験区分
Bronze
Silver
Gold
●有効期限
なし
●合格率
非公開
Javaプログラミング能力認定試験
株式会社サーティファイという企業が運営している民間資格です。余談ですがサーティファイ株式会社はこのほかにも様々な資格試験(7分野26ラインナップ)を取り扱っています。
難易度の例としては、「3級」でこれからJavaを始めようとする方やJava入門者を対象とした内容程度で、3級、2級共に筆記試験となっています。
●運営団体
一般社団法人サーティファイ情報処理能力認定委員会
●資格区分
民間資格(国内)
●試験区分
1級
2級
3級
●受験者数
累計受験者数52,141名(2019年3月31日)
●合格率
64.1%(2018年度平均合格率)
Android 技術者認定試験
上記二つの資格試験に対しこの資格試験はJavaと直接関係があるわけではありませんが、Android開発従事者にとってJavaは必要不可欠な言語となっており公式サイトでも受験対象者欄にJava開発者と明記されてます。
アプリ開発をしてみたい方やそういった業界に身を投じている方にとっては役に立つお勧めの資格です。
●運営団体
一般社団法人 IT職業能力支援機構 Android技術者認定試験制度委員会
●資格区分
民間資格(国際)
●試験区分
Androidアプリケーション技術者認定試験
Androidプラットホーム技術者認定試験
●合格率
Androidアプリケーション ベーシック 44.6%(累計)
Androidプラットフォーム ベーシック 27.3%(累計)
受験料金の比較
下の表では、上で挙げた資格試験を料金別に価格の安い順で並べ変えてみました。
プログラミング系の資格試験は一般の試験と比べ高額な傾向にありますが、中でも公式ベンダー資格の「Oracle認定Javaプログラマ」は他の資格と比較しても受験費用が若干高めに設定されています。それとは対照的に、Javaプログラミング能力認定試験は民間資格ですが国家資格程度の良心的な設定となっています。
Javaプログラミング能力認定試験 3級 | 5,100円 |
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Javaプログラミング能力認定試験 2級 | 6,200円 |
Javaプログラミング能力認定試験 1級 | 7,600円 |
Oracle認定Javaプログラマ Bronze | 13,600円 |
Androidアプリケーション技術者認定試験 | 15,000円 |
Androidプラットフォーム技術者認定試験 | 15,000円 |
Oracle認定Javaプログラマ Silver | 26,600円 |
Oracle認定Javaプログラマ Gold | 26,600円 |
難易度の比較
ITSSキャリアフレームワークと認定試験・資格の関係(ISV Map Ver11r2)による難易度比較では、3級<ブロンズ<2級<シルバー<1級<ゴールド<Androidアプリケーション<Androidプラットフォームとされていることから、Javaプログラミング能力認定試験と比べOracle認定Javaプログラマの方が若干難易度が上と言えます。
Android技術者認定試験に関しては比較的新しい資格試験であり、まだ情報が出そろっていないことから詳細な難易度の比較は難しいかもしれません。しかしITSSキャリアフレームワークと認定試験・資格の関係(ISV Map Ver11r2)を見る限りではCCNAと同レベルと位置付けられていることから、ある程度実務経験を積んで柔軟な対応が出来るようになった方が受験する資格試験だと言えそうです。
一番のお勧めはOracle認定Javaプログラマ
受験料金の高さや難易度など総合判断では容易に取得できるとは言い難い資格ですが、この「Oracle認定Javaプログラマ」資格試験Goldを目標に学習することをお勧めします。
公式ベンダー資格で、世界中どこへ行っても通用することが非常に強力なメリットでもあります。
就職活動や給与査定にも直接係わってくる資格でもありますので、既に活躍している方にとっても有用な資格だと言えます。
Javaのニーズ
そもそもJavaというものはIT業界ではどのような立ち位置なのかについて調べてみました。
“Write once, run anywhere” (WORA、「一度(プログラムを)書けば、どこでも実行できる」)はサン・マイクロシステムズ(2010年にOracle社に吸収合併)スローガンで、有名な言葉でもあります。Javaは元々OSなどのプラットフォームに依存しない言語として開発されたもので、今なお世界中の開発現場で非常に重宝されている言語のひとつです。
米TIOBE社の調べによると、2019年現在もっとも勢いのある言語としてJavaが君臨しています。この結果は2015年以降、ほぼ変わっていない状況です。
アプリ開発としてのJava
日本ではスマートフォン向けにアプリはiOSとAndroidの両方で動作することが強く求められていて、アプリ開発の現場においてもJavaスキルは高い評価を得ています。
今後も更に日本におけるアプリ開発は加速していくと予想されますので、これらの状況を考えると様々なシステム開発だけでなくアプリ開発におけるJavaの必要性は益々高くなっていくと予想されます。
まとめ
いかがでしたか?
今回はJava関連の資格について紹介してみました。
これ以外にも資格試験はありますが中でも人気の高い資格を紹介しましたので、まずはこの辺りから検討してみても良いと思います。特にJavaプログラミング能力認定試験についてはJavaの学習を始めて間もない方を対象にした3級試験もありますので、学習しながら自分のスキルが今どのあたりまで向上したのかを自己分析できます。
慢性的な人材不足に多くの企業が悩まされている業界でもありますので、未来を見据えた転職を考えている方もこれを機にJavaの世界に足を踏み込んでみてはいかがでしょうか。